普段着の着物生活を二ヶ月続けてみてわかったこと10
こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。
去年の十二月末から、普段着として着物の生活を送るようになって早二ヶ月が経ちました。
ケータイのアプリで着物を着た日の記録をつけているのですが、
昨年十二月二十三日から今日、二月二十三日までの二ヶ月間で、洋服を着た日は三日間だけでした。
今回は、二ヶ月間着物で過ごして気付いたことをまとめて十個ご紹介します。
読み物として、またこれから着物を着てみたい男性は参考にしてみてください。
※注 僕はただの着物好きの管理栄養士であり、着物の先生ではありません。内容に関してはあくまでも個人的な意見として捉えていただけると幸いです。
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ふだんぎ着物生活を二ヶ月続けてきて得た気付き
一、簡単に短時間で着られる
まず着物というと、「着るのに時間がかかるんじゃないの?」と思う方が多いかと思いますが、
男の着物に限ってはまったくそんなことはありません。
最初慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、すぐに慣れます。
そして、早く着られるようになります。
つい先日も、寝坊して二十分で支度をして家を出ることがあったのですが、それでも五分もかからずに着ることができました。
二、人目には慣れるしかない
着物で歩いていると、とにかくよく見られます。
街中を歩いていても視線を感じますし、
飲食店や雑貨屋に入ったり、電車の車両に乗り込んだりすると、一瞬「え?」って感じの空気が漂います笑。
まあこれはどうしようもないので、慣れるしかないです(^_^;)
あまり人目が気にならない人であればいいのかもしれませんが、
僕は結構人目を気にするので未だにちょっと苦労してるところです。。
三、理由を聞かれる
これもよくあるのですが、二言目には着ている理由を聞かれます。
まあそれも当然で、自分が逆の立場だったら絶対聞くと思います笑。
おそらく、若い男性って、着物を着る人が一番少ない層なんでしょうね。
特にスターバックスの店員さんはフレンドリーなのでよく聞かれます。
最初は答えに窮することもありましたが、今は「好きだから!」と胸を張って言えるようになりました^^
すぐに顔を覚えてくれて「いつもありがとうございます」と声をかけてもらえるのが嬉しいです(こちらこそ、いつもありがとうございます!)。
四、着方について言われる
すごく違和感を感じることなのですが、特に年配の女性によく着方を指摘されます。
ちょっと百貨店の雑貨コーナーで風呂敷を買っただけなのに、店員さんに着物の前の合わせ具合を調整されたり…、
飲みに行った居酒屋さんで「せっかく着物着てるんだから、もっと襟元をピシっとした方がいいわよ」と言われたり…。
まあ別に迷惑ってほどでもなく、むしろありがたいぐらいなのですが、
僕が違和感を覚えるのは、「着物はキチッと着ないといけない」という固定概念です。
洋服ではこのようなことは起こりません。
だらしなく裾をひきずって歩いていたり、シャツのボタンを開けて歩いていても、どう思うかは置いておいて、他人に直されることはないでしょう。
もちろん、改まった場での着物なら話は別ですが、普段着として着物を着てるんだから放っておいてほしいという気持ちもあります。
とにかく着物が特別扱いされるのがうっとうしく思うことが多いです。
五、意外と寒さに強い
よく「着物って寒くないですか?」と言われますが、これもまったくそんなことはありません。
僕も寒さを恐れて着物専用のコートを買ったのですが、結局数回しか着ていません。
中にタイツや肌襦袢をつけて、その上から袷の襦袢や袷の着物さらには羽織を羽織れば何重にもなりますし、
和服は洋服と違って、一枚の布で全身が覆われている形になるので、空気の出入りがなくて寒くないんですよね。
ただ、弱点は首元で、大きく開いているので、そこはマフラーなどをすれば解決です。
僕は大河ドラマ「龍馬伝」で佐藤健さん演じる岡田以蔵がスポッとかぶるタイプの襟巻きをしていて、
「あれをつければ自分もカッコよくなれる!」と勘違いしたので、同じようなものを購入して使っています(ちょうど下の商品のような感じのもの)。
六、雨の日はどうする?
