一日三食はいつから?理由は?健康のためには一日何食食べるのがベストなのか
皆さんは、一日何回、食事をとっていますか?
こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。
(初めての方は自己紹介をご覧ください)
我々日本人にとって、
「一日三食食べる」ことは当たり前のように正しいこと、
良いこととされてきました。
実際、国の健康を司る厚生労働省も
「一日三食規則正しく食べましょう」
という推奨を行っています。
僕自身も子供の頃から、朝どんなに食欲がなくても
母親が朝食を出して食べさせられ、
一日三食の習慣をずっと続けてきました。
しかし、アメリカではすでに
一日三食食べるという習慣は崩れはじめ、
食習慣に常識が崩れつつあるようです。
(参考: 軽食で済ます米国人が増加 – 隅においやられる従来型の食事)
そもそも、人間は一日三食食べる必要はあるのでしょうか。
今回は、日本人がいつからどのような理由で
一日三食食べるようになったのかの歴史を紐解いていきます。
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昔は一日二食が普通だった
実は、日本という国の一日三食の歴史は意外に浅く、
江戸時代まで一般的な日本人は
一日二食で生活をしていたようです。
庶民の間でも一日三食とるという習慣が一般的になったのは、
江戸時代になってから。
その起こりは、当時の幕府は全国から大工や職人を江戸に集めて
朝から夕方まで一日中仕事をさせていたのですが、
朝食と夕食だけでは働く人たちの体力がもたなくなったため、
昼にも食事を提供するようになり、
これが徐々に一般の民にも広まっていったと言われています。
一日三食の科学的根拠を築いた博士
日本で学術的に一日三食を最初に推奨した人は
佐伯矩(ただす)博士という人です。
佐伯矩博士はなんと日本に”世界初の栄養学校”を創設された方。
世界初の栄養学校は、実は日本だったのですね。
佐伯矩博士は「人も国も食の上に立つ」という考えのもと、
さまざまな栄養学の研究をするのですが、
その中で、
「一体日本人は一日にどれだけのエネルギーを必要とするのか」
という研究がありました。
そして研究の結果、
「日本人の成人男性は平均して一日2500〜2700kcalのエネルギーが必要だ」
ということを導きだしました。
「これだけのカロリーを二食だけで補うことは難しい」
という考えから、一日三食を提唱するようになります。
さらに佐伯矩博士は動物実験によって、
「一食で同じ栄養素を偏って摂取する
(たとえば朝は炭水化物のみ、昼にタンパク質のみ、夜に脂質のみというように)
より、それぞれの栄養素を1/3ずつ混ぜて三食でバランスよくとった方が
ラットの寿命が伸び、成長する」
ということを発見します。
こうしてこの研究結果もふまえた、
「一日三食、バランスよく食べましょう」
という今では常識として誰もが知っている考え方が定着しました。
現代人に一日三食は妥当なのか
その後時代は変化し、
現代人のライフスタイルも当時に比べると
大きく変化を遂げています。
昔に比べると格段に交通機関が発達し、
自家用車を持つようになり、
三次産業や頭脳労働が増えました。
それにともない、
現代人の運動量は一昔前に比べるとガクッと減ってしまいました。
そして、現代人が一日に必要なエネルギーも
「2000〜2200kcal」と、こちらも変更されて減っています。
さらに加工食品が増えることで、
いわゆる”砂糖漬け、油漬け”の食品による
“一口で摂取できるカロリー”も増加。
これらの変化が世界規模で起こっていることを考えると、
アメリカでの食事の傾向の変化も時代に合わせた
自然な適応の結果なのかもしれません。
以上のような時代の変化を考えると
「一日三食食べるのが良し」とする考えも絶対ではなく、
再考しないといけない時期に来ていると言えると思います。
ちなみに、僕は朝ごはんは食べず、
酵素ドリンクを一杯と白湯を飲んで
日によって軽く果物で済ませる程度です。
しかし、だからといって他の人も
朝ごはんをやめるべきだとは言いません。
ただ、
「朝ごはんは健康のために必ずとらないといけないもの」
という捉え方はしなくても良いのではないでしょうか。
意外と、朝ごはんをやめてみたほうが
身体の調子が良くなるかもしれません。
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