キレイな人は毎日とっている!ファイトケミカルスの働きと摂り方まとめ
こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。
(初めてのかたは、こちらからどうぞ)
前回のこちらの記事で、活性酸素について解説しました。
これを読まれた方は「活性酸素ヤバい!どう対処したらいいの??」と思われたと思います。
そこで今回はその解決編として、
最近、”第七の栄養素“とも呼ばれるファイトケミカルスのお話をしていきたいと思います。
身体の細胞を日々酸化させる活性酸素を除去してくれ、
病気の予防や美容、アンチエイジングに一役買ってくれると注目の成分です。
そんなファイトケミカルスの働きととり方について、一緒に見ていきましょう。
キレイな人は毎日とっている!ファイトケミカルスの働きと摂り方まとめ
ファイトケミカルスとは何?
そもそも、”ファイトケミカルス“という名前についてですが、
たまに「戦ってくれるからファイトなんだ!」と思っている方がいますが、違います笑。
“ファイト(Phyto)”は「植物の」、”ケミカルス(chemicals)”は「化合物」という意味です。
(他にも「フィトケミカル」「ファイトケミカル」などで呼ぶ場合もありますが同じもの)
つまり、ファイトケミカルスは完全に植物性。
動物には含まれていません。
栄養学に詳しい方なら「え?鮭のアスタキサンチンは違うの?」と思われたかもしれませんが、
あれはヘマトコッカスという海の藻類が持っている色素をエサとして取り入れた結果、鮭の中に存在するものです。
ファイトケミカルスは、野菜や果物などの植物に含まれる色や苦味の成分です。
植物は動物と違って動けません。
日中さらされる紫外線から身を守ったり、
外的から大事な種を守るために作られるのがファイトケミカルスなのです。
現在で見つかっている種類は1500種類ほどですが、
本当は1万種類以上あるのではないかと言われています。
今からファイトケミカルスの研究を始めれば、新しい物質の発見者も夢じゃない?
代表的なファイトケミカルスには、アントシアニンやカテキンなどのポリフェノール類、
βカロテンやリコピンなどのカロテノイド類、
イソチオシアネートやスルフォラファンなどのイオウ化合物などがあります。
名前は興味があれば覚えていってもいいですが、知らなくても問題なく効きますよ!
ファイトケミカルスのここがスゴい!
ファイトケミカルスの魅力はなんといっても、たぐいまれなる抗酸化力です。
身体の大事なたんぱく質や脂質、DNAを酸化してしまう活性酸素の害から守ってくれます。
ビタミンA、C、Eの三つは抗酸化力が高く、
ビタミンACE(エース)と呼ばれますが、ファイトケミカルスの抗酸化力はその比ではありません。
その一例をご紹介すると、緑茶に含まれるカテキンはビタミンEの20倍、
トマトなどに含まれるリコピンは100倍の抗酸化力を誇ります。
こちらの記事でも紹介したように、
活性酸素は現代人の身体を蝕む大きな要因になっているので、ファイトケミカルスはぜひとも取り入れたい栄養素なのです。
これは意識したい!ファイトケミカルスとり方のコツ
ではこのファイトケミカルス、どのようにしてとるのが賢いとり方なのでしょうか。
その工夫を四つご紹介しましょう。
一、食卓を彩り良くする
先ほどお話したように、ファイトケミカルスは現在見つかっているものだけでも1500種類もあります。
そしてその中にはただの抗酸化だけでなく、他の機能性があるものもあります。
たとえば、唐辛子のカプサイシンは脂肪燃焼を促したり、
ブルーベリーのアントシアニンは目の健康を助けたりします。
つまり特定の成分に偏るのではなく、
いろんなファイトケミカルスをまんべんなくとった方が、その利益を最大化できます。
そのためには、食卓の彩りを良くすること。
赤、黄、緑、白、黒。
日々の食卓にいろんな野菜や果物を登場させるようにしましょう。
ニ、旬のもの、オーガニックなものを選ぶ
ファイトケミカルスは季節のもの、有機栽培のものに多く含まれています。
季節外れの野菜をビニールハウスで育てるよりも、
旬の野菜を露地栽培(屋外)でたくさん紫外線を浴びてたくましく育てた方が、ファイトケミカルスは多くなります。
また、農薬や化学肥料を使った慣行栽培よりも有機栽培、無農薬栽培の方がファイトケミカルスは増えます。
ある実験によると、オーガニック(有機)の野菜の方がファイトケミカルスが1.5倍も多かったという結果が出ています。
よく「この野菜がスゴい!」のように報じられることもありますが、
それに惑わされず、その季節の野菜を楽しみましょう。
三、調理法を工夫する
野菜や果物などの植物は、細胞の周りを細胞壁という硬い殻が覆っています。
そして、ファイトケミカルスはこの細胞壁の中に詰まっています。
よって、細かく粉砕したり、よく煮て柔らかくした方が細胞壁が壊れ、
中に入っていたファイトケミカルスが外に出やすくなります。
生より、すりおろしたり、煮て食べた方が良いということです。
生の食材を食べるという健康法と逆行しますが、
僕は野菜を生で食べることがあまり好きではありません。
そもそも、歴史的に日本人はあまり生で野菜を食べませんよね。
毎日具だくさんの味噌汁を食べていれば、自然とファイトケミカルスをとることはできるのです。
ちなみに、
日本人が生で食べてきた数少ない野菜が大根なのですが、
実は大根の中に含まれるアリルイソチオシアネートというファイトケミカルスは、熱に弱いという性質を持っています。
科学がない時代にすでに理にかなった食べ方をしてきた日本人、スゴすぎる…。
四、薬味はたっぷりと
ねぎ、わさび、生姜、七味、ごま、胡椒、山椒、柚子。
こういった薬味の香り成分の中にも、ファイトケミカルスが入っています。
なので、なるべく薬味はたっぷり使うようにしましょう。
料理が美味しくなって一石二鳥ですね。
大根おろしやおろし生姜などの”おろす系”に含まれる成分は揮発性といって、空気中に逃げていく性質があるので、
できるだけ食す直前にすりおろすと良いですよ。
まとめ
今回はファイトケミカルスの働きととり方を見てきました。
個人的に一番オススメな方法は「毎日味噌汁を飲もう!」ということです。
味噌汁なら、味噌の健康効果に合わせてたっぷりと加えた具材からもファイトケミカルスが溶け出し、
まるごといただくことができます。
大地が生んだありがたい自然の力。
日々の健康作り、美容作りに活かしていきましょう。
【 参考 】
・ファイトケミカルスできれいになる本(祥伝社)
・ガンにならない3つの習慣(高橋弘)