着物で困るのが雨の日と言われていますが、これも特に困ってはいません。
まず、雨の日は絹を避け、木綿などの「多少濡れてもいいや」という着物を着るようにしています。
そして足元ですが、足袋に草履ではすぐに濡れてしまいます。
履物につかれられるビニール製の雨除けもあるのですが、個人的に好きじゃなくて使っておらず、
ブーツか地下足袋スニーカーにしています。
ブーツは坂本龍馬よろしく、紐がついていないタイプを使っています。
長靴感覚で履けますし、着脱も楽チンです。
地下足袋スニーカーはsou souというブランドが出しているものがお洒落で気に入っています。
雨以外でもカジュアルな気分の時はピッタリですね。
七、袂(たもと)が邪魔?
袂とは、袖の広い部分のことで、着物を着始めたばかりの頃は、とにかくここが邪魔に感じます。
よく言われる”あるある”が、飲食店のテーブルで遠くにあるものを取ろうとして、袂がお皿の中の汁や料理についてしまうというもの。
これは片方の手で袂を押さえるクセがつけば防ぐことができます。
僕は料理をする時も着物ですが、その時はたすきを使っています。
たすきといっても、要は腰紐で、それをたすき掛けにしているだけです。
結び方はYoutubeにもありますし、簡単なのですぐに覚えられます。
たすきで袂をまとめておけば袖は邪魔じゃなくなります。
それよりも困るのが、たすきをするほどじゃないけど袂が邪魔になる時です。
たとえば、外から帰ってきて手を洗う時。
そのまま洗うと、袂が流しの周りで濡れたり汚れますし、かといてわざわざたすき掛けするのも難儀なことです。
こういう時は袖を脇に挟み込むようにしています。
こうすれば、脇を締めているかぎり、袂が邪魔になることはありません。
もしくは袂を帯に挟み込むという方法もあります。
八、階段を昇る時に裾を踏む問題
階段を降りる時はいいのですが、昇る時が結構大変で、
特に裾が長めの着物だと草履で裾を踏んでしまうことがよくあります。
これを防ぐためには、右手で右足の太ももあたりの生地をつまみ、少し上に引っ張ってあげると踏みにくくなります。
後は、昇る時に少し身体の面を右側に斜めにして昇るのも有効です。
後は、登ったり降りたりする時に、ビーチサンダルを履いている感覚で歩くとパタンパタン音がしてうるさいです。
これも歩き方を工夫することにより、静かに登り降りすることができます。
歩き方を工夫するというか、洋服の靴と和服の履物では歩き方、足の運び方がまるで違います。
これに慣れるのはちょっとした努力が必要ですが、
草履や雪駄での歩き方を覚えると、より歩く姿が様になりますし、着物が身体に馴染み、着崩れもしにくくなります。
九、帯が緩む
一度、街中で帯が緩んでメッチャ焦ったことがあります笑
幸いにも早朝で人通りが少なかったので、横道に入って締め直しました。
これ以外にも何度か街中で帯が緩んだことがあり、本当にヒヤヒヤします。
で、この原因なのですが、まずは締め方が緩い場合があります。
後は、たとえばソファに深く腰掛けたりして、帯の結び目が緩んでしまっている場合、
そして帯の種類によっても緩みやすい帯があったりします。
このあたりは帯を使っていくうちに「この帯は緩みやすいな」と思ったら、その帯を締めている時は時々後ろに手を回して結び目をキュッと締め直すなど、気にかけています。
十、収納場所問題
着物は洋服と違って、平べったいので、収納に困りました。
畳紙(たとうし)という細長い紙でしまっていたのですが、着物の数が増えて、さすがに場所がなくなってきたので、
今は風呂敷で包んで収納しています。
宇金(うこん)風呂敷といって、着物の収納にピッタリな風呂敷があります。
色の綺麗さもさることながら、ちゃんとした宇金染めの風呂敷には防虫効果もあるんだとか。
まとめ
着慣れていない着物を着るというのは、赤ちゃんの頃に戻るのと同じです。
まだ洋服を着慣れていない頃、ボタンを留めるのに時間がかかりましたよね?
靴紐の結び方もわからなかった。
ズボンのチャックがうまく下ろせずに漏らしてしまったり笑
「着物を着るのが難しい」というのは、子どもが服を着るのが難しいというのと同じなのです。
つまり、着物自体が難しいのではなく、ただ着ることに慣れていないだけ。
着ることに慣れたり、いろんな小技を覚えると、洋服とほとんど変わらずに日常を過ごすことが可能です。
そしてその過程が楽しく、どんどん着物に着慣れていくのがたまらなくおもしろいのです。
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