ご飯、パン、牛乳 これから日本の給食はどう変わる?

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僕は昭和61年生まれですが、小学校の頃の給食では月曜日と木曜日の週二回がご飯給食でした(兵庫県神戸市)。

お茶碗ではなく、アルミのような平皿に盛りつけされて出されていました。

 

給食は都道府県や地方自治体によってかなり異なります。

幕内秀夫先生が出版された「変な給食(ブックマン社)」では、日本全国の”おかしな”給食の献立がいくつも紹介されていました。

特に東京、神奈川、大阪、沖縄あたりがひどい献立が多いとのこと。

菓子パンの主食、ボリュームが少なかったり、組み合わせがメチャクチャだったり、確かに献立の写真を見ているとこっちまで食欲がなくなってきます笑。

 

 

 

ご飯しか出しません!

その中で、完全米飯給食を実施している地方自治体があります。

それが、新潟県三条市です。

三条市では、一切の例外(行事食も含む)なく、主食は必ず米飯を出すようにしています。

それも白米ではなく、ビタミンやミネラルが多く残された分搗き米を出しています。

もちろん食器もアルミではなく、きちんとしたお茶碗です。

 

さらに、今年(平成26年)の12月からは期間限定ですが牛乳もやめるとのこと(学校の給食から牛乳が消える? – NHK)。

これは市長や栄養士含め、並々ならぬ決意の現れだなと感服しました。

 

市長なんて、選挙のことを考えたらパン業者や畜産業者の票が頭をよぎるはずなのに、その実行力は本当にスゴいです。

(日本の給食でパンが出されるようになった歴史はこちら:「日本人はなぜパンを食べるようになったのか」)

 

そして三条市では米飯給食に変えてから小・中学校での肥満児の割合が減少しています。

 

肥満児の割合(三条市)

【2005年】小学校: 11.6% 中学校: 10.3%

【2007年】小学校: 9.2% 中学校: 9.5%

 

「お米は太る!」なんていうイメージを吹き飛ばす結果が出ているのです。

そして、文部科学省も2009年3月に全国の小学校に対して「週3日以上は米飯給食を実施する努力を促す通知」を出しています。

さらに「すでに週3日米飯給食ができている学校に関しては、それ以上を目指すように」という指針も記されています。

まさに今、学校給食が大きく変わろうとしている波がきています。

それを他に先駆けていち早く実践し、波を作り出した三条市は日本の給食の歴史に名を残す大業を成し遂げたと言えるでしょう。

 

 

各方面からの反発

もちろん、このような動きに対して各方面から猛烈な批判や反発が起きています。

「子供たちが好きなものを出してあげてほしい」「残食が多くなるのではないか」

しかし、著書の中で幕内先生はこのようにバッサリ切り捨てています。

 

算数の授業が嫌いだという子供に「じゃあ勉強しなくていいよ」と言いますか?

給食は大事な食育の教材です。

子供に迎合していては本末転倒です。

(一部改変)

 

「これだな!」と思いました。

学校給食というのは、大事な教育の一部であって、子供の希望になんでもかんでも合わせる必要はまったくないんです。

子供の好みを聞いたり、要望を聞いたりするのはまったくの筋違い。スタンスがおかしい。

一生涯の食習慣や嗜好が形成される大事な大事な子供の時期に、日本の食文化に基づいた、地産地消の食事を覚えてもらう。

これこそ、給食が果たすべき役割ではないでしょうか。

 

 

まとめ

今回、この本を読んでいて子供にとっての食事というのは、大人にとっての食事とはまったく違うものなのだということに改めて気づきました。

大人になったら多少「食べたいものを食べる」というのもいいですが、子供の食事はそうではない。

甘いものや油っこいものの味を覚えさせるとそっちを好むようになります。

ファーストフード、菓子パンなどを食べさせると、それが習慣になります。

子供がゲームばかりしていたらそれを放置しますか?アダルトなものを目にしていたら?

食事にもこれと同じ意識を持って教育を行わないと、その子の一生に取り返しのつかない影響を及ぼします。

 

「食育」、ものすごくおもしろいテーマだと思いました。

まず何よりも、自分の子供のために詳しくなっておきたい。

三条市の栄養士の方に会ったり、給食の視察に行ってみたいなあ~。

また自分の中のテーマが広がりました!

 

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