着物歴一週間の初心者が書いた、セカイイチ簡単な男着物指南
(※ 最終更新日 2016年11月6日)
こんにちは。管理栄養士の圓尾です。
管理栄養士のブログで着物の記事?!
異色の記事ですが、男性で着物を普段から着て生活している人は少なく、なかなか情報がないので、
着物に興味がある人のお役に立てればと思い、書いてみました。
今回は、着物歴一週間(現時点)の僕が、
なんとな〜くわかってきた男の着物の世界を、独断・偏見ありありで紹介していきたいと思います。
(記事内容は随時更新しております)
とにかく着物の世界は知らないことが多いし、難解なことだらけなので、
今回は超わかりやすく、素人目線で、ゆる〜くお話していきます。
普段着として着物を着る
きっかけは初詣
まずは簡単に、なぜ僕が着物を着るようになったのかを。
きっかけは今年の初詣でした。
それまで着物なんて浴衣ぐらいしか着たことのなかった僕が、
突然「初詣を着物で行きたい!」と思い、着物に詳しい人に付き合ってもらって浅草に一式揃えにいきました。
着物に袖を通して街を歩いてみると、なんとも言えない清々しい気分になり、感動しました。
しかし、動きづらいのと、着るのが手間だったので、
結局それ以来主催のイベントで数回着たままで、ずっとしまったままになっていました。
いつかまた着たいな…という思いを抱えながら。
イベントで着物を着た時の僕。
後で解説しますが、これ、羽織りの着方間違ってます(笑)。
やっぱり着物が着たい!
僕は日本文化に興味があったので、それからもいろいろと日本文化について知っていく中で、
「やっぱり着物を着てみたいよ!」という思いが再燃しました。
そして着物の本を買って読んだり、ネットサーフィンをしていろいろな知識を仕入れ、
再び浅草の呉服屋さんに言っていろいろ話を聞いたりして、新たに着物も購入。
日常的に着物を着て生活するようになってからまだ一週間なのですが、
四日間は着物で過ごすぐらい、着物が気持ちよくて、これからなるべく着物を日常的に着て、慣れていきたいと思っています。
初めての着物指南
さて、ここからは
「着物に興味はあるけど、もうとにかくどうすればいいのかイメージがわかない!」という方向けに、
超簡単に着物の始め方をご紹介しましょう。
着物を揃える
まずは何と言っても、着物を揃える必要があるので、部分ごとにざっくり解説していきましょう。
長着(ながぎ)
まずはこれ。いわゆる「着物」です。
スーツでいうところのシャツにあたります。
オーダーで作るか、リサイクル品を買うか。
もちろんオーダーがベストですが、お値段結構します。
スーツのオーダーメイドと一緒ですね。
値段は生地によって違いがあります。
高級感のある絹か、夏以外は着られるようなウールか、普段着用の木綿か
(価格もだいたいこの順で安くなる。ただし、同じ絹でも繊維や織り方によって全然違う)
化繊といって、化学繊維もありますが、
個人的にはあまりカッコ良くないのと、着心地が良くないのでオススメしません。
まあ最初はリサイクルで十分です。
ただし、身長の高い人はなかなか品揃えがないので苦労するかも(昔の日本人で175cmって大男です)。
お店はネットで調べればいっぱい出てきますが、浅草がやはり多いですね。
普通に一万円以下であります。
これが、羽織なしの長着だけ(「着流(きなが)し」と言います)の感じ。
羽織(はおり)
長着の上から羽織ります。
スーツでいうジャケット。
最初はなくてもいいけど、あるとカッコいい。
リサイクル品で、長着とセットの”アンサンブル“で売っているものも多いです。
羽織るだけなんだけど、最初は襟(えり)を折らずに着たりするので注意(は〜い!僕やりました笑)。
お店の人に着方を聞きましょう!
長着の上から羽織を羽織るとこんな感じに。
一気に着物感がアップしますよね!
これ、ちなみに中は襦袢型のカットソーを着ています。
羽織紐(はおりひも)
羽織を前で閉じるための紐(ひも)。
スーツでいうネクタイ。
いろんなタイプがあって、色や形を変えると見た目の印象が全然変わる。
女性の着物と違って、無地や地味な柄が多い男の着物は、
こういう小物でオシャレを楽しむのです。
羽織を着る時は、基本必ず必要。
ただ、僕はたまに外してラフに着ています(ホントは駄目みたいですけどね)。
値段は二、三千円ぐらいからあったと思います。
帯
これも絶対必要で、スーツでいうベルトに当たります。
木綿で安いのは二、三千円ぐらいから。
絹のものになると値段が一気に上がるけど、
締め心地がまるで違うので、ステップアップに。
僕は普段はほとんど絹の帯しか締めません。
でも、最初は安いのでいいんです。
ちなみに、結び方はネクタイを結ぶのと同じで、慣れ。
羽織紐と同じで、帯で見た目の印象はまるで変わってきます。
男の着物のオシャレはこういう小物で…(略)
腰紐(こしひも)
帯の下に締める帯。
ただのうすっぺらいひもなので、数百円で買えるし、代用できれば何でもいい。
慣れると、直に帯をするようになると思います。
襦袢(じゅばん)
長着の下に着るもの。
スーツでいうアンダーシャツ。
下にこれを着ると着心地もいいし、着物感がググッとアップする。
襦袢には長襦袢(ながじゅばん)と半襦袢(はんじゅばん)の二種類があって、
長襦袢は長着と同じように首から足のくるぶしまであるタイプ。
半襦袢はTシャツの丈(たけ)のもの。
半襦袢を着て、下はステテコみたいな感じが一番楽。
両方とも、襟(えり)の部分が半襟(はんえり)と言って、ここの色でも着物の印象変わります。
スーツでいう襟の色みたいな感じでしょうか。
安いのは数千円からあります。
僕は絹の長襦袢をリサイクルで三千円で見つけました笑。
これさえも面倒くさければ、今の季節だったらタートルネック着ちゃうのもありかと!
