中国の長寿地域でも食べられていた ヘンプシード(麻の実)の栄養と活用法
戦後日本が失ったしまったものは数多くありますが、
そのうちの一つが麻です。
麻は古来より八穀の一つとして広く食べられ、
戦前まではお米と並んで盛んに栽培されていました。
それが戦後の規制で
日本で麻を栽培することは免許制になり、
生産量がほとんどなくなってしまったのです。
しかし、今そんな麻がなんとか輸入で入るようになり、
じわじわ浸透の兆しを見せています。
今回はそんな麻の実、
ヘンプシードをご紹介したいと思います。
中国の長寿地域でも食べられていた ヘンプシード(麻の実)の栄養と活用法
100歳を超えるお年寄りが元気に暮らす町の秘密
世界を見渡すと、
この麻の実を日常的に食べている地域があります。
それが、中国南西部の町、巴馬(はば・バーマ)村です。
この地域では朝に
麻の実が入ったおかゆを食べる習慣があり、
一日の摂取量は40〜50gほどにも及ぶといいます。
そしてこの巴馬村の大きな特長が、
100歳を超える長寿者がゴロゴロいることです。
巴馬村の老人たちは元気に野良仕事をこなし、
ひいおばあちゃん、ひいひいおばあちゃんと
一緒に暮らす家族が当たり前のように見られます。
世界五代長寿の里にも認定されるなど、
世界でも指折りの長寿地域になっています。
では、実際に麻の実には
どんな栄養が含まれているのでしょうか。
麻の実の栄養
まず特筆すべきがそのミネラル含有量です。
鉄、マグネシウム、亜鉛などが特に豊富で、
巴馬村の人のように
一日に40〜50gとると、
それだけで一日に必要なこれら三つのミネラルの
約半分の量を摂取することができます。
同じく種実類のごまと比べても
その量は上回っています
(ただし、カルシウムはごまのほうが断然多い)。
さらにオメガ3系脂肪酸である
α-リノレン酸も多く含みます。
EPAやDHAと並んで
オメガ3系に分類されるこの脂肪酸は
現代人が積極的にとりたい油で、
その健康効果は上げだせばキリがないぐらいです。
脳の機能を向上させ、
血管内を綺麗に保ちます。
さらには、
γ(ガンマ)-リノレン酸という
別名ビタミンFと呼ばれる脂肪酸を含むのも大きな特長で、
この脂肪酸はイギリスでは医薬品として使われており、
アレルギー抑制や
女性のPMS、更年期障害などに有効だとされています。
このγ-リノレン酸は月見草油など、
ごく一部の植物性油にしか含まれませんが、
麻の実も数少ない、γ-リノレン酸を含む植物です。
麻の実はどうやって食べればいい?
我が家で使っている麻の実。
中を取り出すと、
麻の実はこんな色形をしています。
香りをかぐと、こうばしいナッツのような香りがします。
この麻の実をどう使えばいいか、ということですが、
ごま感覚で何にでも使えます。
卵かけごはんに振りかけたり
(コクが加わって美味しい!)
ごま和えならぬ、麻の実和えにしたり、
(ごまと半々で割るのもオススメ)
ごはんに混ぜ込んでおにぎりに
(しらすとの相性も抜群です)
こんな感じで、台所に一袋常備しておけば、
手軽にいろんな料理に使うことができます。
まとめ
つい数十年前までは日本人が日常的に口にし、
今でも中国の長寿地域では愛用されている麻の実。
あなたもぜひ、この奇跡の実を
食卓の一員に加えてみてはいかがでしょうか。
【参考】γ-リノレン酸 – 日清オイリオ
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