世界中で食べるのは日本人だけ!ごぼうの栄養とは
こんにちは。管理栄養士の圓尾です。
初冬に旬を迎えるごぼうは、冬に食べたい鍋や豚汁にもぜひ入れたい食材ですよね。
でも、日本人には馴染みのあるごぼうが実は日本でしか食べられていなかったことはご存知ですか?
今回はごぼうについて栄養面を含めてお伝えします!
ごぼうについて
世界中で日本人のみが食すごぼう
ごぼうは日本原産の植物ではなく、縄文時代に中国から伝わったと言われています。
しかし、中国では漢方の原料として使われるのが主で、日常生活で食するのは日本人のみです。
韓国など一部の地域で食べるところもあるそうですが、
それは日本が統治していた時代に広まった名残りだそう。
第二次世界大戦時に外国人に捕虜にごぼうを食べさせたところ、
「木の根を食べさせるとは虐待だ!」
ということで騒動になったという話もあります。
僕たちにとっては当たり前の食材も、海外から見ると奇妙な食材に映るようです。
ごぼうの栄養成分
まず特徴的な成分が食物繊維です。
ごぼう100g中に含まれる食物繊維の量は、5.7g。
ごぼうとよく一緒に食べられる他の食材、人参(2.5g)、大根(1.3g)、白菜(1.3g・いずれも100g当たり)などと比べてみてもその多さは頭一つ抜けています。
さらにごぼうのスゴいのが、
水溶性の食物繊維と、不溶性の食物繊維のバランスが優れていること。
ごぼうは水溶性:不溶性の割合が2:3で両方を豊富に含んでいます。
食物繊維は水溶性と不溶性で働きが異なる部分があり、
たとえば、水溶性食物繊維は水に溶けてゲル状になることにより、
食べたものをゆっくりと胃腸を通過させて血糖値の上昇を抑える効果があります。
一方不溶性食物繊維は、腸の中で水分を吸収して膨らみ、かさを増すことで腸管を刺激し、便通を良くするなどの働きがわかっています。
また、両方の食物繊維に共通した利点として、
腸内環境の改善に役立つという点も忘れてはいけません。
現代人はほとんどの人が食物繊維不足で、
国も不足を懸念して「頑張ってこれだけはとりましょうね」という目標量を設定しているぐらいなので、
ごぼうは積極的にとりたい食材です。
ちなみに、食物繊維はわりと最近まで
「何の役にも立たない食べもののカス」
だと思われていました。
しかし、昔の人は栄養学なんてなかった時代から食物繊維の有用性に気づいていたみたいで、
江戸時代、1764年発行の「料理珍味集」という本には
「和紙を食べると年中悪病を除くなり」といった内容の記述が見られます。
和紙は楮(こうぞ)という植物が原料なので、まさに食物繊維の塊。
紙を食べるという昔の人の発想力には驚きます。
そしてもう一つ、
ごぼうにはポリフェノールのクロロゲン酸やタンニンという成分も含まれており、
これらは抗酸化作用があるため、老化の予防効果も期待できます。
また、アンチエイジング効果のある抗老化成分で注目が集まっているレスベラトロールも含まれています。
料理する時のちょっとした秘訣
ごぼうは洗って泥を落としたものも売っていますが、ぜひ泥つきのごぼうを買いたいところ。
ごぼうは皮に特有の風味が含まれているので、たわしを使ってこすりすぎないように泥を落として使いましょう。
ちなみに、僕は台所にごぼうなどの食材を洗う専用のたわしを置いています。
また、ごぼうはアクが強いのと、空気中に置いておくと黒くなって色が悪くなるので、
切ったそばから水にさらしていきます。
ただし、つけすぎると香りが損なわれてしまったり、
さきほど紹介したクロロゲン酸なども流出してしまうので、数分たったら引き上げましょう。
まとめ
ごぼうって、まさにこれぞ大地の味!って感じの味がしますよね。
豚汁やけんちん汁はごぼうがいないと、どこか締まりません。
きんぴらごぼうなんかも、お弁当の食材としても大活躍しますので、
ぜひ普段の食生活に取り入れてみてください!
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