醤油の発祥は何県?日本で独自の発展を遂げた調味料の起源
砂糖、塩と並んで日本のどの家庭にも必ずといっていいほど常備されている調味料といえば醤油です。
まさに和食の基本ともいえる醤油は、それ一つで甘味、塩味、苦味、酸味、旨味をすべて兼ね備えた万能調味料です。
今回はそんな醤油の起源をわかりやすくまとめてみます。
醤油の起源、ルーツ
もともとは塩辛から始まった
醤油の一番先の祖先にあたるものが、三千年前に中国から伝わった醤(ひしお)というもの。
これは、肉や魚に塩を加えて、麹と酒を入れて瓶に詰めて寝かせたもので、いわゆる塩辛のようなものでした。
つまり、この時点では液体ではなく、固形の食べものだったのです。
肉を漬けたものが肉醤(にくしょう)、魚を漬けたものは魚醤(ぎょしょう)、そして米や麦、豆を原料にしたものを穀醤(こくしょう)と呼びました。
そう、醤油はこの中の穀醤がルーツになっているのです。
禅僧によって和歌山で生まれた醤油
そんな固形だった醤が今のような液体として使われるようになった発祥が和歌山県の湯浅というところ。
鎌倉時代に、中国の宋から「径山寺味噌(きんざんじみそ)」というおかずとして食べるなめ味噌の製法を持ち帰ったのが禅僧の覚心(かくしん)。
その覚心は全国を行脚している中で、紀伊半島の和歌山湯浅がこの径山寺味噌の製造に適している地であることを発見します。
村人たちと一緒に試行錯誤を続ける覚心は、ある時、味噌を作っている時に上の方に溜まってくる液が美味しいことに気付き、これを捨てるのはもったいないということで調味液に使ったのが「溜まり」と呼ばれるようになり、後の醤油となったのです。
つまりは、味噌を作る過程の副産物としてできたのが醤油だといえます。
その後、醤油の製造は全国に伝わり、後に日本の醤油四大生産地として発展を遂げたのが、千葉県の銚子、野田、香川県の小豆島、そして兵庫県の龍野です。
ちなみに、魚から作られる魚醤は今でも秋田のしょっつる、香川のいかなご醤油、外国ではタイのナンプラー、ベトナムのニョクマムなどがあります。
今回は醤油の起源についてお伝えしました。
次回は醤油の種類についてまとめてみたいと思います。
【 関連記事 】