ノーベル医学生理学賞受賞!大隅教授が明らかにした「オートファジー」はファスティングによって起きる
こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。
(初めてのかたは、こちらからどうぞ)
東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏が先ごろ、ノーベル医学生理学賞を受賞されました。
同じ日本人として誇りに思ったかたも多かったのではないでしょうか。
さて、今回のノーベル賞受賞の対象となった研究が「オートファジー」と呼ばれる現象に関するものです。
このオートファジーは、私が推奨しているファスティングとも大きく関わるものです。
今回はこの、オートファジーについてわかりやすく解説していきたいと思います。
ノーベル医学生理学賞受賞!大隅教授が明らかにした「オートファジー」はファスティングによって起きる
オートファジーって何?
オートファジーとは、別名自食作用とも言い、
細胞内で自分自身のたんぱく質を食べて分解する働きのことです。
私たちの身体は約六十兆個もの細胞で構成されているといいます。
そして、その細胞一つひとつが家のようになっており、
その中にはさまざまな住人や家具が入っています。
オートファジーとは、いわば家の中の大掃除です。
ゴミやホコリを家の外に出して、水道管が漏れていたり、電化製品が故障していたら直す。
そうすると、家の中が綺麗になり、日常生活を快適に送れるようになります。
これと同じことが細胞の中でも起きています。
日々生きていると、細胞の中にもいろいろなゴミが溜まります。
これを綺麗に掃除する作業がオートファジーなのです。
飢餓状態で活性化されるオートファジー
そして、このオートファジーは、飢餓状態で通常よりも活性化されることがわかっています。
つまり、ファスティングをするとオートファジーが活発に行われるようになるのです。
いつもは自分で掃除していたのが、専門の清掃業者に来てもらって徹底的に隅々まで綺麗にしてもらう具合です。
さて、なぜファスティング状態になるとオートファジーが活性化されるのでしょうか。
それは、ファスティング中は摂取エネルギーが少なくなるので、
足りないエネルギーを補おうと、細胞が自分の中にあるたんぱく質を分解して使おうとするのです。
この時に、壊れてしまって使い物にならないガラクタたんぱく質も一緒に分解されていきます。
これで細胞の中が綺麗になっていくというわけです。
古くなったミトコンドリアも入れ替える
さらにスゴいのが、オートファジーによって古くなったミトコンドリアも分解されていくことです。
ミトコンドリアとは、細胞の中に入っている別の生き物で、いわば人間と共生関係にあるものです。
このミトコンドリアでは脂肪を原料としてエネルギーを作っています。
しかし、ミトコンドリアが古くなってくると、うまく脂肪を分解してエネルギーに変えることができなくなってきます。
つまり、太りやすくなるわけです。
加えて、老巧化したミトコンドリアはたくさんの活性酸素を排出し始めます。
まるで古くなったバイクのように、黒くて臭い排気ガスをもくもくと出すようになるのです。
活性酸素は身体をサビさせ、病気や老化の大きな原因です。
しかし、オートファジーによって古いミトコンドリアが分解されると、続いて新品のミトコンドリアが作られて置き換えられます。
ポンコツ社員がリストラされて、優秀でフレッシュな社員が代わりに入ってくるような感じです。
ファスティングをし、オートファジーが活性化されることでミトコンドリアが新品に入れ替わり、
太りにくくなったり、疲れにくくなったり、アンチエイジングで若返り効果も期待できるのです。
まとめ
大隅教授が「オートファジーの研究はまだ三合目ぐらい」と述べられているように、
まだまだ解明されていないことも多いようです。
個人的には、ファスティングによる健康効果は現象としては十分あるのですが、
その理論の解明はまだまだ明らかにされていないことも多いので、
今回のような研究が進められると今後さらに広くファスティングの良さが伝わっていくのではないかと考えています。
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