一万円の飛行機チケットは安いか
「ただ病気でないだけでなく、常にハツラツとして元気モリモリ、疲れ知らずで頭脳もキレキレ」
そんな体を手に入れることは、誰もが願うところです。
そして、そのためには食が欠かせません。なぜなら、僕たちの体は食べもの(栄養)からできているからです。
しかし、その願いがあっても、具体的に食事を改善しましょうという段になるとなかなかできない人も多いです。
「めんどうくさい」「何をすればいいのかわからない」といった理由とともにあげられるものが「お金がかかる」というもの。
今回はこの健康とお金の考え方について私見を書いていきたいと思います。
健康になるためにはお金がかかるのか
出費の考え方
「1000円です」
これが高いか安いかというのはそのものの価値によって判断されます。
500mlの水が1000円すると「高い」と感じるでしょうし、ディズニーのチケットが1000円だと「安い」と感じるかもしれません。
このように、「高い」「安い」という感覚は金額の絶対値で決まるものではありません。
人によってひと月に自由に使える金額はある程度決まっています。
その中から何にどれだけ使うかを選択し、それに見合った商品やサービス、体験を受け取っています。
お金の使い方はその人の考え方を如実に反映しています。
たとえば同じ3000円でも飲み会に使うのか、ためになる本を買うのか。
収入が決まっていると仮定すると、何かにお金を使うということは、他の何かに使えなくなることを意味します。
僕たちは自分の中で優先度をつけ、意思決定しお金を使っているということです。
健康の価値
健康のためにお金を使うということ。
農薬を使わずに栽培された野菜や果物、添加物など余計なものを使わずに伝統的な製法で職人さんが手間暇かけてつくった醤油。
健康のためにサプリメントを買うこと、健康に関しての本を買って勉強すること、健康の専門家のセミナーに参加して話を聞くこと。
すべてお金がかかります。
それを高いと思うかどうか、これはさきほどの例にあげたように、そのものに対して価値を感じているかどうかです。
他の支出に優先して健康に余分にお金を払う価値を考えてみましょう。
日本人は毎年、ガンも含めると約3人に2人は食事が関係している病気で亡くなっています。
これにより寿命をまっとうできないということだけでなく、医療機関にかかるお金がかかってきます。
通院費、治療費、薬代。
これを何年も、ともすると何十年も払わされ続けることになります。
これが若い時から健康について最低限学び、食事に気をつけていれば払わなくてよくなる可能性がグンと高まります。
つまり、今お金を使うことによって将来の出費が減ります。
もちろん、お金だけでなく、QOL(生活の質)が低下せず、最後まで人生を謳歌できることは言わずもがなです。
値段の裏に隠された理由
値段の奥に隠されている理由に思いを馳せましょう。
「なぜ、より高い値段がつけられているのか」
いえ、違います。
「なぜ、そんな安い値段で売られているのか」と捉えるべきなのです。
いいものが高いのではなく、そうでないものが安すぎるのです。
そしてその理由を知ることから、価値の転換は始まります。
わかりやすくするために、ちょっとした喩え話をしたいと思います。
ハワイに行きたいな〜と思っている時に、成田発ハワイ着の飛行機のチケットが一万円で売られていたらどうしますか?
「わ〜、安い!すっごいお得〜。ラッキー」
と喜んで買いますか?
それとも、「え?一万円?!いくらなんでも安すぎるぞ・・・。あやしい」と、その値段の裏にあるものを考えますか?
「あの〜、このチケットどうしてこんなに安いのですか?」
旅行代理店に電話で聞いてみました。
「あ、これはですね。新しい格安航空会社のチケットなのです。こちらの航空会社では従来より機体に使う材質を少なく、そして強度は落ちますが、安価なリサクル素材を使っております。また、機体の整備にあたる人員を削減し、整備の頻度を減らすことにより、人件費を極限まで削減しております。そのような企業努力によって、低価格を実現しております」
いくら安いといっても、そんな飛行機に自分の命を預けられますか?
でも、これと同じようなことが食の世界に起きているのです。
大げさでも誇張でもありません。
もし、この話を大げさだと感じたら黄色信号です。
自分の中で健康に対する価値が低いか、食の健康への貢献度を過小評価している可能性があります。
もちろん、お金をかければ健康になれるわけではありません。
そうではなく、健康に対して正当なお金を払っていない人が多いのです。
食費ってそんなに安く済ませていいものですか?
命の値段はそんなに安いのですか?
中には本当に苦しい生活をしている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ほとんどの人は健康を意識した食事をする、栄養状態を整えるうえで必要なお金は捻出できるはずです。
選択によって人生は変わる
最終的にどういう選択をするかは各自の自由です。
しかし、十分な情報がある上での選択と、限られた情報の下での選択は違ったものになります。
ちょっとしたきっかけで人は変わります。
人を変えることはできませんが、変えるきっかけを提供することはできます。
そんなわけで、僕は今日も「健康になるとこんなに人生楽しくなるんだよ〜!」って大声で叫び続けていきます。
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