たんぱく質なのに食物繊維?! 酒粕や高野豆腐に含まれるレジスタントプロテインの驚くべき働きとは
以前「冷ご飯を食べる利点」について記事を書きました。
この中でレジスタントスターチという”食物繊維のような働きをするデンプン“のことをご紹介しましたが、
似たような成分で”レジスタントプロテイン“というものがあります。
酒粕や高野豆腐などの大豆加工品に含まれるこのレジスタントプロテインなのですが、
脅威の健康効果があることがわかってきました。
今回はこのレジスタントプロテインについて、皆さんにご紹介をしていきたいと思います。
たんぱく質なのに食物繊維?! 酒粕や高野豆腐に含まれるレジスタントプロテインの驚くべき働きとは
レジスタントプロテインとは?
レジスタントプロテインとは、たんぱく質なのにもかかわらず、胃腸でほとんど消化・分解されない成分です。
食物繊維も”胃腸で分解されない”という特徴を持っていますが、レジスタントプロテインもそれと同じ。
このように食物繊維のような働きをするものは以前ご紹介したレジスタントスターチも含まれるのですが、
レジスタントプロテインは炭水化物でもないのに食物繊維と同じ顔をしているというところが非常に特徴的です。
レジスタントプロテインはどんな食べものに含まれる?
プロテイン、つまりたんぱく質というと、肉や魚、卵、乳製品などの食品が浮かんでくるかと思いますが、
残念ながらこういった食品にはレジスタントプロテインは含まれていないようです。
それに対してレジスタントプロテインが多く含まれる食品が日本酒を絞った後の酒粕やそば、
大豆とその加工品(高野豆腐や味噌など)です。
まさに和食ど真ん中!といった感じで、日本人がずっと食べてきた伝統食はレジスタントプロテインの宝庫だったのです。
レジスタントプロテインはどんな働きをする?
レジスタントプロテインの働きはまだ研究途中ですが、さまざまな効果の報告が上がってきています。
その働きとは、コレステロールを吸着して体外へ出してくれる「コレステロール低下作用」、
さらには「肥満抑制作用」などです。
生活習慣病予防はもちろん、ダイエットにも有効です。
また、発酵食品でもある酒粕には「腸内環境を改善する作用」や「肌のキメを細かくするなどの美肌作用」なども報告されています。
酒粕は昔は”手で握れる酒”ということで「手握り酒」、また、酒を搾った後に残ったものということで酒の骨、「酒骨」と呼んでいたそうですよ。
確かに酒粕の栄養を知れば、酒の”カス”だなんて失礼な名前ですよね。
手軽に使えて保存もきく!高野豆腐最強説
そんな素晴らしい効果を持つレジスタントプロテインですが、
実はこのレジスタントプロテインが特に多く含まれているのが高野豆腐です。
豆腐を凍結乾燥させて作った高野豆腐は栄養がぎゅぎゅっと凝縮されており、
レジスタントプロテインも多くなっています。
高野豆腐は豆腐と違って乾物なので日持ちがし、料理にも使いやすいですよね。
「でも、高野豆腐の食べ方って、しいたけやにんじんと一緒に煮るぐらいしか知らない…」
そんな方のために、今回は高野豆腐を使った料理を一品ご紹介しましょう!
高野豆腐の照り焼き
高野豆腐を使った照り焼きです。甘辛くてごはんによく合いますよ〜!
【 材料 】(二人分)
- 高野豆腐… 二枚
- 醤油麹(醤油でも良い)… 大さじ一
- 甘酒… 大さじ一と1/2
- 酒… 大さじ一
- 米油(その他の油でも良い)… 大さじ一と1/2
- 片栗粉… 適量
- 大根おろし、おろし生姜、刻みねぎ… お好みで
【 作り方 】
一、高野豆腐は水で戻し、ボウルの中で手で押して何度か洗う。水気を絞り、全体に片栗粉をまぶして手ではたく。
二、フライパンに米油を分量の半分ひき、高野豆腐を炒める。途中でひっくり返す時に残りの油を入れて反対側も炒める。
三、高野豆腐に火が通ったら、一旦火を止めてから混ぜ合わせた調味料を入れて絡める。
四、お皿に盛り付け、お好みで薬味を乗せれば出来上がり。
醤油麹や甘酒を使えば、発酵食品がとれてさらに健康的に。
炒め油は米油がオススメ。
γ-オリザノールやトコトリエノールといった特有のファイトケミカルスで活性酸素を撃退し、
美容効果もアップします。
まとめ
ということで、今回はレジスタントプロテインという栄養素についてご紹介しました。
僕としては、「また和食の良さを肯定する事実が一つ判明した」ということで嬉しいかぎりです。
酒粕(酒骨!)に大豆。日本の伝統食をもった食べて健康に美しくなっちゃいましょう!