【書評】「腸内フローラ10の真実」NHKスペシャル取材班

【書評】「腸内フローラ10の真実」NHKスペシャル取材班

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こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。

唐突ですが、僕が今一番注目している分野が腸内環境です。

 

腸内環境というと、善玉菌が多く、悪玉菌が少ないと良好で、

逆だと悪くなり、便秘になったり、肌が荒れたり、免疫力が低下する。

 

というところまでは割と広く知られた事実です。

しかし、今回ご紹介するこの本を読むと、その常識が氷山のほんの一角だったことに気付くでしょう。

 

 

ビフィズス菌や乳酸菌といった、いわゆる「善玉菌」がたくさんいることはいいことかもしれません。しかし、これらの菌が多いというだけで健康な腸内フローラとは言えません。

(P. 224より)

 

僕が今年これまでに読んだ本の中でダントツの良書です。

これを読むと、腸内環境に対する考え方が、

いえ、そもそもの健康や人間という生物に対しての概念が決定的に変わること請け合いです。

 

要点だけを取り上げてまとめるのが不可能なぐらい、全体がスゴい内容です。

ぜひ本書を読んでいただきたいのですが、特に良かったところをかいつまんでご紹介していきます。

 


 

腸内フローラ10の真実

この本は2015年2月にNHKで放送されて大反響を読んだ「腸内フローラ 解明!驚異の細菌パワー」という特番で紹介しきれなかった内容をまとめたものです。

 

特筆すべきは、取材班が世界中の研究者に直に会いに行って話を聞き、さらに最新の研究データをふんだんに交えながら腸内フローラに関する真実が記されている点です。

専門家も一般の人も、十分に楽しませてくれる内容になっています。

 

肥満から身体の病気、心の病までの鍵を握る腸内細菌

腸内フローラの最新研究でわかってきた事実は、従来の人間観をくつがえしてしまうような、本質的で革命的な話です。一時すごく話題になって、すぐに忘れ去られてしまうような中身の薄い健康情報ではないのです。

(P. 8より)

 

本書の前半部分では、腸内細菌がいろいろな身体や心の状態、そして病気の鍵を握っていることが研究結果とともに語られています。

 

その範囲は多岐にわたり、

肥満、糖尿病、美肌、がん、動脈硬化、花粉症やアトピーなどのアレルギー、性格、うつ病、自閉症などと腸内細菌は密接に関係しています。

 

そして、その腸内環境を大きく左右する要素が、日々の食事です。

ある実験によると、なんと一日食事を変えただけで、24時間後には腸内環境が変化を示すといいます。

いかに普段の食事が直接的に影響を与えているのかがよくわかります。

 

腸内フローラは五歳までに決まる

だいたい5歳ぐらいまでに腸内フローラの構成が決まってしまい、その後は、大人になっても、ほとんど変わることはありません。

(P. 173)

 

これも驚愕の事実でした。

なんと、腸内フローラ、つまり腸の中にどんな種類の細菌がどんな割合で存在するかというのは、五歳までに決まってしまうというのです。

 

赤ちゃんは母親の胎内にいる時は無菌で、出産で産道を通る時に母親から細菌をもらう(感染する)ことになります。

つまり、子どもの腸内環境は母親と似ているというのです。

しかし、帝王切開で生まれた子どもは産道を通らないため、母親の腸内フローラの影響を受けにくくなります。

 

そして、その後の生活で接して体内に入ってくる細菌によって腸内フローラは決まり、

五歳まででその様子がほぼ確定するとのこと。

 

次で書きますが、土地、国によっている細菌が違うので、

僕はこれを読んで子どもを海外で産んで育てることによって、どういう影響があるのだろうかと思いました。

 

そして何より、五歳までの食事、そう、食育がいかに子どもの将来に影響を及ぼすかということを改めて噛み締めました。

 

腸内フローラから見ても、やはり日本人には和食が最適だった

腸内フローラは国ごとに特徴があって、たとえば、ある国ではこの種の菌が多いが、別の国ではまったくいないといった具合に、国によって、いる・いないがはっきり分かれたりします。

(P. 175)

僕がこの本を読んでいて、一番衝撃を受けたのがコレです。

 

身土不二(しんどふじ)という言葉があります。

明治時代に石塚左玄という人が提唱した、「人間はその土地の食べものが一番適している」という考え方です。

 

僕もこの考えにすごく共感していて、だからこそ日本人には和食が一番良いと主張しているのですが、

それが腸内フローラの観点から正しいということが証明されたことが、この本を読んだ一番の収穫でした。

 

どういうことかというと、細菌というのは、土地によって棲みついている種類が異なるのです。

つまり、日本には日本の、アメリカにはアメリカの細菌がいます。

 

そして、僕たちの腸内環境はその土地の細菌の影響を受けています。

それが、食生活と切っても切れない関係を持っているのです。

 

日本人の腸内フローラを遺伝子解析すると、「海藻を消化する遺伝子」が見つかります。これは、他の国の人の腸内フローラからは見つかっておらず、「スシ・ファクター」などとも呼ばれているそうです。

(P. 178)

 

和食が日本人に合っている理由。

それは、この土地、気候という地理的条件の中で入手できる食べもので生きてきた日本人は、その食べもので健康的に生きられるように最適化し、進化してきたからです。

 

なので、世界的に和食が健康ブームになっていますが、果たして海外の人が和食を食べて本当に健康になれるのかは議論の余地があります。

逆に、たとえば、日本人が健康的とされている地中海式食生活を送っても健康になれるのかも、クエスチョンマークがつきます。

 

食べる物を短期間で一変させてしまったら、私たちの先祖と腸内細菌が築き上げてきた「共進化」の成果を台無しにしてしまうことを、肝に銘じておかなければなりません。

(P. 200)

日本人が今直面している生活習慣病はじめ、健康問題は急速な、そして行き過ぎた食の欧米化にあることは間違いないでしょう。

 

まとめ

僕は今、「和食」と「ファスティング」の良さを伝えようと活動しています。

そして何を隠そう、この二つは腸内フローラを改善する上でとてつもない効力を発揮するのです。

 

「ファスティングが腸内環境改善に良い」ということはわかっていましたが、和食も腸内環境改善に最適だということをこの本を通じて理解し、点と点が線で繋がりました。

ますます自分の考え、活動に確信を与えてくれた一冊になりました。

 

この本に書かれていることだけでも雷に打たれたような衝撃でしたが、なんと腸内フローラに関する研究はまだ始まったばかりだというのです。

一体、これからどんな新事実がつまびらかにされていくのでしょうか。

これからも腸内フローラの研究から目が離せません。

 

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