暑い夏を着物で過ごすことは可能?着物生活をして気付いたこと
こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。
(初めての方は、こちらからどうぞ)
去年の秋頃からふだんぎ着物生活を始めて、この夏が初めて迎える夏でした。
「夏の着物は暑くて着ていられないよ」
そんな声も聞いていたので、真夏の暑さの中でも着物で過ごすことなどできるのか、不安に思っていました。
「ま、まあ、どうしても暑かったら洋服にすれば良いや…」
ぐらいに考えていたのですが、
さて、そんな中迎えた真夏の気候。
結果的から言うと、夏でも全然余裕で着物で過ごすことができました。
今回は、夏に着物を着てみてわかった、夏の着物が快適な理由をご紹介したいと思います。
夏の着物生活、洋服より快適なんじゃないか説
※注意 以下の内容はすべて僕の個人的な見解であり、正式な着物の着方とは異なるかもしれませんので、ご了承ください。
一、麻という素材の活用
夏を快適に過ごす上で、麻の素材は欠かせません。
というか、麻なしで都会の酷暑を過ごすのはキツいです。
麻の素材は、光に透かすと、向こう側が透けて見えるぐらい薄く、風通しの良いものです。
なので、暑い日でも風が吹くと、それが体の中まで入ってきて、一気に涼しくなります。
ただし、難点は蒸し暑くて風がない日です。
個人的に、八月の真夏の暑さで風がある日よりも、六月の梅雨でムシムシしている日の方が暑く感じました。
二、袖口、首元、足元の通気性が良い
洋服と和服の大きな違いが、体と服の隙間です。
シャツにジーンズという格好だと、襟元、袖口、ズボンの裾などの隙間は狭くなっています。
しかし、これが着物だとガバッと空いているので、風が入ってきやすく、熱がこもりにくくなるのです。
久しぶりにジーンズを履くと気付くのですが、足元に風が全然入ってこなくて、不快でした。
さらに、下着もふんどしだと(クリックでふんどしの記事へ)風通しが良く、蒸れずに快適に過ごすことができます。
三、履物が開放的で蒸れない
和装では、足元は当然草履や雪駄などです。
裸足だと通気性は最高ですし、礼装よりで足袋を履いたとしても、靴下に革靴に比べると全然違います。
僕はセミナーなどで人前に立つ時などは足袋を着用しますが、それ以外はずっと裸足です。
で、裸足でずっと過ごしていると、なんだか足の裏の感覚が変わってきました。
なんというか、足の裏や足の指にしっかりと力が入るようになったり、神経の感覚が鋭くなったように感じます。
これは結構、健康にも良いのではないかと思っています。
どっちの方が快適か 独断で比べてみました
それでは、和服と洋服の快適さを比べてみましょう(相変わらず、僕の独断です)。
[フォーマル] スーツ VS 羽織姿 ⇒ 羽織姿
洋服のフォーマルな格好にあたるスーツ姿と、着物の上から羽織を羽織った姿。
ここでは、羽織姿に軍配が上がります。
まず基本の着物ですが、絹でも薄物、絽、紗など、これも向こう側が透けるぐらい薄い生地があります。
羽織も同じような素材でこしらえれば、かなり涼しく過ごせます。
一方、スーツはそれ自体の通気性が低いですし、中に着るシャツも袖口は絞られてほとんど隙間がなくなっています。
さらにネクタイを着用すると首元も締め付けられるので空気が滞留し、より暑く感じてしまいます。
足元も靴下に革靴と足袋に雪駄を比べると、もちろん和装が涼しいです。
[カジュアルフォーマル] シャツ VS 着流し ⇒ 着流し
カジュアルビジネスの格好であるシャツにパンツ姿と、長着だけを着た着流し。
ここでも和装の方が涼しいと思います。
シャツも半袖にすればだいぶ涼しくなりますが、生地が風を通さないのと、襟元の締まり具合、
長ズボンに靴下、革靴はやはり暑いです。
一方、着物だと、下はふんどしにステテコ、上は麻の長襦袢に麻の長着、下は足袋に雪駄。
本当は下はステテコない方が涼しいですが、さすがに直接ふんどしだと見えてしまう危険性があるため、僕は必ずステテコを着用しています。
しかし、下に袴を履くとふんどしが見える危険性はなくなるため、ステテコを履く必要がなくなり、快適度はグンと上がります。
本格的に暑くなる前は、木綿の肌襦袢を一番下に着ていましたが、これが風を通しにくいため、真夏は直接麻の長襦袢を着用しました。
麻の長襦袢はネットに入れて簡単に洗濯機で洗えてすぐ乾くので、ワイシャツ感覚で使えます。
[カジュアル] Tシャツに半ズボン VS 浴衣 ⇒ Tシャツに半ズボン
最後に、超カジュアルスタイルですが、これはさすがに洋服が勝ちます。
足元もカジュアルになると裸足にサンダルで差がなくなりますし、半袖半ズボンは圧倒的に露出面積が大きくなるので、やはり涼しいです。
ただし、一つ弱点があるとすれば、冷房に弱いことです。
真夏の季節のお店の中などは冷房が効きすぎて、ややもすると冷えすぎることがあります。
この時、露出面積が大きいと対応できません。
しかし、着物姿だと、覆っている面積が大きいので、体を冷えから守ってくれます。
このように体温調節に長けているのは、和服の方だと思います。
まとめ
よく着物を着ていると「暑くないですか?」と聞かれますが、そもそも洋服を着ていたって夏は暑いですよね。
ただ、先ほどもお話したように、着物の方が周りの気温に合わせて柔軟に調整する機能が高いので、快適度は高いと思います。
夏は暑くて当たり前。
むしろ今しかないこの季節を噛みしめて楽しみながら過ごせる余裕を持ちたいものですね。