豆味噌?白味噌?辛口? 複雑な味噌の分類を3分でまるっと理解しよう
前回の記事で書いたとおり、日本の味噌は戦国時代から全国各地で発展してきました。
現代でもお味噌屋さんに行くと、色とりどりのいろんな味噌が売られています。
「味噌の分類ってたくさんあって複雑!」と思うかもしれませんが、今回はそんな味噌の分類をわかりやすくお伝えしていきます。
味噌の分類をサクッと理解しよう
まずは味噌の製法を頭に入れておこう
味噌の分類をお話する前に、味噌の製造方法を押さえておきましょう。
これが理解できていないと、分類が頭に入ってきません。
味噌の製法はザッとお話すると、次のような手順になります。
- 大豆を蒸す、または煮る
- 1を潰す
- そこに麹と塩水を加える
- 発酵、熟成させる
簡単ですね!では分類に移ります。
味噌の分類方法は三種類
味噌の分類の方法は三つの方法があります。
それが、「麹の種類」「色」「味」です。
一つずつ見ていきます。
麹の種類による分類
こちら、少しややこしいので、丁寧に説明しますね。
味噌の製造法で話した通り、味噌造りには麹を使いますが、この麹の種類によって出来上がる味噌に違いが生まれます。
すなわち、米麹を使うのが米味噌、麦麹を使うのが麦味噌、豆麹を使うのが豆味噌です。
麹というのは、麹菌を穀物などにくっつけて繁殖させてもの。
つまり、麹菌を米粒につけたものが米麹、麦粒につけたものが麦麹、豆粒につけたものが豆麹となります。
なんとなくの印象だと、米味噌というと、「大豆ではなく米のみを使っているのではないか」と思うかもしれませんが、上記を押さえるとそうではないことがわかります。
それぞれの味噌の原料をまとめると、次の通りになります。
- 米味噌・・・大豆、塩、米麹
- 麦味噌・・・大豆、塩、麦麹
- 豆味噌・・・大豆、塩、豆麹
こうして見ると、豆味噌だけは原料に大豆と塩しか使っていないという点で他と異なる特徴を持っていることがわかりますね。
色による分類
これは簡単。見た目の色の違いによる分類で、「赤味噌」「白味噌」「淡色味噌」の三種類に分かれます。
この色の違いは、熟成期間の違いによるもので、そもそも味噌の色というのは”メイラード反応“といって、大豆のアミノ酸と糖が反応して褐色に変化することによって生じています。
この熟成期間が長くなればなるほど、「白→淡色→赤」という具合に色が濃くなっていくというわけです。
ちなみに、一流料亭などでは主に「赤だし」という赤味噌を使った味噌汁が出てくるのは、赤味噌が熟成期間が長いために旨味とコクが深いため、味わい深いからだそうです。
味による分類
これも簡単で、塩分の量によって辛さが増すため、「甘口」「中辛口」「辛口」というふうに分類されます。
まとめ
このように、三つの分類方法があるので、たとえば西京味噌は「米味噌・白・甘口」で、八丁味噌は「豆味噌・赤・辛口」といった分類になります。
ただし、白味噌は基本、甘口ですし、豆味噌で白味噌のものはないなど、ある程度麹の種類によって色や味が決まってくる部分もあります。
味噌を購入する時に、このような分類が頭に入っていると選び方も幅が広がってくることでしょう。
【 関連記事 】