仕事脳を磨くには大豆!日常で簡単にとれる大豆加工品をまとめてみました。
こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。
(初めてのかたは、こちらからどうぞ)
突然ですが、僕は大豆こそ日本のソウルフードなのではないかと思っています。
それは後ほど紹介するように、日本には実に多彩な大豆を使った加工品の食文化が花開いたからです。
江戸時代によく食べられた”豆腐田楽”
この大豆には、脳の働きを良くする重要な栄養素が含まれています。
飛鳥時代より長らく肉食が禁忌だった日本人にとって大豆は貴重なたんぱく源で日常的に食べられてきました。
小さな島国で物質的資源も豊かとは言えないこの国で世界に誇れる文化が花開いたのも、
もしかしたら大豆が影の立役者だったのかもしれません。
今回はそんな大豆についてのお話をつらつらと書いていきます。
仕事脳を磨くには大豆!日常で簡単にとれる大豆加工品もまとめてみました。
大豆レシチンで頭が良くなる
大豆に含まれる脳に良い成分とは、ズバリ「大豆レシチン」です。
少しだけ専門的な話をすると、レシチンとはリン脂質という油の仲間で、
細胞の膜に使われる材料になります。
この細胞の膜というのが非常に重要です。
皆さんご存知の通り、人間の体は細胞の集まりでできています。
いわば、人間の体が一つの村だとしたら、一個一個の細胞は家にあたります。
細胞膜がうまく作られないということは、
家で雨漏りがしたり風が吹き込んできたり、電気ガス水道が遮断されてしまったりケータイの電波が入らないということ。
そんな家にはとても人は住めませんし、当然村全体も機能しません。
さらにもう一つの大事な働きが、
神経伝達物質であるアセチルコリンの材料にもなるということです。
アセチルコリンとは、脳の神経細胞同士の情報伝達の際に使われる成分。
人間が伝言ゲームをしている様子にたとえると、話して伝える言葉に当たります。
このアセチルコリンが不足すると、イライラしたり寝られなくなったり、記憶力の低下にもつながってしまいます。
レシチンは脳が元気に活動する上で欠いてはいけない大切な栄養素なのです。
忘れてない?先人の知恵 大豆の加工品たち
さて、ここでスマホ(パソコン)の画面を送る手を一旦置いて、
日常の中で大豆をとる方法、つまり具体的な食べものを思いつく限り挙げてみましょう。
……さあ、いくつ思い浮かびましたか。
煮豆(大豆そのまま)、納豆、豆腐、このあたり日常でもよく食べられるのですぐに浮かんでくると思います。
自家製納豆。タレは醤油麹と亜麻仁油。薬味は刻みねぎと麻の実。
他には基本調味料の味噌も大豆が原料ですね。
豆腐は豆乳を固めたもので、豆乳からは湯葉もできます。
豆乳をつくる時の搾りかすがおから。
ちなみに、おからは別名卯の花とも言いますし、切らないで食べられることから雪花菜(きらず)とも呼ばれます。
落語の噺家さんは「おから」は客席が空(から)につながると嫌い、
おからは炒って食べるので、「大入(炒)りにせい」と言ったとか。
豆腐を凍結乾燥させれば高野豆腐に、揚げれば油揚げ、厚揚げになります。
高野豆腐の照り焼き
大豆を使った加工品にはこれだけのバリエーションがあり、幅広くいろんな料理に活用できます。
肉の代わりに煮物に入れるだけで美味しく食べられますし、和え物や味噌汁の実にも良し。
ほうれん草と油揚げの胡麻和え。甘味は砂糖の代わりに甘酒で。
ちなみに、大豆の食糧自給率は7%(食用の自給率は24%・いずれも平成26年)とわずかです。
ここは国内生産者を応援する意味でも、ぜひ国産大豆を使っているものを食べるようにしましょう。