【書評】「遺伝子は変えられる」シャロン・モアレム

こんにちは。

管理栄養士の圓尾(まるお)です。

初めての方は、こちらからどうぞ

 

遺伝子が生命の設計図だということは

今では誰もが知っていることです。

 

私たちは日常生活の中でも

それって遺伝だね

という具合に、気軽にこの言葉を使っています。

 

“遺伝”というと、

祖先から脈々と受け継がれてきたもので、

両親からそれをもらい、

自分という人間を決定づけているもの。

 

つまり、良くも悪くも自分の力では変えることはできず、

ただ受け入れるしかないもの

という印象を持っている人も多いと思います。

 

しかし、最近の研究で

そうではないということがわかってきました。

 

そんな遺伝子の世界を案内してくれるのがこちらの一冊。

 

本屋さんでパラッとめくって

すぐに読みたい!と思い購入しました。

 

意外に食についても多く書かれたいた本です。

早速紹介していきましょう。

 

※ 初めての著書『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』好評発売中!!

 


【書評】「遺伝子は変えられる」シャロン・モアレム

子どもの頃に良い食べ物を与えられるかどうかが運命の分かれ道

僕たちの運命は、

すべて遺伝子によって決められているわけではない。

 

このことはミツバチたちを見ればわかります

 

女王蜂になる幼虫のほうが、いいものを食べているからだ。

(本書 P. 67より)

 

ミツバチには女王蜂と働き蜂がいます。

 

女王蜂は胴体や脚が長く、

身を守る針も何度でも再生可能。

何年も生きられるという生命力を持っています。

 

一方、働き蜂は

女王蜂より身体は小さくほっそりとして、

針も一度使ったら死んでしまいます。

寿命もたった数週間しかありません。

 

同じハチでも、見た目の特徴から能力の特性まで、

何から何までまるで違います。

 

しかし驚くべきことに、彼女たちの遺伝子は

まったく変わらないのです。

 

同じ遺伝子、設計図を持ちながら

なぜこうも差が生まれるのか。

 

そのたった一つの違いは、

彼女たちの食べものです。

 

女王蜂としての将来を約束された幼虫は

ローヤルゼリーという超良質のエサを与えられます。

 

幼少期に食べたものの違いで

遺伝子のスイッチがオンになったりオフになったりし、

身体の成長の仕方が変わります。

 

このように、同じ遺伝子を持って生まれてきても

その後の過ごし方で運命はまったく異なるものになりうるのです。

 

これはミツバチの例でしたが、

同じことが人間でも起きるということが確認されています。

 

オレゴン州立大学の研究者たちは、ほうれん草を食べる人の多くにエピジェネティックな変化が生じ、その変化は、調理肉の発がん性物質がもたらす遺伝子的突然変異と闘ううえで、細胞を助けることを発見した。

(本書 P. 70)

 

このように、人間でも食べものによって

遺伝子のオン・オフが切り替わるのです。

 

これが今さかんに研究がされている

エピジェネティックスという分野です。

 

必要な栄養素の量はみんな違う

どの栄養素をどれぐらいとればいいのか

 

その拠り所としては、

日本には”食事摂取基準“というものがあります。

 

しかし、あくまでこれは

平均的な人について言えることなのです。

 

このような値の多くは、平均的な人が欠乏症を克服するのに必要とする量から導かれたもので、人はひとりひとり違うという観点から考えると「最適な」値とは言い難い。

(P. 130)

そう、僕たちは遺伝子によって

みんな異なった特徴を持っています

 

平均的な人にとって十分な量は

自分にとっては十分な量でない可能性もあるのです。

 

さらに、日々流れてくる栄養の情報についても、

一般的に言われていることが

自分にも当てはまるとは限りません

 

たとえば、コーヒー。

 

この遺伝子の異なるバージョンは、カフェインの分解速度を左右する。あなたは、世界最古の刺激薬のひとつを代謝する速度が速い人かもしれないし、遅い人かもしれない。

(P. 134)

コーヒーを飲むとガンの予防になる、

うつが予防できて自殺のリスクが下がる。

 

このような研究結果も、

必ずしも自分に当てはまるとは限りません

 

さらに、一日何杯まで飲んでいいのか

ということも、あなたの遺伝子によって変わります。

 

一般的に良いとされている食べものや栄養素も

自分の身体には合わない可能性があるということです。

 

 自分が人生で経験したことが子供の遺伝子に受け継がれる

遺伝子の変化が起こす影響は

自分だけにとどまりません。

 

自分の中で起きた変化が

世代を超えて受け継がれていくのです。

 

トラウマを抱えた母親から産まれた子供たちは、そうでない子供たちより動揺しやすいという事実をすでに証明している。

(P. 82)

精神的なストレスによっても、

遺伝子のスイッチは切り替わります

 

そしてその切り替わった遺伝子が

そのまま自分の子供が持って産まれてくる遺伝子にも

影響を与えるのです。

 

自分が人生で食べたもの、してきた経験の蓄積が

次の世代、そしてさらに次の世代へと

どんどん受け継がれていきます。

 

これはそのまま

伝統食を大切にしたほうが良い理由へとつながります。

 

もし最近、自分の食習慣を変えようと試みたことがないとしたら、今こそ皿を手にして、祖先の食卓に座るよい機会かもしれない。

(P. 127)

なぜ日本人は牛乳を飲むとお腹を壊す人が多いのか。

そしてなぜ西アフリカ人やヨーロッパ人の子孫には

それが起きないのか。

 

それは祖先の暮らしの結果なのです。

 

というのは、歴史的に乳製品を作るための牧畜が盛んではなかった地域では、成人期の乳糖不耐症がもっと頻繁に見られるからだ。逆に、もしあなたの祖先がミルクを手に入れるために動物を飼っていたとしたら、その祖先の遺伝子には突然変異が含まれる可能性が高い。

(P. 125)

そう、つまりいくら栄養学が発達して

栄養価が高いと判明したものを

無理矢理取り入れたとしても、

 

それが遺伝子的に不適合のものであれば

健康にはマイナスになってしまうのです。

 

そう考えると、

やはり伝統食を無視するわけにはいきません

 

いや、それどころかむしろ

伝統食を基盤にしない健康食などあり得ないのです。

 

なぜなら、今僕たちの細胞の中に入っている遺伝子は

この土地、気候風土でとれて加工された食べものを

食べ続けてきた祖先から受け継がれたものなのですから。

 

まとめ

今、個人の遺伝子を解析し、

その結果にもとづいて最適な栄養を考えるという

ニュートリゲノミクスという考え方が注目されています。

 

確かに、

一般的に正しいとされている栄養学の情報にもとづいて

闇雲に食事を改善するよりも、

 

自分の遺伝子特性を把握した上で

それに合った食事を考えるほうが理にかなっていますよね。

 

僕も近いうちに

遺伝子検査を受けてみようかと思っています。

 

なお、今回紹介した本には

記事に書いた以上の内容がたくさんあって

読んでいてとてもおもしろいので、

 

ぜひ、ご一読することをオススメします。

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