“おいしい”の基準が変わる!絶品土鍋ごはんの秘密に迫る
去年の末から土鍋でごはんを炊くことを始め、すっかり炊飯器がタンスの肥やしと化しています。
一度土鍋ごはんの魅力に取り憑かれると、炊飯器には戻れなくなってしまいます。
何せ、炊飯器より早く炊けて、しかもごはんがふっくら美味しいのです。
今回は、なぜ土鍋ごはんはこれほど美味しいのか、そして土鍋を使ったごはんの炊き方をご紹介します。
絶品!土鍋ごはんの秘密
なぜ美味しい?土鍋ごはん
土鍋の特徴はなんといって、粘土で作られた陶器の鍋であるということ。
その材質の特徴が炊飯に最適なのです。
はじめチョロチョロなかパッパ
昔、かまどで羽釜を使ってごはんを炊いていた時の格言が「はじめチョロチョロなかパッパ 赤子泣いても蓋取るな」。
はじめチョロチョロというのは、火加減のことで、美味しくごはんを炊くには火加減がとても大事です。
そもそも、”ごはんを炊く”というのは、アルファ化という化学変化を起こすためです。
アルファ化
ごはんの主成分はでんぷん(アミロースとアミロペクチン)です。このでんぷんは硬いのですが、水分と熱を加えると、でんぷんの結合の鎖が切れて柔らかくなります。この変化をアルファ化と言います。
羽釜は鉄製の鍋だったので、最初から強火にかけてしまうと、すぐに水が沸騰して米の表面のでんぷんが先にアルファ化してしまい、糊の膜を作ってしまします。これによってお米の内部にまで火が入らなくなってしまい、芯のあるごはんができてしまいます。
昔はこれを薪の燃え方で調整していました。
しかし、土鍋は粘土でできているため、”熱しにくく冷めにくい”という特徴があります。
これにより、最初から強火にしてもすぐには熱せられることがなく、じっくりと熱が入り始め、火加減を気にすることなく手軽にごはんを炊くことが可能なのです。
炊きムラができない
鍋の内側(中側)と外側で熱の入り方にムラがあると美味しいごはんはできません。
金属製の鍋は冷めやすいため、火が当たっている部分と当たっていない部分との温度差が大きいという弱点があります。
昔の羽釜は釜がかまどにすっぽりとはまっていたので、均一に火が入り、この弱点を補っていました。
一方、土鍋の場合は保温力に優れているため、火を消して蒸らしている間もしっかりと鍋全体のお米の中に熱が入ります。
土鍋でのごはんの炊き方
僕は長谷園さんの伊賀焼きで作られた「かまどさん」という土鍋を使っています。この鍋でのごはんの炊き方をご紹介します。
1. 浸水
研いだ米を水につけ、お米の中に水分を吸収させます。これをしっかりとやらないとアルファ化に必要な水がお米の内部まで届かないので、芯が残りやすくなります。
夏場で30分、冬場で1時間と言われていますが、僕はいつも2〜3時間ほど浸けています。朝に炊く場合などは夜から冷蔵庫に入れておいてもいいと思います。
2. 強火で火にかける
かまどさんにご飯を移し、強火で火にかけます。だいたい15分すると蒸気孔から勢いよく蒸気が出始めるので、それから1分ほどで火を止めます。
3. 蒸らす
火を止めて放置します。20分間。この時点でコンロは使わなくなるので、他の料理ができます。
4. 飯きり
かまどさんのふたを開け、しゃもじでごはんを底からすくうようにして全体を軽く混ぜます。これにより、余分な水分が飛びます。
5. 完成
美味しいごはんの出来上がり!すごく簡単です。
まとめ
いかがだったでしょうか。本当に土鍋で炊いたごはんはまったく美味しさが違います。
せっかくいいお米を買っていても、炊き方がイマイチだとお米の持っている美味しさも半減してしまいます。
土鍋ごはんは思ったほど難しくなく、むしろ慣れると炊飯器がいらなくなりますよ。
ぜひ、お試しください。