”黒い赤ちゃん” カネミ油症事件の時に断食療法が行われていたことが判明
”カネミ油症”という日本史上に残るような大食中毒事件がありました。
栄養士の勉強では必ず出てくるぐらい重大な事件で、1968年に九州で米ぬか油の製造過程でPCBという物質が誤って混入し、その油を摂取した人たちに中毒症状を起こしたという事件です。
PCBは加熱されると猛毒のダイオキシンに変わり、皮膚、肝臓、神経を侵し、さらには胎児にまで影響を及ぼします。
胎盤を通ってPCBが入ってきた赤ちゃんの皮膚にはメラニン沈着が起き、生まれた赤ちゃんの肌が黒くなってしまいます。
当時は”黒い赤ちゃん”という名前で報道されて事件の象徴的ワードとして社会に大きな衝撃を与えました(画像検索する際は閲覧注意です)。
その被害者は日本全国で1万4000人にのぼるとも言われています。
そしてこのPCBのような有害物質は、体脂肪に蓄積されるという特徴があり、一度体脂肪に蓄積されるとなかなか体の外に出て行かないという特徴があるのです。
つまり、一度体の中に入るとずっと長い間、有害物質が体の中に残ったままになってしまうのです。
驚くべき断食のデトックス効果
当時、このカネミ油症に大きな効果をあげたのが実はファスティング(断食)療法です。
ファスティングをすることにより、みるみる症状が改善されていったのです。
そのあまりの効き目に、当時の各社の新聞も大きくこのことを取り上げました。
また、専門の文献にも次のような記載がされています。
カネミ油症患者に断食療法を行った際、体重が減るとともに排泄されるダイオキシン類が増加し症状が軽減した。
―「油症研究30年の歩み」九州大学出版
当時断食療法の指揮をとった今村博士のある症例によると、
著効例(著しく効果があった)14
軽快例 8無効例 1
有効率 95.6%
と、目をみはるような効果をあげています。まさにファスティングによる驚くべきデトックス効果が証明された瞬間です。
ではなぜ、これほどまでファスティングが効果をあげたのでしょうか。
ファスティングは最高のデトックスだった
冒頭にも紹介した通り、PCBのような有害物質は体脂肪に溜まりやすいという特徴があります。
ファスティングをすると、この体の中の体脂肪が燃焼されます。
これによって、その脂肪の中に含まれていたPCBも体の外に排泄されたというわけです。
これがファスティングでデトックスができるからくりです。
現代にあふれる有害物質
さすがに今の食用油にはPCBは混入されていませんが、気をつけていても体の中に入ってくる有害な物質はたくさん存在しています。
農薬もそうですし、プラスチックやカップラーメンの容器、アルミなどにお湯をそそげば少しずつでも口から入ってきてしまいます。
たとえ微妙でも毎日とることによって蓄積され、ある一定を超えると何らかの症状として現れてくる場合があります。
日常的に摂取して蓄積されていくこれらの有害物質を、体の外に出してあげることを考えることは重要です。
まとめ
ファスティングはデトックス効果があるというのはすでに40年も前に実証されていました。
僕も管理栄養士の授業でカネミ油症のことは習っていましたが、断食が効果をあげていたなんてことは教科書に一文字も書いていませんでした。
今回の記事の内容を知った時、改めてファスティングのデトックス効果の威力を実感しました。
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