レモン●個分のビタミンC配合!←実はそんなにスゴくないことが判明
写真素材ぱくたそ
こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。
(はじめての方は、こちらからどうぞ)
「レモン●個分のビタミンC配合」
といった表示、よく見ますよね。
これだけ見ると、
「何だかスゴそう!」という印象を受けますが、本当にそうでしょうか。
今回は、栄養成分の表示について見ていきたいと思います。
レモン●個分のビタミンCは本当にスゴい?
レモン一個分のビタミンC量
まず、「レモン一個に含まれるビタミンC量」について確認しましょう。
清涼飲料業界では、この表示に関してガイドラインが設けられています。
【 参考 】「レモン果実一個分のビタミンC量」表示ガイドライン – 一般社団法人全国清涼飲料工業会
実は、レモン一個分のビタミンCは、
レモンを丸ごと一個食べた時に摂取できるビタミンC量ではありません。
そうではなく、レモン一個を絞って得られた果汁に含まれるビタミンC量のことです。
まあ、確かにレモンを丸ごと一個皮ごと食べることって、普通はないですもんね。
そして、レモン一個を絞って得られる果汁に含まれるビタミンC量は20mgです。
(レモン一個が120g → そこから得られる果汁は36g → 果汁に含まれるビタミンC量が約20mgとなります)
ビタミンCは一日に100mgとることが勧められていますので、
20mgというのは、まずまずの量と言えます。
では、他の食べものにはどれぐらいのビタミンCが含まれているのでしょうか。
レモン以外の食べものに含まれるビタミンC量
ビタミンCを豊富に含む食べものの、それぞれ100g当たりのビタミンC量をあげると、
- いちご・・・62mg
- レモン果汁・・・50mg
- みかん・・・32mg
- じゃがいも・・・35mg
- ほうれん草・・・35mg
となります。
なるほど、確かにレモン果汁に含まれるビタミンCは多いですね。
ただ、これは食品100g当たりの量です。
それぞれ、100gがどれぐらいの量になるなのかというと、
- いちご・・・6粒
- みかん・・・1個
- じゃがいも・・・1個
- ほうれん草・・・1/2把
(※ 大きさのバラつきがあるので、あくまで目安です)
となります。
まあ、日常的に食べるような量なので、想像しやすいですね。
さて、ではここでちょっと考えてみてほしいのですが、
そもそも、日常生活でレモン果汁を100ml飲むことはあるでしょうか。
レモンをとる時って、
ちょっと果汁を絞って味付けに使ったり、スライスして料理に添えるぐらいですよね。
普通、レモンを複数個摂取する機会なんてありません。
なので、確かにレモン果汁には多くのビタミンCが含まれていますが、
他のビタミンCが豊富な食材と比べると、日常的に食べる量が圧倒的に少ないのです。
想像しづらいのが逆に良い?
こうなると、次の疑問が浮かびます。
「なぜ日常的に多くとる食べものでないレモンをビタミンC量の基準として採用したのか」
こっからは完全に僕の意見なのですが、
おそらく、レモンで表現した方が、与える印象が強烈になるからだと思います。
どういうことかというと、
ビタミンCを100mgとるためには、
いちごなら10粒、みかんなら2個とれば足ります。
しかし、これがレモンだと、5個とらないといけません。
いちご10粒、みかん2個、そしてレモン5個。
どうでしょう?
レモン5個だけ常識的な量をはるかに超えていますよね。
つまり、同じビタミンCの量を表現するのに、
レモンを使った方が消費者に量の多さを印象付けやすいのです。
「これ一粒でいちご10粒分のビタミンC!」
と言われると、「いつも食べてる量だな」となりますが、
「これ一粒でレモン5個分のビタミンC!」
となると、「レモン5個も食べるの大変だけど、これなら一粒でいいのか。スゴい!」となっちゃいます。
ありがたみが全然違いますね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
「レモン●個分」をいう表現はウソではないですし、確かにレモン自体はビタミンCが多いです。
しかし、言葉のトリックに騙されると、事実を正しく認識できなくなってしまいます。
商品のパッケージに踊るさまざまな栄養成分に関する表現。
その本当に意味するところを知って、賢い選択ができるようになりましょう。
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