これから就活をする栄養学部の就活生が知っておきたい4つの事実
「栄養士の就職は情報が少ない」
僕もそうでしたが、
管理栄養士の就職は情報が少なく困ることが多いですよね。
こんにちは。
管理栄養士の圓尾(まるお)です。
(初めての方は自己紹介をご覧ください)
今回は、そんな就活で困っている学生さんに
ピッタリの記事を書きました。
僕自身の就職活動の実体験を織り交ぜつつ、
栄養士ならではの必勝就活攻略法を
ご紹介したいと思います。
新卒の方だけでなく、
転職を考えている栄養士さんの助けにもなれば幸いです。
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管理栄養士の就職活動のすべて
病院・委託給食会社への就職活動
僕は栄養士の花型とも言える
病院への就職を目指しました。
しかし、就活をした時期が
大学院を卒業した後の6月から7月にかけてで、
さらに「大学院卒の現場経験なし」
という経歴だったので、
いくら受けても全然受かりませんでした…。
病院の就職には「大学院卒」という肩書きは
あまり役に立たないようです
(大学病院等は別かもしれません)。
最初は病院に絞って就職活動をしていた僕は、
受けるところ受けるところ落ちまくるのでだんだん焦り始め、
途中から高齢者施設や保育園など、
どんどん幅を広げて受けていきました。
しかし、それでも受かりません。
卒業してから春が過ぎ、
夏が始まろうとしていた頃、
「このままではいつまでたっても就職できない」
そう考えた僕は、半ばやぶれかぶれで、
タウンワークで見つけた給食委託会社に電話をしました。
電話に出た担当の方に「今日面接来られますか?」と言われ、
その日に会社に行って担当者と10分ほど話したところで
「はい、では採用になります」と、
なんとその場で採用が決まりました。
あまりのことに拍子抜けです。
後でわかったことですが、
それぐらい委託給食会社は常に人不足
(ハードワーク、時間帯不規則、
土日休みではない、薄給で辞める人が多い)
なので、採用率はかなり高め。
つまり、言い方は悪いですが、
常に働き口としてはあるということで、
栄養士の資格を持っている限り、
職にあぶれることはないと言って良いです。
これはこれで知っておいて、
どこも受からなかったら委託給食会社で修業しつつ、
そこでキャリアアップを計るか、
転職を志すのも良いでしょう。
ちなみに、僕の場合は運のいいことに、
最後の頼みの綱で受けていた病院から
土壇場で「採用したい」との電話をいただき、
晴れて病院栄養士になることができました。
ただ、それも産休の代替で、
期間限定の非常勤での採用です。
でも、今考えれば非常勤でもいいから
病院に潜り込むことができて良かったと思っています。
大手食品メーカーの研究職は激戦必至
次に、特に院生で目指す人が多い
食品メーカーの研究職についてお話します。
特に大手の食品メーカーの研究職は
大激戦を覚悟してください。
なぜなら、栄養学部以外にも
農学部や薬学部もライバルになり、
高次選考になると、
ほとんど高学歴で優秀な学生しか
残っていないからです。
また、研究職への就職は
大学院での研究内容がかなり重要視されます。
大学院での研究内容が
その会社でも親和性の高いテーマであれば好印象です。
さらに、研究室でその企業と共同研究などをしていると、
格段に有利(というか、ほぼ決まる?)に話が進むようです。
よって、食品メーカーの研究職を狙うのであれば、
大学の研究室選びが命運を握ります。
研究室によっては特定の企業と仲が良く、
コネクションを持っているところもあるので、
いろんな先輩から直接情報を集めたり、
その研究室の卒業生がどういうところに
就職しているのかを下調べして、慎重に選びましょう。
栄養学部の就活生へのアドバイス
次に、就職活動全体における助言を四つお話しましょう。
一、できるだけ企業も受けておいた方がいい
就職先として企業を考えていない人も、
企業の就活をした方が良いです。
その理由はまず、
企業は医療機関や公の機関とは違い、
自分の会社でしっかりと利益をあげて
組織を経営するという点で仕組みが異なるので、
良い社会勉強になります。
企業の就活をして、社会の仕組みやいろんな企業のことを知って、
