昔の人が食べていた冷ご飯 体にとって良い効果三つ
こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。
(初めての方は、こちらからどうぞ)
落語を聞いていると、江戸時代の人はよく夕飯にお茶漬けを食べています。
よっぽど昔の人はお茶漬けが好きだったんだな〜と思っていたのですが、
ある時、当時は炊飯器がなかったことに気付きました。
調べてみると、江戸では朝に一日分のお米を炊き、それをお櫃(ひつ)に入れて昼と夜に食べていたそうです
(ちなみに、上方、つまり関西では昼に炊いて夜と翌朝に食べていたそう)。
そう、お茶漬けは冷えてカチカチになったご飯を美味しく食べる工夫だったのですね。
炊飯器や電子レンジのおかげで、毎食ホカホカのごはんが食べられる現代と違って、昔の人は冷ご飯をよく食べていました。
そして、この冷ご飯には体にとって嬉しい効果があることがわかっています。
今回は、そんな冷ご飯の良さを三つご紹介したいと思います。
昔の人が食べていた冷ご飯 体にとって良い効果三つ
熱々のごはんと冷やごはんの何が違うかというと、ごはんのデンプンは冷えることで性質が変わります。
それが、レジスタントスターチと呼ばれるもので、
通常のデンプンと異なり難消化性デンプンと呼ばれるように、消化されにくい食物繊維のようなものに変わります。
ごはんが冷えることによって、ごはんの中のデンプンの一部がこのレジスタントスターチに変化します。
では、そのレジスタントスターチが体にもたらす効果とは何でしょうか。
一、腸内環境の改善になる
レジスタントスターチは、胃や小腸では消化されずに大腸に届きます。
そして大腸で腸内細菌によって分解を受けて、さまざまな有機酸を産生します。
この有機酸には腸の中の悪玉菌の活動を抑える効果があります。
また、レジスタントスターチ自体にも食物繊維同様、善玉菌のエサになるので、
これらの作用により、腸の中を整え、心と体の健康、そして美容効果が期待できるのです。
二、血糖値の上昇を抑えてダイエット効果を発揮
通常、デンプンは消化吸収を経て血中にブドウ糖として放出されて血糖値が上がります。
しかし、レジスタントスターチは消化されにくいので、血糖値が上がりにくいという特徴があります。
食物繊維と同じように、お米自体による血糖値の上昇を抑えてくれるので、
インスリンの分泌を抑えて、脂肪の蓄積を防いでくれます。
三、満腹感が持続する
レジスタントスターチはゆっくりと消化吸収されるため、腹持ちが良いです。
これによって冷ごはんを食べた食事の時の食事量を抑えるのはもちろん、
セカンドミール効果といって、次の食事の時の食事量を減らす効果も報告されています。
つまり、ごはんを冷ごはんにすることで少量でも満足感を得られるようになるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
昔の人は、現代人とは比べ物にならないぐらい大量のごはんを食べていましたが、肥満の人はほとんどいませんでした。
それにはこの冷やごはん効果があったのかもしれませんね。
ちなみに、冷やごはんと言っても、冷蔵庫でキンキンに冷やさなくても常温で置いておくだけでもレジスタントスターチはできます。
おにぎりにしておけば冷えても美味しくいただけるので、オススメですよ。