日本人の健康の秘訣は海藻にあった!もっと食べたくなる海藻の話
「健康のために野菜を食べています!」という人は多いですが、
“海藻”を忘れてはいませんか……?
“海の野菜”とも言われる海藻。
昆布、わかめ、ひじき、もずくと、いろいろな種類がありますが、
実は世界でも海藻を食べるのは日本人ぐらいと言われています。
その証拠に、さまざまな国の人の腸内細菌を調べたところ、
日本人ではほとんどの人が海藻を分解する腸内細菌を持っていたのに、海外の人はものすごく少なかったこともわかっています。
(参考: 「健康な日本人の腸内細菌叢の特徴解明、約500万の遺伝子を発見 日本人は生体に有益な機能が外国よりも多く平均寿命の高さや低肥満率等との関連も示唆」 – 早稲田大学)
日本では縄文時代の遺跡からも海藻の痕跡が見られることから、古くから海藻を食用にしてきており、
体内もそれに適応したものと考えられます。
今回はそんな我々日本人ともなが〜〜〜いお付き合いのある海藻が持つ栄養に迫っていきましょう。
日本人の健康の秘訣は海藻にあった!もっと食べたくなる海藻の話
世界中の長寿地域の共通点とは?
あるおもしろい話があります。
京都大学名誉教授で世界中の地域の健康状態と食事について研究されている家森教授は著書「世界一長寿な都市はどこにある?」の中で次のように書かれています。
世界中で二つのものが健康のリスクと関係するというのがわかってきました。その一つがマグネシウム、そしてもう一つはタウリンというものです。
(本書 P.22)
そして、実はこのマグネシウムとタウリンを両方含んでいるものが海藻なのです(魚介類にも豊富に含まれています)。
マグネシウム
まずマグネシウムです。
マグネシウムはミネラルの一種で、さまざまな働きを担っていますが、
注目は300種類以上の酵素の補因子としての働きです。
酵素というのは、化学反応の手伝いをする物質で、その酵素が働く上で不可欠なのが補因子です。
たとえば、糖質が代謝されるのも、アルコールが分解されるのも、ストレスに対応できるのもマグネシウムがあるからこそ。
マグネシウムは非常に多くの酵素の働きを手助けしているスーパーミネラルなのです。
タウリン
タウリンはアミノ酸に非常に良く似た物質です(厳密に言うとアミノ酸ではありません)。
そしてこのタウリンがとても深いところで僕たちの健康に関与していることが最近わかってきました。
その幅広い働きを書き出せばきりがないぐらい、身体のあらゆる部位で生命活動を助けています。
しかも、そのメカニズムはまだわかっていないものも多く、まだまだ研究途上にある栄養素です。
このタウリンはマグネシウムと合わせて、血圧を下げる働きを持っています。
日本人が世界でも有数の高塩分な食事をしながら健康を保ってきたのは、このタウリンとマグネシウムを豊富に含む海藻や魚介類を中心とした食生活をしてきたからです。
しかし、現代では高塩分だけが引き継がれ、海藻や魚介類は昔に比べると食べる量が激減しています。
これが生活習慣病の増加の一因になっていることは否めません。
水溶性食物繊維
海藻類に特徴的なのは、水溶性食物繊維がたっぷりと含まれることです。
中でも、わかめや昆布のぬめり成分でもあるフコイダンやアルギン酸といった食物繊維には
「血糖値上昇抑制」「免疫力向上」「胃粘膜の保護」など、さまざまな効能が確認されています。
海藻は健康だけでなく、ダイエットにも効果が期待できる食べものなのです。
もっと手軽に海藻を食べよう
さて、これだけ健康効果の高い海藻ですが、どうすれば日常的にとることができるでしょうか。
嬉しいことに、海藻の利点に乾物が多いことがあります。
海苔、ひじき、昆布、わかめとすべて乾物が手に入ります。
たとえば、味噌汁の仕上げに海苔をちぎって入れてもいいですし、
とろろ昆布を乗せてもいいですね。
刻み昆布を常備しておけば、サッと煮物に入れて具材にできますし、
塩昆布があると、葉物を軽く茹でて和えればもう一品完成です。
ごはんのお供にもぴったりです。
と、このように普段地味すぎて気付かないだけで、海藻は料理への取り入れ方がメッチャ手軽で簡単な優秀選手なのです。
まとめ
今回は海藻の栄養についてご紹介しました。
せっかく日本人が長年かけて培った、海藻を分解できる身体を持って生まれてきたのですから、
もっと日頃の食事で海藻をとってその栄養を体内に取り込んでいきたいですね。