「意外と企業っておもしろいかも」
と思うこともあるでしょう。
それに加えて、
企業が開いている就活セミナーは
勉強になるものもたくさんあります。
まずはいろんな就活サイトに登録して情報を集め、
実際に就活イベントや企業が行っているセミナーなど
(ほとんどが参加費無料)に足を運び、
肌でいろんなことを感じましょう。
この時期にたくさんこういうことをしておくと、
自分の進路の幅が広がって
人生がより充実したものになります。
二、いろんな先輩に取材をしに行く
実際に管理栄養士として仕事をしている人の話ほど、
実用的で役に立つ情報はありません。
自分で動いてアポを取り、
どんどん会って話を聞きに出かけましょう。
僕も当時はGoogleで
「管理栄養士 ブログ」と検索して、
管理栄養士さんにメッセージを送りまくったり、
Twitterで管理栄養士の方を検索したりして、
とにかくあらゆる手段を使い
「会って話を聞かせてもらえませんか?」
とお願いしました。
そして幸運なことに、
何人かの心優しい管理栄養士にお会いすることができ、
就活だけでなく、
その後の栄養士としてのキャリアを考える上で、
いろいろとためになるお話を聞くことができました。
ただ、社会人が学生と会うメリットはほぼないので、
それでも会ってくれる栄養士の先輩は
あなたの力になりたいという気持ちと、
少なからずあなたの思いに共感し、
応援してあげたいと思ってくれている人です。
もし幸運にも会ってもらえたのであれば、
絶対に失礼のないように気をつけましょう。
3. 自分の頭で考えてできることは全部やってみる
就活はこれからの社会人人生を
スタートさせる最初の一歩です。
後悔することのないよう、で
きることは全部やって、やりきりましょう。
たとえば、
病院を受けるのであれば、
自分から病院の栄養科に電話をして
見学を申し込むのもありです。
もちろん、断られることもありますし、
病院からすると仕事の邪魔になってしまいますが、
「優秀な栄養士を採用したい」
と考えている前向きな病院であれば
積極的な人は歓迎してくれるはずです。
たとえ募集が出ていなくても
電話をかけて求人が出る予定がないか聞いておくのも手です。
今は募集の予定がないと言われても、
「そうですか。では次に募集が出た時のために
履歴書だけ送らせていただいてもよろしいですか?」
と積極性をアピールしてみてはいかがでしょう。
4. 一喜一憂しない就活の心構え
なかなか採用されなくて
落ち込むこともありますよね。
不採用の通知をもらうと、
まるで自分が社会から必要とされていないような、
自分自身を否定されたような感覚になることも
あるかもしれません。
しかし、採用に至るか否かというのは、
様々な要因に左右されます。
言ってみれば半分以上は運です。
僕が病院に採用された時も、
総務課の方は男性を入れることに反対したそうですが、
栄養科の面接官の方の「むしろ男性が欲しい」という鶴の一言で
採用に至ったということを後から聞きました。
こんな感じで採用というのは
“ささいなこと”で決まったり決まらなかったりするので、
不採用になったからといって気にすることなく、
前向きに次に行きましょう。
不採用の連絡をもらったら、
次の言葉を唱えるようにしましょう。
「次いこう。次」
まとめ
就職活動はいろいろなノウハウはあれど、
“こうしなきゃいけない”という王道はありません。
自分の頭で考えて、
「良い」と思ったことは全部やってみましょう。
とにかく動いたもの勝ちです。
やらないで後悔するより、
やって後悔した方が百倍良いです。
そして常に忘れてはいけないのは、
楽しむこと。
別に最初に入った職場でずっとやっていく必要もないので、
就活にあまり慎重になりすぎる必要はありません。
その仕事が合っているかなんて、
実際にやってみないとわからないのですから。
たしかに就職活動は大変ですが、
これからの自分の人生を決める第一歩です。
ぜひ前向きに捉えて、
ワクワクしながら就職活動に取り組んでみてください。
皆さんの就職活動がうまくいくことを心より祈っております!
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