【イベント】幕内秀夫先生の講演「じょうぶな子どもを作る基本食」に参加してきました!
「粗食のすすめ」などの著書で知られる管理栄養士の幕内秀夫先生の講演に行ってきました。
幕内先生の「粗食のすすめ」は僕が管理栄養士として働き始めてすぐに読んだ本で、当時、学校で学んだ栄養学しか知らなかった僕に大きな衝撃を与えてくれました。今では約200万部も売れているそうです。
この本と出会っていなかったら今の自分はないというぐらい僕のルーツになっている本です。
書かれたのは20年前ですが、今も、そしてこれからも変わらない栄養学に対する考え方の根っこの部分が語られています。
そんな僕にとっては神様のような幕内先生の講演とあって、めちゃくちゃウキウキして会場に向かいました。
受付をしている時に後ろを幕内先生が通られて「本物だ!」とさらにテンションがあがり笑。
そんな期待感満々の状態で、前から2列目を陣取り、講演が始まりました。
こどもの食事はカンタン
先生は「子どもの食事はカンタン。難しいのは大人だ」とおっしゃっていました。
なぜなら、子どもは生きるために食べるが、大人はそこに快楽を求めるからです。
だから2日でも同じものが続くと文句を言うし、見た目や彩りまでこだわります。
そして、快楽につながるものは体に悪いものが多い。
大人の”心の三大栄養素”は「酒」「タバコ」「スイーツ(砂糖)」です。
これらをとることで、大人は満足するんですね。
子どもにおいてはこの中で、砂糖が要注意です。
子どもはお酒なんて飲まないし、タバコの煙も嫌がりますが、砂糖だけは、赤ちゃんから食べることができます。
しかも砂糖の快楽は子供にも通じます。一度この味を覚えさせてしまったら大変です。
先生は「子供のおやつは食事。おにぎりでいい」とおっしゃっていました。
よく保育園で「うちがおやつで出すプリンやクッキーはすべて手作りで無添加です!」と胸を張っているところがありますが、先生は一喝されてました。
確かに先生のお話を聞けば、力の入れどころが間違っているのが理解できます。
子供の偏食にどう対処するか
先生に来る相談で多いのが「うちの子どもが●●を食べてくれないんですけど、どうしたらいいでしょうか」という質問らしいです。
しかし、子どもが食べないものにはある共通点があります。
それは「緑」のものが多いということ。
ピーマン、水菜、ホウレンソウなど。
自然界で緑のものは「未成熟のもの」を意味します。
実というのは熟せば赤くなるものなんですね。
つまり、自然界では緑のもの=未成熟=食べられないもの なんです。
子どもはその本能があって、食べていないというのが先生の考えです。
「子どもが食べないものは一生食べなくても死なない。ピーマンを一生食べなくて死んだ人がいますか?」
何でもかんでも食べさせないといけないと思うとお母さんも大変ですし、子どもにもその食べ物に対して余計な拒否感を与えてしまいます。これは大きな学びでした。
子供に食べたいものを聞くな
先生は「変な給食」という本も出されています。
日本全国、「これはおかしい」という実際に提供されている給食の献立を再現して写真付きで紹介している本です。
そしてこんな変な給食になってしまった原因の一つが子供に食べないものを聞いてしまっている、つまり子供に媚びているからです。
子供に食べないものを聞けば、油と砂糖の多いものを自然と好みます。
お子様ランチなんて、まさにその典型ですよね。
白いご飯を食べ過ぎて太った人はいない。でもこれが酢飯になったり炒飯になったりすると、いくらでも食べられる。
砂糖は多いが油は多くない大福のバイキングはないが、砂糖だけでなく油が加わったケーキのバイキングがいくらでも食べられる。
子供に好みを聞くと砂糖と油まみれの食事になります。
そうならないために、まさに食育が必要なんです。
完全米飯給食の普及を目指して
先生は日本全国の給食を出している学校での完全米飯給食普及活動も行われています。
現在全国30290校のうち2156校と約7%の学校が完全米飯給食を実施しているとのこと。
この数はどんどん増えているそうです。
さらに、新潟の三条市では米飯給食に合わない牛乳を廃止しようと、今年の12月から試験的に牛乳の提供を中止することを決定しています。
そもそも日本の給食でなぜパンが出されるようになったかという経緯を考えると、完全に時代は変わっています。
給食が日本の食文化を学ぶ上で適したものとなるように、こういった動きが全国に広がっていくことを期待します。
まとめ
先生はお話も上手で、とてもおもしろかったです。
少なくとも栄養士や栄養士を目指す学生さんには一度先生のお話を聞いてみてほしいなと思いました。
僕も引き続き、食育の分野について勉強を進めていきたいと思います!
管理栄養士みずとの公式メールマガジンが始まりました!
メルマガではブログでは伝えきれないような、深く掘り下げたコンテンツを発信しています。
より、みずとのことを知りたいという方は、ぜひご登録ください♪