まさに現代ならではの着物の着方ですね。
足袋(たび)
言うまでもなく、靴下のこと。
白は礼装用で普段使いでは浮くので、黒とか紺がオススメ。
柄が入ったものもカッコいいですよ。
モダンに攻めたければ、五本指ソックスでも良い。
草履、雪駄、下駄
草履(ぞうり)や雪駄(せった)は革靴。
下駄はスニーカー的な位置付け。
気に入ったものを。これも数千円からあります。
ただし、下駄は歩き方が難しい!僕も今練習中です。
これも買うの面倒くさければ、洋服の革靴やスニーカー合わせちゃっても。
坂本龍馬も着物にブーツ履いていましたしね。
手ぬぐい
着物なら、ハンカチよりも手ぬぐいが気分。
懐に入れておいてサッと取り出すとカッコいい!!
和柄って、それぞれ意味があって、その由来を知って持つと、より楽しいです。
一枚千円ぐらいと安く、集めだすと止まらないので要注意。
風呂敷
着物に風呂敷が合う!
結び方さえ最初に覚えればメッチャ便利です。
もちろん、リュックしょってもいいし、ショルダーバッグでもスーツ用の鞄でも何でもいい。
和装コート
真冬に着物は寒い!という場合は、着物用のコートもあります。
いろんな形があって楽しい。
マントなんてのもあります。
値段は洋服のコートと同じようなもので、それなりにするので、凝りたい人は凝っちゃいましょう。
でも、手袋して襟巻き(マフラー)すれば、以外になくてもいけちゃいますヨ。
まとめ
上記をすべて揃えればほぼ完璧ですが、
「じゃあ結局最低限着物を着るためには何が必要なの?」という方にお伝えすると、
ぶっちゃけ、長着と帯さえあれば着物を着た感じになります。
長着の中は、カットソーかシャツ。
足元は普段履いている靴。
もう最初はそんなんでいいんだと思います。
ただ、着物の上から普通のコートは羽織れないので、冬は寒いかも。
現代の男子はもっと自由に着物を楽しんでいい!
先日、Facebookに思うところをアップしたので、紹介します。
最近、着物を着始めて、少しずついろんなことがわかってきたのだけれど、
初心者が日常的に着物を着られるようになるまでの障壁が高すぎる。
いろんな余計なことが、物事をいたずらに複雑化させている。
別に普段着として着物を着ることは高尚なことでもないし、特別なことでもない。晴れ着や礼装は別として、普段着として着物を着ることはもっと簡単であるべきだ。
今の日本で着物を着ることが、そもそも”特別な機会”を想定して成り立っていることに問題がある。
洋服で考えるなら、普段着ならTシャツにジーパン、スニーカーでいい。それがいきなりシャツにネクタイ締めてジャケットに革靴だと、大事になってしまうし、着こなすのも大変だし、着てて疲れる。
ネットの書き込みで、「綿の着物で歌舞伎を観に行ったら、着物を着たおばさんに注意された」というのを目にした。
会場にはラフな洋服で来ていた人もたくさんいたそうだ。
実にくだらん。バカバカしい。
着物を着る人は、日本文化としてのこだわりが強いのか、自分たちが着物を着ていることに優越感を感じているのか知らないけれど、必要以上に格式や決まりごとにうるさい人が多いように思う。
もちろん、必要最低限の決まりはあるだろう。普段着の洋服だって、Tシャツを裏返しに着たり、スニーカーの蝶々結びができなければまずい。
しかし、いきなりスーツを着こなそうとすると、色やボタンの数、ベルトと靴の色など覚えたり、用意するものが増えてしまう。
着物はもっと手軽で自由でいいはず。
もっと普段着で着物を着るような人を増やしたいなあ。
栄養学に限らず、こういう一見難しそうなことをわかりやすく伝えることにすごくモチベーションがわく性格です^ ^
ということで、
「着物を着てみたい」という初心者と同じ目線で着物を解説している記事があったら…と僕自身が思っていたので、今回の記事を書きました。
まだまだ浅い知識で間違いもあるかもしれませんが、着物に興味がある方の参考になれば幸いです。
今回は、いつもの栄養学とは違った、趣味の記事でした。