【ご報告】これからの活動方針について

こんにちは、まるおです。

前回の投稿からものすごい間が空いてしまいました。

他のメディアでは発信を続けていましたが、ブログは完全放置状態でした。ごめんなさい…。

 

さて、なぜ今回久しぶりにブログを更新しようと思ったかといいますと、

今後の活動テーマについて思うところがありまして、ここでそれを整理して記しておこうと思ったからです。

 

自分の記録用という意味と、

何より、僕をフォローしてくださっている方々へ、きちんと自分の言葉で丁寧に伝えたいという意図で書きました。

 

その分読み応えのある分量になっていますが、よろしければお付き合いください。

 

病院勤務での経験から予防医療を志すように

まず、僕のこれまでの経歴をざっと振り返ってみたいと思います。

そうしないとなぜ僕が今持っている考えに至ったのかが伝わらないと思いますので、少しの間ご辛抱ください。

 

僕は大学院を卒業後、都内の総合病院に管理栄養士として就職しました。

そこで特に影響を受けたのが生活習慣病の患者と接したことです。

病院には毎日、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの病気を持った方が来院され、

その方たちに対して僕は食事指導をしていました。

 

みんながみんな言うことを聞いてくれるわけではありませんが、

与えたアドバイスをもとに食事を改善して、数値が改善していく患者さんも多く、やりがいを感じていました。

 

しかし一方でやりきれない気持ちになることも多々ありました。

それは食事指導をしたところで改善が見込めない患者さんと接した時です。

 

30代で糖尿病を放置した結果、足を切断せざるを得なくなった人。

脳梗塞で倒れて半身不随になってしまった人。

糖尿病の合併症で腎臓が悪くなり、一生透析を余儀なくされた人。

 

彼らは今からどれだけ食事に気をつけたところで、失ってしまったものを取り返すことはできません。

食事指導に行った僕はなんとも言えない無力感を覚えました。

ある患者さんに「先生。その話、病気になる前のオレに言ってくれよ」と、力ない笑みを浮かべながら言われた時は本当に胸が痛みました。

 

もちろん、医療現場で活躍する管理栄養士もたくさんいますし、とても価値のある仕事だと思います。

しかし僕は病院で働くうちに「病気になる前の段階こそ管理栄養士の力が発揮できる領域ではないのか」と考えるようになりました。

 

そしてちょうどそんな折、起業してフリーランスで自由に活動している管理栄養士がいることを知り、

そんな先輩たちの姿に影響を受け、いつしか僕もフリーランスを目指すようになっていったのでした。

 

和食こそベストな健康食だという認識に至るまで

「独立して自分が直接人々に予防医療の情報を伝えよう」

そんな思いで2013年3月に病院を退職し、フリーランスとして起業しました。

この時点でまだ10年前です。まだまだ続きますので覚悟してください笑。

 

さて、「フリーランス」と言えば聞こえはいいですが、決して順風満帆というわけではなく、

内実は貯金もなければ仕事もなく、超ハードモードでのスタートでした。

 

その時の苦労話は今回の記事と趣旨とズレるのでここでは割愛しますが、

もがき続けた末になんとか活動が軌道に乗り、いろんな仕事をやらせてもらえるようになりました。

 

その中で、自分の活動の軸となったのが「和食」でした。

日本人にとっての伝統食である和食こそ、ベストな健康食であり、予防医療に最適なのではないか。

そう考えるようになったのです。

 

きっかけは2つあります。

 

1つは、大学生の時、イギリスに留学した経験です。

この時僕はイギリスでの生活を始めてわずか3ヶ月で10キロも太ってしまいました。

それまでの人生ではどれだけ食べても太らない体質だったのですが、イギリスの食事はそんな僕の体質をもろともせず、たっぷりと脂肪を授けてくれました。

 

ところが、日本に帰国してみると、わずか3ヶ月で逆に10キロするすると痩せていったのです。

食事制限や運動などのダイエットは一切しておらず、変わったことといえば食事が実家の親が作る料理になったことぐらいです。

 

「食べるだけで痩せるって、日本の和食はすごいんじゃないか」と、素直に驚きました。

この経験がまず一つ目です。

 

そして、もう1つはある本を読んだことです。

管理栄養士の幕内秀夫先生が書かれた「粗食のすすめ」という本です。

病院に就職した後に読んだのですが、この本は僕の人生を変えました。

 

大学で学んできた栄養学はいわば西洋流の栄養学だったのですが、

この本は「日本人にとって健康的な食事とは何なのか」という新しい視点を提示してくれました。

「欧米で良いとされている食事が日本人にいいとは限らない」という気づきを得ることができました。

 

留学時に経験したことと本の内容が結びついて、僕は本格的に和食に興味を持ち始めます。

そしてまずは自分の食生活を伝統的な和食にもとづいたものに改善することにしたのです。

 

その結果、驚くべきことが起きました。

体温が上がったのです。

 

僕は子どもの頃から平熱が低く、35℃台がデフォルトでした。

それが食事を改善してから一年で、なんと37℃にまで上がったのです。

 

