【 実際にやってみた! 】元板前さんと出汁(昆布・鰹節)の味比べ
こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。
「出汁を引くのに使う昆布っていろんな種類あるけど、やっぱり味も違うの?」
そんな質問を、来月から一緒にイベントをやる元板前さんに聞いてみました。
「全然違うよ!昔いろんな種類の昆布で出汁引いて飲み比べしてみたことあるけど、ホントに全然違うんだから!」
ほう、そんなに違うものなのか。
「じゃあ一度やってみよう!」ということで、昆布の種類による味と香りの違いを確かめる実験をしてみました。
他にも水の違いや鰹節、本だしなどとも比べてみました。
出汁の味比べ実験やってみた
一、昆布の違い
まずは昆布。
代表的な「真昆布」「利尻昆布」「羅臼昆布」「日高昆布」の四種類で実験。
水出しと煮出しの二つの方法で出汁を引きます。
飲んでみると、ビックリ。
マジで全然違う。
真昆布は最高級と言われているだけあって、一番昆布らしい美味しさが感じられます。
利尻と羅臼はそれぞれ個性があっておもしろい香り。
日高は関東では出汁用に使われていますが、関西では食べる昆布というだけあって、出汁よりも昆布だけを食べた時の美味しさが印象的でした。
二、水の違い
実は出汁と水は密接な関係があります。
というのも、日本の水は軟水で、出汁は軟水では出やすいのですが、硬水では出ないのです。
今回は①水道水、②ミネラルウォーター(硬度30)、③温泉水(硬度2)で実験。
②のミネラルウォーターの硬度30というのは、軟水で、海外産のミネラルウォーターは硬度もっと高いです(コントレックスは1400以上!)。
まず水道水ですが、まずくて飲めません笑。
「出汁の香りが」とか以前にカルキ臭が強くて吐き出してしまいました。。
軟水のミネラルウォーターはしっかりと出汁が出ていました。
で、驚きが硬度2の超軟水。
出汁の香りが強く感じられ、口当たりも最高。
水を変えるだけでこんなに違うのか!!と驚かされました。
昆布は軟水の方が出汁が出やすく、関東は関西に比べると硬度が高いので、昆布ではなく鰹節文化が栄えたと言います。
今でもこだわった料亭などは関西からわざわざ水を取り寄せているとか。
三、鰹節の違い
用意したのは、タイコウさんの本枯節、荒節、そして一般的な花かつおです。
鰹節は直前に削り器でシャコシャコ削りました。
これがなかなか難しい。。
刃の出加減や、力の入れ具合をうまくやらないと綺麗に削れません。
ちなみに、今は和食の料理人も削れる人が少ないようで、
というのも、一流料亭ですら、すでに削ったパック詰めの削り節を使っているが現状なのだそうです。
昔は、削りたての香りの良い鰹節を使うために、
「客の顔を見てから削れ」
と言われていたそうです。
削ると、ふわっと良い香りが広がります。
食べてみると、鰹の力強い風味とうま味が感じられて美味しい!
出汁をとってみましたが、①の本枯節は複雑な繊細な香りが豊かで、②の荒節はより濃厚の味の強さが感じられました。
③の花かつおは酸味が強かったです。
これが一本釣りとまき網の違いということか。
四、合わせだし
最後に四種類の昆布と削り節を使って合わせだしを作りました。
一番美味しかったのが、真昆布と本枯節の合わせだし。
もうこれ絶品です。
涙が出る美味しさ。
昆布のグルタミン酸と鰹節のイノシン酸といううまみ成分が合わさると相乗効果でうま味が7〜8倍になると言われますが、
それを実体験しました。
もう一つ驚いたのが、市販の花かつおと昆布の合わせだし。
正直、花かつおだけの出汁は全然美味しいと思わなかったのですが、
昆布と合わせると一気に美味しくなりました。
これは大発見です。
質の良い削り節の場合は鰹だけで美味しい出汁がとれますが、
そこまで良いものではない鰹節の場合は、昆布と一緒に出汁をとらないと美味しくできないことを知りました。
そしておまけの本だし。
これがね〜、美味しいんですよ!
でも、美味しいというかオイシイという種類のうま味で…。
そりゃあうま味の成分を凝縮していますからね、美味しくなるわけです。
でも香りは本物には遠く及びません。
これも本物の出汁と比べて初めてわかることですね。
まとめ
「百聞は一見にしかず」の言葉通り、本で読んで知った知識だったのが、体験することで身になりました。
これから始まるイベント「いろは食道」ではこのような体験、気付きを持って帰ってもらい、実生活に活かせる学びを提供していくつもりですので、お楽しみに!
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