【エピソード】日本は食糧を輸入に頼りすぎ?数字のマジックにだまされるな!
日本の食料自給率は39%です(平成24年度)。
他の先進国はどうなっているかというと・・・
アメリカ→130%
フランス→121%
ドイツ→93%
イギリス→65%
となっており、日本は他の先進国に大きく水をあけられています。
このデータを突きつけられると、「日本は自国で必要な食べ物のほとんどを輸入に頼っている」と言えそうです。
品目別のデータを見てみると、和食には必要不可欠の醤油や味噌、納豆や豆腐の原料になる大豆の自給率はたった6%しかありません。
こんなに大部分を外国に頼っていて大丈夫なのかと言いたくなりますが、ちょっと待ってください。
実はこの食料自給率にはあるからくりが隠されています。
カロリーベース
それは、この自給率がカロリーベースだということ。
カロリーベースというのは、カロリーを基準にして考えているということで、先程の自給率39%というのは、国内で消費されている総カロリーのうち、39%は自国で賄っているという意味です。
つまり、カロリーが少ないものの自給率は全体の数字に反映されにくいのです。
野菜の自給率
野菜の自給率を見てみましょう。
白菜・・・100%
ニラ・・・100%
キャベツ・・・100%
ピーマン・・・100%
大根・・・99%
キュウリ・・・94%
ネギ・・・93%
玉ねぎ・・・81%
人参・・・65%
このように、軒並み高い数字が並んでいます。
野菜全体ではなんと82%に達し、主食の米にいたっては100%自給で賄えている状況です。
数字のからくり
しかし、カロリーをベースで考えると、野菜類のカロリーは総じて低いため、いくら野菜の自給率が高くても全体の自給率にはあまり反映されません。
野菜が食糧の供給全体で占めるカロリーの割合は、わずか3%とも言われています。
逆にカロリーが高いもの、肉類や油脂類の自給率は全体の数字に大きく影響を与えます。
そして日本はこれら(肉類や油脂類)の自給率が低いのです。
ちなみに、肉類はエサとなる飼料の自給率まで加味されるので、いくら日本で育てていても、エサを輸入しているとその分自給率も低くなります。
まとめ
つまり、日本は食糧全体の自給率が低いというよりは、野菜など特定の品目の自給率は高いが、カロリーの高いものの自給率が低いということになります。
しかし、主食の米はすべて自給自足できているので、これは素晴らしいですね。
米の消費量はどんどん下がっていますが、しっかりご飯を食べることで小麦の輸入が減れば日本の自給率の数字も上がるのではないでしょうか。