体温が上がると代謝も良くなり、免疫も強化されるといいます。

僕も実際に「朝の目覚めが良くなる」「立ちくらみがなくなる」「疲れにくくなる」などの変化を次々と実感。

さらにそれ以来、現在に至るまで一度も風邪を引かないぐらい免疫力も高まりました。

 

「おいおい、いよいよ和食ってスゴくないか?」

 

知識と自分での経験が強く結びつき、和食が健康的だということに確信を持つようになりました。

 

念願の出版 そしてYoutubeもスタート

その後、僕は和食が持つ健康的な側面だけでなく文化的な側面にも興味を持つようになり、ひいては日本の文化全体への関心が高まっていきました。

そういった興味が高じて、ちょっと変わった行動に出ます。

着物で生活するようになったのです。

 

「現代を着物で生活してみたら、どんな景色が見えるんだろう」

そんな単純な興味から、一年間着物で生活してみました。

この一年もいろんなおもしろことがあり、貴重な体験だったのですが、これも脱線してしまうため割愛します。

 

そんな感じで、徐々にただ「健康的な食事としての和食」から「独特な食文化を持つ和食」としての興味が僕の中で育っていきました。

 

そんな中、この時期に念願の初出版を果たします。

「一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方」という本です。

2017年のことでした。

 

手前味噌で恐縮ですが、この本、今読んでも自分で「いい本だなあ…」って思います。

今に比べると知識も少ないし荒削りなのですが、伝えたいメッセージが明確で僕の魂が込められた本です。

 

そしてほぼ同時期にYoutubeでの発信も開始しました。

テーマは日本の伝統的な家庭料理である「和ごはん」、そして衣装は着物。

 

和食が健康に良いという情報だけでなく、歴史や文化のことも交えながら熱く語る動画をアップしていました。

 

すると、ありがたいことに瞬く間に登録者が増え、2ヶ月ほどで1万人を突破。

たくさんの方に見ていただき、さまざま反響もいただけるようになりました。

 

そんな感じで、自分が発信する情報が視聴者に良い影響を与えているという手応えを感じてはいたのですが、

一方で、もやもやした思いが広がりつつもありました。

 

分子栄養学との出会い

僕がもやもやしていたこと。

それは、発信する情報の根拠が弱いことです。

 

当時は和食が健康的だという研究もまだまだ少なく(現時点でも決して多くはないのですが)、

エビデンスという後ろ盾がない中での発信に限界を感じていました。

 

「このままではいけない。もっと確かな知識を身に付けなければ」

そんな思いの中、僕が出会ったのが分子栄養学でした。

 

分子栄養学とは、栄養学の中で比較的新しい分野の一つで、

名前の通り、栄養学を分子レベルで考え、最適な栄養素を摂取することを目指す学問です。

 

簡単に説明するのが難しいのですが、

たとえば何か体の不調があった時に、その裏で起きているのはAという現象で、Aが是正されるためにはB、C、Dという栄養素が必要である。

ゆえに、B、C、Dを補給すればAが改善され、症状も回復に向かう。

みたいな感じで、理屈がしっかりしていて論理的なので学びやすく(勉強すべき分量は膨大ですが)、何より説得力があります。

 

「これだよ、これ!求めていたのは」

と、僕は探し求めていたものに出会えたことに嬉しくなり、分子栄養学の勉強にのめり込んでいきました。

 

そしてこれがおもしろかった。

体内の細胞レベルではどのような代謝が行われているのか。栄養素が体内でどう利用されているのか。

そういったことが細かい次元で理解できるようになり、栄養学に関する解像度が格段に上がりました。

 

エビデンスという後ろ盾を得て、今まで以上に自信を持って情報を伝えることができるようになり、

食事指導もより的確で効果的なものへとレベルアップすることができたのです。

 

エビデンスが曖昧な和食を伝えるよりも、しっかりエビデンスのある分子栄養学に基づいた情報を伝えたほうが人々に貢献できるのではないか。

そう考えるようになり、以前に比べると和食に対しての熱が下がっていっていました。

 

健康とは何か 食事の価値とは何か

ところがこのスタイルで活動を続けていくうちに、また別の違和感が出てきました。

それは「正しいこと」を伝えているはずなのに、自分が発信する内容が以前ほど視聴者には響いていないのではないか、という疑問です。

そして僕自身も以前ほど自分自身の活動に気持ちや熱が入らなくなっていることに気づきました。

 

しかし、「食事が原因で病気になる人を減らしたい」という思いに嘘はないし、変わってもいません。

その上で分子栄養学の情報は正確で的確で価値ある情報のはず。

だから僕は僕のやりたいことをやっているはずなんだ。

 

そんなふうに自分に言い聞かせて活動を続けていたのですが、どんどん気持ち的に辛くなり、虚しくなっていく自分がいました。

確実に何かの歯車がズレていました。

 

そのズレがどこにあるのか。

僕は立ち止まって自分と向き合い、頭の中を整理してみました。

 

