書評 『コンビニが破壊する日本〜食によるモンサント日本人削減計画〜』橘結城

コンビニ、ファーストフードなどで提供される食品に使用されている大量に添加された食品添加物遺伝子組み換え食品悪辣な飼育環境で育てられた家畜など、食の安全への懸念が高まっています。

今回紹介する本では具体的な企業名をあげ、さらにはそこにアメリカの強大な組織が関係しているという切り口から現代の食について論じられています。

 

 

それでは、紹介していきましょう。

 

コンビニが破壊する日本〜食によるモンサント日本人削減計画〜

健全なものづくりをしている会社を見極める

「一流メーカーの作った食品だから、安心だよ」

「大手スーパーだから、そんなもの売るはずがない」

どうしても昔からの日本商人魂を信用する人もいるのです。

(本書 第6章より)

本書では具体的に一つひとつの企業名をあげ、その企業の歴史や経営のやり方について詳しく解説されていますが、その真偽は定かではありませんし、鵜呑みにすべきではないかもしれません。

しかし、具体的な例を知ることによって、理解のしやすさの度合いは上がります。

 

大事なのは、”まともな食品を作っている企業を見極める目をもつこと“です。

一番危険なのは「大手だから」「CMでやってるから」など、イメージだけで判断し、思考停止している状態。

イメージなんていくらでも操作が可能で、何の根拠にもなりません。

それよりも、その企業の経営理念を知り、本当に消費者のためを思ったものづくりをしているのかということを見ていかねばなりません。

そしてその経営理念は随所の細かいところに現れてきます。大切なのはその視点を持つことです。

 

物質主義から魂の時代へ

明るい兆しもあります。世界は徐々に「魂型経営」に移行しつつあるのです。

(本書 第9章より)

「安い・早い・うまい」が求められ、それに応えた企業が繁栄した時代は終わりつつあります。ファーストフード店の売上が芳しくないというニュースは最近よく聞きます。

飲食店も、ただ美味しいというだけでなく、多少値が張っても、食材や調味料にこだわったお店が増え、お客さんが集まっています。

インターネット通販の発展で規模の小さな生産者も全国からお客さんを集めることが可能になりました。

バブル崩壊後の物質主義から、もっと心の豊かさを追求しようという時代の流れも追い風になっているのかもしれません。

 

僕もよく言っていますが、消費は投票行動です。

多くの人が無農薬の野菜を求めれば、無農薬の野菜を作る人が増えますし、価格も下がります。

多くの人が粗悪な原料を使って添加物が添加された醤油を求めれば、そういった醤油が多く出回るのです。

 

ドイツなどでは、地球環境に配慮された商品を選択して買う消費者のことを”グリーンコンシューマー”と呼ぶそうです。

日本にもそういった意思をもった人が増えていくことを願うばかりです。

 

健康的な食生活で大事なのは栄養バランスではない

栄養学的バランスをどのように守って食物を摂ろうが、健康とは関係しません。真実の栄養とは食物に含まれる生命力なのです。

(本書 第11章より)

この本を読んで驚いたのが、「もっとお米を食べて日本人古来の食事に戻そう」「まず調味料から見直そう」という二つの筆者の主張が僕の主張とまったく同じだったことです。

僕もこの二つが健康的な食生活を送る上でまず最初に手をつけるべきことだと考えています。

 

僕は栄養士ですが、健康的な食生活というものは栄養学では語りきれないと思っています。

もちろん、栄養学がすべて役に立たないと言っているわけではありませんが、栄養学に固執している時点で限界がきます。栄養学だけで健康を守り切ることは不可能と言っても過言ではありません。

 

同じ野菜でも、海外で工業製品のように大量生産された愛情のかけらも入っていないものと、地元の農家さんが人一倍苦労して農薬を使わずに丹精込めて作ったもの。

卵でも、非人道的な狭い鶏舎にぎゅうぎゅう詰めにされ、ストレスで病気にならないように抗生物質を与えられた鶏が産んだものと、のびのびと走り回れる場所で良質なエサを与えられて愛情を持って育てられた鶏が産んだもの。

これらの野菜や卵は、食品成分表で算出した栄養素は同じかもしれません。

しかし、これらを食べた時に受け取るエネルギーは同じであるはずがないのです。

こんな誰が考えてもわかるような視点が抜け落ちた栄養学に価値はありません。

かといって、栄養学を完全無視した食生活がベストかというとそうでもない。

僕が目指すのはその二つのいいところを集めて人々に伝えていくことです。

 

まとめ

本書は幾分主張が過激により過ぎるきらいがあるのと、誤字が多かったのが気にはなりましたが、一つの情報として興味深いものでした。

独自の切り口が特徴的な、一読の価値のある一冊です。

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