どっちがホント? 低体温で長生き! VS 体温を上げて健康に!
一般的に、「体温を上げると健康になる」と言われていますが、その逆の説も存在します。
それが、「低体温の方が長生きする」というもの。
先日僕が行った栄養のセミナーでも、受講者の方から「低体温の方が寿命が伸びると聞いたのですが、結局どっちの方がいいのですか?」という質問が出ました。
今回は「低体温の方が長生きできる」という意見を、ある研究の結果を切り口にお話しましょう。
長生きするには低体温?それとも体温を上げる?
ボルチモア研究「長生きの人は低体温だった」
「低体温で長生き」の考えの根拠になっている研究の一つに「ボルチモア長期横断研究」というものがあります。
この研究は65歳以上の男性約700人を20〜25年間追跡して調査したもので、その結果、長生きした人を調べると体温が低かったということがわかったのです。
この結果が、「低体温の方が長生きできる」という説を支える一つの根拠になっています。
100歳を越えてもなお現役のスーパードクター
日本に100歳を越えているにもかかわらず、未だに元気の医師をされている日野原重明先生がいます。
明治44年生まれ、100歳を超えても現役というのはまさに人間離れとも言える健康度合い。
人間ドックの創始者でもあり、予防医療の礎を築かれた日野原先生も、実は低体温(35℃が日常)なのです。
(参考: 低体温と免疫)
ということは、やはり長生きするためには低体温の方がいいのでしょうか?
事実の解釈方法によって見方が変わる
若い時と高齢者では状況が異なるのではないか
これまで紹介したデータは「長寿の高齢者は体温が低かった」ということです。
決して、「体温が低かった人がその後も長生きした」ということではないのです。
実は、僕自身はもともと低体温だったのですが、自分なりに健康法を実践したところ、平熱が35.6℃から37.1℃に上げることに成功し、その結果格段に体調が良くなるという経験をしました。
疲れにくくなって、ふらつくことがなくなり、胃腸も強くなって、寝起きもよくなり、風邪をひかなくなった上に、肌の調子までよくなりました。
自分自身が体験として、体温があがることによる健康的なメリットを感じているのです。
この実体験をふまえて、少なくとも若い時は体温が高い方が健康を実感できるのだと考えています。
ただ、研究結果を見ると、もしかしたら「高齢になると低体温の方が健康で長生きする」ということがあるのかもしれません。
現時点ではハッキリしたことはまだ言えないと思いますが、今後の研究によってどんな真実が見えてくるのか、見守りたいと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の研究にかかわらず、ある事実がわかった時に、その解釈の仕方は一つではなく、多方面から考える必要があるということが言えます。
一人の人の解釈を鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えたり、他の人の意見も聞いてみる姿勢が今の情報社会では大事なことなのだと思います。
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