珠玉の言葉の数々!「覚悟の磨き方」 超訳 吉田松陰を読んで
前から本屋に並んでいて気になった「覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰」を読みました。
この本は松下村塾を作った明治維新の立役者、吉田松陰の言葉を集めたもので、歴史、特に幕末が好きな僕にとっては興味深い本でした。
今回、実際に読んでみて、吉田松陰が直接今の自分に語りかけているような感覚があり、はっとさせられたり、気づきがたくさんありました。
今日はこの本の簡単な書評を書いてみたいと思います。
吉田松陰とは?
まずは吉田松陰について、簡単にご紹介させていただきたいのですが、
時は幕末、鎖国を続ける日本にペリー提督率いる黒船が来航します。
その様子に当初は「西洋に打ち勝つ」と意気込んでいた松陰でしたが、実際に自分の目で大砲を目にし、考えを改めます。
「これは敵わない」
そう思った松陰は考えを180度転換します。
「むしろ彼らから学んだ方が早い」
松陰は小舟を盗み、単身黒船に乗り込みます。
当時、鎖国をしていた日本において、このような行為は死罪をも免れない重罪です。
その行動のあまりの大胆さにアメリカ海軍もたいそう驚いたことでしょう。
その後、密航の罪で捕まった松陰は故郷の長州藩(現在の山口県)に送られ、いつ出られるともわからない牢獄に入れられます。
しかしその中で彼は囚人を弟子にしていきます。
そして仮釈放が行われると、あの伝説になる松下村塾を開くのです。
実際に彼が塾で教えたのはたったの2年半ですが、その松下村塾からはあの高杉晋作や伊藤博文らが誕生します。
合計すると塾の卒業生には総理大臣2名、国務大臣7名、大学の創設者2名という、世界にも類を見ないぐらいの確率でエリートを輩出しています。
その後、彼は日本を想い、自分の志を貫いて日本を良くしようと動きますが、幕府に捕まり、30歳の時に処刑されてその生涯を閉じます。
しかし、彼の志は生き続け、その志を継いだ志士たちが明治維新を起こすのです。
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松陰の言葉
この本には彼が残した言葉が現代語に訳されて名言集のような形でカテゴリーごとにまとめられています。
150年以上の時を経ても、彼の言葉は色あせません。
それはおそらく、彼の言葉が時代を超えても変化しない、物事の本質を突いているからだと思います。
個人の生き方、考え方、
リーダーとしての心構えなど、現代を生きる日本人の心にも響く言葉がたくさん載っています。
海外の成功者の言葉も素晴らしいですが、やはり松陰の言葉は日本人にこそ共感できるものがあり、日本人の美徳や感性に訴えるものがありました。
時代がどれだけグローバル化しようとも、日本人としての良さや誇りを忘れないように生きようという思いを新たにさせるものがありました。
わずか30年の人生にもかかわらず、これだけ多くの人の記憶に残り、影響を与え、今の豊かな日本を作るきっかけを作った吉田松陰という人間の偉大さ。
ただ長生きするだけでなく、意義のある一日一日を生きていこうという気持ちが強くなりました。
全体はさらっと1時間程度で読めてしまいますが、読むたびに目に留まる箇所が違ってくると思うので、常に手元に置いておき、何度も読み返したいと思える本です。