書評 「食べない」健康法 石原結實
「一日三食きちんと食べましょう」
子供の頃から耳にタコができるほど聞いてきたそんな常識に疑問の声があがっています。
そもそも現代人は必要以上に食べ過ぎています。
そしてその食べ過ぎた食べ物の消化にエネルギーを奪われ、全体的に見た体の機能が低下する原因となっていることが言われているのです。
今回紹介するこの「『食べない』健康法」の著者である医師、石原結實先生も少食を勧められています。
それも、僕が広めている本格的なファスティング(断食)ではなく、1日2食あるいは1日1食という”超少食“がメインの内容です。
早速紹介しましょう。
一日三食食べる必要はあるか?
交通機関が発達し、仕事も肉体労働から頭脳労働へとシフトし、現代人は体を動かさなくなっています。
食事でとったカロリーを運動で消費しきれず、余った分が脂肪として蓄積され、それが今問題になっているメタボリックシンドロームに端を発する生活習慣病につながっています。
さらに、食べ物も加工食品や精製食品が多くなり、高カロリー低栄養の食べ物が増えており、摂取した栄養素をきちんと代謝できないような食生活を送っている人が増えています。
つまり、本来は健康的な体を維持するための栄養素補給が目的の食事であるはずが、”無駄に食べている“部分が出てきてしまっているのです。
「必要以上に食べてしまっている」これが現代人の問題点なのです。
一日二食生活のすすめ
本書で石原先生は、朝食を抜く、「一日二食生活」のメリットを論じています。
少食により、長寿、ガンの予防、生活習慣病の予防、さらには頭脳が明晰になったり、ストレスに強くなることまで、体だけでなく頭や心の面までさまざまな研究結果を交えながら解説されています。
実際、僕もファスティングを習慣にするようにしてから空腹に対する慣れが出てきて、もともと朝はあまり食欲がわかない時もあったので朝を酵素ドリンクやフルーツだけにする一日二食生活をしていたのですが、確かに朝から頭が冴えて調子が良くなりました。
本書では具体的に初めて一日二食生活を始める人の実践法や注意すべき点を詳しく紹介しています。
驚きの症例の数々
また、本書の特徴は、医師である著者ならではの、さまざまな患者さんの改善報告レポートです。
生活習慣病やうつ、ガンや摂食障害にいたるまで、さまざまな健康問題を抱えた患者さんたちが少食を実践することによって症状が改善されていった様子が血液検査データの推移も含めて克明に記されています。
僕は医師ではないので、疾患を持った方の指導はできませんが、少食の病気に対する効果を間接的に知ることで、ファスティングをすればさらにスゴい結果が得られるのではないかと想像しながら読み進めました。
まとめ
いかに体にとって必要な栄養素をしっかりとるかという「足し算の栄養学」はもちろん大事ですが、これからの時代の注目トレンドは、いかに不必要なものを入れないようにする「引き算の栄養学」です。
この本で勧められている「少食」と僕が実践している「ファスティング」は得られる結果や体で起きることは違えど、根本的な考え方は同じ。
これからの時代を健康的に生き抜くには必須の考え方と言えると思います。
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