子供の非行、さらには不妊の原因にも!鉛はどこから侵入するか
有害ミネラル、前回の水銀に続いて、今回は鉛についてまとめていきます。
子供の非行から大人の不妊の原因にも!鉛はどこからやってくる?
画家に多い鉛中毒
画家を職業としている人や、美大の学生の中に鉛中毒になる人がいます。
その原因が絵の具。
市販されている絵の具の中には鉛を含むものがあり、これを吸い込んだり、絵の具を触った手で食事をとったりタバコを吸うことで体内に侵入します。
日常的に使う機会の多い人は、絵の具の原材料をチェックしましょう。
子供の遊び場にも汚染のリスクが
鉛は1980年代中頃までガソリンに含まれていました。
車の排気ガスで舞い上がった鉛が地面に降り積もり、今でも公園の砂場などでは鉛が多く含まれる場所があるようです。
さらには、鉛は焼却処理工場の排煙にも含まれています。
近くにそのような施設がある場合は、特に注意が必要です。
一番のリスクは水道水
一番鉛が体内に入る経路として大きいのが水道水だと言われています。
昔、水道管には軟らかくて加工がしやすい鉛が使われていました。
これが老朽化とともに鉛が溶け出し、水道水に混じるということで、水道管がステンレス製に交換されました。
しかし、完全に交換されたのは、浄水場から出ている本管部分のみで、各家庭への引き込み部分はまだ完全に交換が終わっておらず、鉛の菅が残ったままになっているところもあるようです。
水道局もあまり積極的に交換を行わず、自宅の水道管が鉛なのかどうかを調べるのも簡単ではないようで、鉛中毒が疑われる場合はまず水道を調べるのが勧められます。
心配な場合は、長く水道を使わなかった場合や、朝一番の水はバケツ一杯分(約10リットル)ぐらいは飲み水に使わない方が安心です(参考:東京都水道局)。
また、鉛を除去できる浄水器も出ているので、直接飲む水だけでなく、食器を洗う水、お米を洗う水なども浄水器の水を使用すると、より良いでしょう。
鉛の害
鉛は中枢神経に作用し、子供の精神遅滞、学習障害などを引き起こします。
今問題になっている多動性障害(ADHD)の原因になるとも言われています。
アメリカの研究では、鉛と暴力犯罪の関係性も指摘されており、非行歴のある少年は鉛の濃度が高いことなどが確認されています。
大人では不妊などの原因にもつながると言われています。
フッ素が鉛の吸収を促進
虫歯を予防するということで、多くの歯磨き粉にも含まれるフッ素ですが、鉛の吸収を促進する作用があります。
心配な方はフッ素フリーの歯磨き粉に変えた方がいいでしょう。
まとめ
鉛は体内に入ると骨に蓄積されて、外に出にくいという特徴があります。
毛髪ミネラル検査などで鉛の蓄積が確認された場合は、鉛の侵入経路をつきとめ、その元を断つことが重要です。
【 関連記事 】