飽和脂肪酸は体に悪い!アメリカの三十年間の研究で裏付け
“油”というと、皆さんはどんなイメージを持っていますか?
「身体に悪そう」「太りそう」などなど、
いろいろあると思いますが、油も立派な栄養素で、身体が必要としている成分です。
しかし、大事なのはその種類。
とりすぎが心配な油には注意しないといけません。
その一つが飽和脂肪酸と呼ばれる、バターや肉の油に多く含まれている油です。
飽和脂肪酸は前から身体に良くないと言われてきましたが、
このたびアメリカで行われた研究によって、それがさらに確かめられました。
今回はその研究結果をご紹介し、体に悪い油をとらないようにする工夫をお伝えしたいと思います。
(初めての方は、こちらからどうぞ)
飽和脂肪酸は体に悪い!アメリカの三十年間の研究で裏付け
まず、今回の研究結果のニュースの内容がこちらです。
飽和脂肪酸は体に悪い、30年間の調査で裏付け 米研究 – AFP
この十二万人以上を対象にした研究の結果で、注目すべきは次の部分です。
今回の研究における重要な発見の一つは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸をより多く摂取している人ほど、同量のカロリーを炭水化物から摂取している人に比べて、死亡率が高くなることだ。
つまり、同じカロリーをとるなら、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸からとるよりも、炭水化物からとったほうが長生きできました、ということです。
(過去にトランス脂肪酸について書いた記事もありますので、こちらもご参考に)
糖質制限という食事法が流行っていますが、
糖質を制限した結果、そのしわ寄せで飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取が増えることもあります。
今回の研究結果は、こういった栄養バランスのいびつさを招くような食事法に警鐘を鳴らすものでもあるのです。
普段の食事を和食にすれば、飽和脂肪酸の摂取量は減らせる
さて、そんな飽和脂肪酸ですが、
どんな食事をしていると、たくさんとってしまうことになるのでしょうか。
実は、簡単に飽和脂肪酸の摂取を減らす方法が一つあります。
それが、和食を食べることです。
和食にするだけで、飽和脂肪酸の摂取量を圧倒的に減らすことができます。
洋食と和食で飽和脂肪酸の量を比べてみた
一つ試みに、典型的な洋食と和食の献立の飽和脂肪酸量を比べてみましょう。
洋食に含まれる飽和脂肪酸
今回は、洋食の献立例として、次の組み合わせで考えてみます。
- フランスパン
- コーンポタージュ
- ハンバーグ(グラッセ添え)
- 野菜サラダ(オリーブオイルをドレッシングに)
この献立に含まれる飽和脂肪酸をざっくり計算すると、17.2gとなります。
和食に含まれる飽和脂肪酸量
次に、和食の献立として、次のものを設定します。
- ごはん
- 納豆
- なすとみょうがの味噌汁
- オクラのお浸し
- ひじきの煮物(油揚げ入り)
これでまた計算すると、含まれる飽和脂肪酸量は、たったの3.3g.
さきほどの洋食の17.2gと比べて、約六分の一という少なさです。
と、このように洋食と和食では洋食の方が飽和脂肪酸が多い傾向にあるということを覚えておきましょう。
ちなみに。
今回洋食の方はフランスパンを入れた献立で考えましたが、
フランスパンにはほとんど飽和脂肪酸は含まれていません。
これを糖質制限だといって、パンを食べずにおかずを増やすと、
その分飽和脂肪酸の摂取量がさらに増える可能性があることを付け加えておきます。
まとめ
昔の日本人(戦前、さらには明治維新前)の飽和脂肪酸の摂取量は今の日本人に比べてものすごく少なかったです。
飽和脂肪酸の摂取量とともに増えたのが、肥満や生活習慣病などの問題。
なるべく日常食の中で和食、日本の伝統食を意識して食べるようにするだけでも、大きな健康効果が期待できます。