すると、まず自分の中での変化として、健康についての考え方が大きく変わっていることに気付きました。

 

その考え方の変化とは、「健康はあくまで人生を幸せに生きる手段であり、目的ではない」ということが一つと、

次に、「その健康自体も食事だけでは決まらず、運動習慣や心の状態、さらには社会との関わり方など、複合的な要因によって影響を受ける」ということ。

 

自分は人々を幸せにするためにと思って健康の情報を発信してきたけど、それって本当に人々の幸福につながっているんだろうか。

 

健康を保つ上で食事が大事なことは間違いないけれども、健康【だけ】を追求した食事はもはや配合飼料(言葉は悪いがエサ)であり、それは生活を豊かにするどころか貧しくするのではないか。

「健康のため」という視点に偏りすぎず、もっと大きな視点で食を捉えたほうが根本的に人生が豊かになるのではないか。

 

そんなことを考えるようになったのです。

 

また、Youtubeで食品添加物や農薬の害などの食の安心・安全に関する情報を発信していたのですが、その扱い方も見直す必要があることに気づきました。

 

たしかに添加物も農薬もないほうがいいし、それで体調を崩している人もいるのだけど、添加物や農薬がすべての病気の原因というわけではありません。

食事を無添加にしたりオーガニックにしたからといって健康になれるものではないのです。

偏った情報発信は物事の本質を見えなくさせてしまいます。

 

5年に渡ってYoutubeで動画投稿を続ける中で、いろいろ自分の考えも変わったのだなと実感します。

 

ではそれを踏まえて、

今、僕が情熱を持って伝えたいことな何なのか?

本当に人の役に立てる情報発信って何なのか?

どうすれば僕の立場から世界に幸せを増やせるのか?

 

そんなことをうんうん考え続けて最終的に戻ってきた場所が和食だったのです。

 

和食は日本をそして世界を救う

なぜ和食なのか。

 

一つはやはり健康につながるからです。

僕は日本人にとっては和食こそ最高の健康食だと確信しています。

しかし現状はお米、味噌、魚、緑茶などの消費量は下がり続けるなど、日本人の和食離れが進んでいます。

日本人の食卓に和食が戻れば、もっとみんな健康に生きられるはずです。

 

さらに、和食の文化的側面も、現代だからこそ価値を持つものだと考えています。

不思議なことですが、和食は日本人にとって身近なものでありながら、意外と知らないことが多いのではないでしょうか。

たとえば、「日本人とお米の関係」や「だし文化の特異性」について外国人に自信を持って語れる人はどれぐらいいるでしょう。

 

自分たちの食文化のルーツを知ることは、アイデンティティの確立にもつながります。

自国の食文化を知ることで日本人が自信を取り戻し、自己肯定感を高めることにも寄与するはずです。

 

また、今起きている社会問題や環境問題とも密接に関係あるのが食です。

日本人がもっと和食を食べるようになれば食料自給率が上がって国内の農業の振興にもなりますし、食糧危機の対策にもなります。

さらに海外からの輸送が減れば温暖化ガスの削減にもなり、環境保護にも貢献できます。

 

このように、日本人にとって自分も社会も地球も健康になれる食事のスタイル、それが和食なのです。

どうですか?和食ってたしかにスゴいかもっていう気がしてきませんか?

 

そして僕はそれを楽しんで実践する人を増やしたい。

大事なのは「健康のために和食」でも「文化を残すために和食」でも「地球のために和食」でもないと考えています。

なぜなら、それらのアプローチは散々試されてきたにもかかわらず、ことごとく失敗しているからです。

 

和食が健康にいいことぐらい、日本人全員が知ってます。

しかし、日本人はどんどん和食を食べなくなっています。

 

和食の食文化はどんどん廃れる一方ですし、地球のために和食を食べている人などほとんどいないでしょう。

結局、人間は「やるべきだからやろうね」という「べき論」では動けない生き物なのです。

 

だから僕が目指すのは「好きだから和食」です。

 

好きで和食を食べてたら、体が健康になっちゃった!

気がついたら文化が継承されていた!

知らない間に地球に緑が増えていた!

 

すべては結果であり、行動を起こす動機は「おもしろい」とか「カッコいい」とか「なんか素敵そう」でいい。

そんな自然で無理のない循環を起こしたいと考えています。

 

おわりに

ということで本当に長くなりましたが、これが僕が今考えていることです。

思えば核となるテーマには早い段階で出会っていたのですが(というか本まで出していたのに)、随分と遠回りをしたものです。

 

でも、遠回りをしたからこそ、やっぱりこれこそ自分が人生の時間をかけるだけの価値あるテーマだと確信を持って言えます。

 

ということで、これからは和食をテーマに精力的に情報発信をしていき、世の中の役に立てるよう頑張っていきますので、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。

そして同じような志を持っている方、親和性のある領域で活動されている方、ぜひ連携して今一度日本に和食文化を根づかせましょう!ご連絡お待ちしております。

 

それでは今回はこのへんで。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

(この間訪れた石垣島の豆腐料理が美味しいお店にて)

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