漬物=発酵食品ではない? スーパーのニセ漬物を見抜く方法
こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。
日本は、世界一と言ってもいいぐらいの発酵食品大国で、雨が多く、湿度が高い地理的特性を活かして数多の発酵食品が発展してきました。
その一つが漬物です。
野菜を塩漬けにして、野菜に付着していた乳酸菌が野菜の中の糖分を分解して乳酸を作ることにより、食品中のpHが下がって保存が効くようになります。
この乳酸菌は腸内環境を良好に保つことに貢献するので、まさに日本人の健康を陰で支えてきた食べものです。
しかし、残念なことにスーパーで売られている漬物の中には漬物”風”の食品も売られています。
今回はその見極め方について書いてみます。
発酵している漬物とそうでないものの見極め方
まず大前提として、漬物の中には伝統的な製法で作っても発酵させないものがあります(浅漬け、千枚漬けなど)。
だからといって劣っているわけではないので、これはこれとして楽しみましょう。
原材料をあらためるべし
見極め方法はいたって単純。
袋の裏側に記載されている「原材料」一覧を確認すれば、一目瞭然です。
漬物を食べると、酸味が感じられます。
これはお酢で味をつけているわけではなく、先ほど書いたように野菜に付いていた自然の乳酸菌が作り出した乳酸による酸味です。
つまり、発酵させた漬物の原材料は野菜と塩だけで十分なのです。
(※ただし、風味付けのためにお酢や他の調味料が使われている場合もあります)
一方、発酵を行っていない漬物は、乳酸菌発酵による乳酸がありませんから、その代わりに酢を入れて酸味をつけています。
とまあ、それだけならまだいいのですが、
実は、スーパーにおいてある大半の漬物は添加物だらけです。
よく使われている添加物をざっとあげると、
たんぱく加水分解物、酸味料、調味料(アミノ酸等)、甘味料、酸化防止剤、pH調整剤、保存料、着色料、香料、増粘多糖類
などなど。
こんなものを健康増進目的でとっていたら、ただの悲劇です。
生の大根をポリポリかじっていた方が100倍マシです。
スーパーに置いてある漬物の九割以上はまがい物
ここまで読んだ方は「へえ〜、普通に売ってある漬物にはそんなひどいものもあるんだなあ」と思ったかもしれません。
ですが、「そんなひどいものもある」ではありません。
「そんなひどいものしかない」のです。
ぜひ近所のスーパーの漬物コーナーに行った時に、置いてあるすべての漬物の原材料をあらためてみてください。
コンビニはおそらく全滅、スーパーでもほぼすべての漬物がまがい物だということに気付くでしょう。
悲しいかな、これが現実なのです。
明治●年創業の老舗の漬物ですら添加物の魔の手が
僕が衝撃だったのは、近所のスーパーで「明治●年創業」とパッケージに書いてある漬物の原材料を見た時のこと。
そこには漬け材料としては「食塩」のみが記載されていたのですが、その次に書かれていたのが、
「調味料(アミノ酸等)」。
「なんだ、アミノ酸ならいいじゃないか」と思った方、ぜひこの機会に覚えておいてください。
これはれっきとした化学調味料という添加物です。
その昔は「化学調味料」と書かれていましたが、それでは売れないということで法律が変わり、いつの間にか「調味料」という表記に変えられました。
専門知識のない一般の人で「調味料(アミノ酸等)」という表記を見て、化学調味料が使われていることを理解できる人がいるのでしょうか。
さらに追い打ちをかけるようなことを書きますが、
(アミノ酸等)と書いてあるのは「一括表示」といって、何種類使っていようが省略して良いという決まりがあるのです。
つまり、「調味料(アミノ酸等)」と書いてあると、一体何種類の添加物が使われているか僕たちは知りようがありません。
で、話を戻すと、僕がショックだったのは、老舗の漬物屋さんですら添加物を使っているという事実です。
伝統的な漬物にそんなものは必要ないはず。
それなのに添加物を使って味をつけてしまうと、せっかくの本来の味わいが台無しです。
でも、一概に漬物屋さんを責めることはできません。
なぜかというと、こういった添加物を使わないと、漬物が売れないのです。
世の中の大半の消費者は、本当の美味しさの味がわかりません。
素材の味を活かしたものより、添加物でうま味を凝縮した化学物質を入れた漬物の方が、オイシくて売れるのです。
本当に添加物の問題は根が深いです。
この状況で一体どうすれば?
ここまで、スーパーで売られている漬物の現状を見てきました。
ここまで読んだ方が次に思うのは「じゃあ健康のために漬物を食べようと思ったらどうすればいいの?」ということでしょう。
僕はスーパーでは漬物を買いません。
どうしているかというと、「大地を守る会」という宅配サービスを利用して漬物を手に入れています。
この会社で扱っている漬物は基本的に無添加なので、安心して食べることができます。
僕は初めてここの漬物を食べた時「これが本物の漬物の美味しさか!」とその豊かな味わいに感激しました。
今までいかにまがいものばかり食べてきたのかということを知ったのです。
あとは、ファーマーズマーケットなどで直接加工者さんや加工者から仕入れいている人から買うのも良い方法ですね。
「自分で作れないのか?」と考える人もいると思いますが、さすがに漬物を自分で作るのはちょっと大変です。
でも、同じ乳酸菌発酵でできる、ぬか漬けなら簡単に一日や二日で作ることができます。
僕も家に小さなぬか床を持っており、自分で漬けて食べています。
ぬか床を育てていく楽しみもあるので、こちらもオススメです。
まとめ
漬物は、日本人の食文化の中でも大切に受け継がれてきた食べものです。
それが添加物まみれのものが大半を締めてしまって、その荒廃ぶりは目も当てられません。
なぜこの記事を書いたかというと、そういう漬物を作っている業者を攻撃したいわけではなく、
ひとえに、この事実を知り、本物の漬物を欲しいと思う人を増やしたいからです。
そうすれば、本物を作っている人たちが潤います。
そうならないと、正直者が馬鹿を見るような状況が続いてしまいます。
そんなの、おかしいと思いませんか?
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