あなたの家の醤油はどっち?醤油の原料は丸大豆と脱脂加工大豆の二種類
前回は醤油の起源についてご紹介しました。
今回は醤油の原材料と製法、そして丸大豆と脱脂加工大豆の違いをお話したいと思います。
醤油の原材料と製法 丸大豆と脱脂加工大豆の違い
原材料は大豆と小麦と食塩
基本的な醤油の作り方は、まず、蒸した大豆と炒った小麦を混ぜたところに、麹を加え、食塩水を入れて発酵熟成させます(これを醪(もろみ)と言う)。
麹を加えることで、大豆や小麦のたんぱく質や炭水化物が細かい栄養成分に分解されていき、これが醤油の旨味や香りのもととなります。
そして、熟成させた醪を絞ってできた液を火にかけ(火入れ)、殺菌や色の調整を行って完成となります。
熱を入れることでも香りが良くなります。
これらの過程を経ることで、醤油は300種類以上にも及ぶ非常に複雑な香気成分が生み出され、独特のあの風味が形作られるのです。
原材料表示をよく見ると・・・
醤油の原材料の大豆には二種類あります。
「丸大豆」と「脱脂加工大豆」です。
丸大豆は大豆の品種ではなく、大豆を丸々使っていますという意味。
脱脂加工大豆は大豆を絞って油を作った(大豆油)後の搾りかすのことです。
コストが安く、熟成が早くて便利ということで広く使われています(実に全生産量のうち脱脂加工大豆を使ったものが82.0%!)が、個人的に味の面からも安全性の面からも丸大豆を使ったものが良いと思います。
ちなみに、ただ丸大豆がいいというわけではなくて、こだわるなら国産のものです。
なぜなら、遺伝子組み換え作物の問題があるからです。
日本の大豆は93.9%が輸入に頼っています(2010年)。
さらに、その輸入先の71.4%がアメリカ(同2010年)。
そしてアメリカの大豆作付面積のなんと94%が遺伝子組み換えの大豆なのです(2011年)。
つまり、単純計算して日本に出回っている輸入大豆の6割以上は遺伝子組み換えというわけです。
残念なことに、全生産量のうち、国産の丸大豆を使った醤油はわずかに2.4%を占めるのみ。
本当にいい醤油を手に入れようと思ったら、見極めるための知識が必須ですね。
今回は醤油の原材料と製法、丸大豆と脱脂加工大豆の違いについて見てきました。
次回は醤油の種類について書きたいと思います。
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