「肉を食べればスタミナがつく」はウソ?!和食が肉食に勝った話

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こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。

(はじめての方はこちらからどうぞ

 

スタミナつけるために焼き肉でもいくか〜」という人がいますが、

日本人にとって、肉は本当にスタミナがつく食べものなのでしょうか。

 

今回は明治時代にドイツ人医師によって行われた「肉食 VS 和食」の人体実験をご紹介します。

 

 

肉食でスタミナはつかない?ドイツ人もビックリの実験結果

 

今回紹介する実験を行ったのは、エルヴィン・フォン・ベルツというドイツ人医師で、

彼は明治時代に日本にやってきて、東大の医学部で教育や研究に当たった人物です。

 

ベルツは実に29年という長い間日本に滞在し、日本の医学の発展に大きく寄与しました。

 

彼は最新式のドイツ式栄養学を日本人に広めようと息巻いてやってきたのですが、

極東の地日本で驚くべき体験をするのです。

 

 

馬より丈夫な人力夫

ベルツが東京から110km離れた日光へ馬に乗って出かけた時のこと。

ベルツは日光に到着するまでに馬を六回乗り換え、約14時間かけて到着しました。

 

一方、もうひとりの仲間は人力車に乗って向かったのですが、

なんとわずか30分だけ遅れて到着したのです。

 

しかも、人力車を引っ張った人力夫は交代せず、一人でやってのけました。

 

一体この男はどんな食事をしているのだ?!

 

ベルツはその人力夫の食事内容を調べることにします。

 

 

ドイツ式栄養学完全無視!人力夫の食生活

人力夫の食事内容は、ベルツをさらに驚かすことになります。

 

その食事内容は、玄米おにぎりに梅干し、味噌、大根の千切りに沢庵というもの。

ドイツ式栄養学で分析すると明らかにたんぱく質が不足し、炭水化物に偏った食事です。

 

「日本人はスゴい!こんな劣悪な栄養の食事でこれほどの体力を持っている」

 

彼らにドイツ式栄養学に基づいた良質な食事を与えれば、さらに力を発揮できるに違いない!

 

興奮したベルツは新しい実験を考えつきます。

 

三日でバテた肉食の食事

ベルツが次に行った実験はこうです。

 

一人の人力夫には、従来通りの低たんぱく質・高炭水化物の日本の伝統食を与え、

もう一人にはドイツ式栄養学に基づいた肉料理の食事を与えます。

 

そして、この別々の食事を与えた彼らに80kgの荷物を持たせ、毎日40kmの距離を走らせました。

 

「さあ、一体肉を食べさせた方はどれだけ力を伸ばすことができるだろう」

 

 

しかし、実験を開始して三日後、予想もしていなかったことが起きます。

肉料理を食べさせた人力夫が早々に音を上げたのです。

 

「旦那、もうあっしは疲れて走れやせん。どうか食事を元に戻してくんねか」

 

一方、日本の伝統食の人力夫はなんと三週間もの間走り続けました

 

そして、食事を元に戻した人力夫はすぐさま体力を取り戻し、元気に走り出したといいます。

 

 

数々の実験で証明される伝統食の力

ベルツはそれからも、肉食 VS 和食(伝統食)の実験を続けます。

 

しかし、結果はどれも同じで、

「腕を支える力」「スクワット」いずれの実験でも肉食が早くダウンし、伝統食は驚異の体力を発揮し続けました。

 

 

最新式のドイツ式栄養学を引っさげて来日したベルツでしたが、これには考えを改め、

帰国後はドイツ国民に菜食の良さを喧伝したそうです。

 

さらに、ベルツは「こんなに母乳の出る民族は見たことがない」とも言っています。

 

当時の日本人は、今からは想像もできないぐらい生命力に満ちた民族だったのですね。

 

 

ベルツは欧米礼賛の風潮にも警鐘を鳴らしていた

さらにベルツは、こんなことも言っています。

 

不思議なことに、今の日本人は自分自身の過去についてはなにも知りたくないのだ。それどころか、教養人たちはそれを恥じてさえいる。「いや、なにもかもすべて野蛮でした」、「われわれには歴史はありません。われわれの歴史は今、始まるのです」という日本人さえいる。このような現象は急激な変化に対する反動から来ることはわかるが、大変不快なものである。日本人たちがこのように自国固有の文化を軽視すれば、かえって外国人の信頼を得ることにはならない。なにより、今の日本に必要なのはまず日本文化の所産のすべての貴重なものを検討し、これを現在と将来の要求に、ことさらゆっくりと慎重に適応させることなのだ。

 

明治維新後、日本人は自分たちの文化や歴史を軽視し、欧米の文明に傾倒するようになりますが、

それは当時の欧米人から見て、大変もったいないことに思えたようです。

 

 

まとめ

食事も他の日本文化と同じで、欧米を模倣するようになり、

せっせとたんぱく質と脂質を摂取するようになります。

 

太平洋戦争後はそれにさらに拍車がかかるのですが、

その結果、日本人は本当に健康になれたのでしょうか。

 

 

最近、着物で過ごすようになって思うのですが、

着物は、本当に日本の気候によくあった衣服です。

 

食事もそれと同じで、

この土地の地理的条件、気候、風土の中で培われたものを採用し、加工して利用してきました。

 

日本人の身体には伝統食が一番合っているのだと思います。

 

 

日常食は和食を基本にすること。

 

ただ、それだけでは現代ならではの毒が溜まってしまうので、

定期的にデトックスのためのファスティングをすること。

 

この考えが広まり、実践する人が増えれば、簡単に日本人はもっと健康になると確信しています。

 

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