完全実話!インターネット上で合法的な詐欺にあった話
MacBook Airが愛媛県警を「ちょっとだけ動かした話」という記事を知り合いが書いていました。
インターネット上で中古のMacBook Airを譲ってもらうやり取りをしていたら、騙されたという話なのですが(読み物としてとてもおもしろいので、ぜひ読んでみてください)、
このストーリーの初めに出てくる”MacBook Airを4万円で譲ってもらった知人”というのは、何を隠そう僕のことです。
でも、実際に譲ってもらったわけではなくて、譲ってもらうことを了承してもらった時点でFacebookに「4万円で譲ってもらった」と投稿しただけで、実際はまだ手に入れていませんでした。
そしてその後いろいろ言い訳をされて(まさに知人の書いたような展開とまったく同じ)、結局MacBook Airは届かず、なんとかしてお金だけ返してもらいました。
しかもしかも、知人のストーリーに出てくる加害者と僕が騙された相手が同一人物だということです。
いやはや、なんとも皮肉な話です。
そして僕の場合、その詐欺に遭った後、またもや別の人に詐欺に遭いました笑。
なんとも恥ずかしい話なのですが、同じような被害者が生まれないように、ここに改めて記事をまとめておきたいと思います。
皆さんもインターネット上でお金や物のやり取りをすることが今後あるかもしれないので、その時にダマされないように、読んで参考にしていただけると幸いです。
売買成立
5月上旬。インターネット上で売買ができるサイトで中古のMacBook Airを譲ってもらえないかの募集を出しました。
するとすぐに反応が。この相手をIとします。
I「提示いただいた条件でお譲りしますよ!」
品物の状態を確認するため、写真の添付をお願いすると、すぐに送られてきました。
パソコンの状態は良さそうです。
これはいいなと思ったのですが、さすがに一度ダマされていたため、慎重にやり取りを進めることに。
みずと「実は以前、このサイトで詐欺に遭いまして、Iさんを疑うわけではないのですが、一応念のため、住所と電話番号をお聞きしてもよろしいですか?」
するとIは快諾し、住所と電話番号を教えてきました。
今思えば、ここできちんとその電話番号にかけて確認しておくべきでした。
さらにこのサイトはFacebookと連動しており、相手のFacebookページに飛ぶことができます。
Iのページを見ると、きちんと居住地や出身校、顔写真も入力されており、友達もそれなりにいて、その友達のアカウントもダミーではなく、生きているリアルのアカウントのようでした。
ここまで確認できた時点で僕はIのことをまあ信用しても大丈夫だろうと判断。
I「では先に入金していただけますか?入金が確認出来次第、商品を発送します」
こういったやり取りでは先に入金するのは当たり前だ。
僕はすぐに指定された口座にお金を入れました。
ここからが長かった・・・。
一向に配送されないパソコン 繰り返される言い訳
(金曜日)I「土日に発送し、伝票番号をお伝えします!」
―なんて丁寧な人だ〜♪
(日曜日)I「梱包完了です!月曜日の集荷にて発送し、伝票番号をお伝えします!」
―あれ、ちょっと遅れたのかな?
(月曜日)I「すいません、火曜日の集荷でした。昼過ぎに連絡します!」
(月曜日の夜)I「夜勤終わりに伝票番号送ります!」
―忙しいんだな〜。
しかし、ここから連絡が途絶える。
みずと「すいません、配送していただけましたでしょうか?」
I「宛先不明で返送されました。住所が間違えていたようです。申し訳ありません。一度返金させてください」
―え?確認したけど住所間違ってないよ?なんかおかしいな・・・
とりあえず返金するとのことなので、口座を伝える。
I「了解しました!返金しましたら連絡します!」
しかし、次に来たメールには
I「すいません、メッセージが見れませんでした。もう一度口座教えていただけますか?」
―んあ?メッセージが見れない??そんなことある?
ここからIはいろんな理由(「仕事が忙しくて振込にいけません」「仕事終わってから行ったらATMが閉まってました」など)をつけて一向に入金される気配がありません。
「こいつ、なめとるな」
みずと「これ以上先延ばしにされますと、返金の意志がないものとしてこちらも動かせていただきます」
こうやってちょっと揺さぶりをかけてみたのですが、「返金しますので」の一点張りで、まったく行動に移す気配がありませんでした。
「待てよ。そういえば電話番号を聞いていたな」
僕は教えてもらった電話番号に電話をかけました。
電話先「(ガチャ)・・・もしもし」
みずと「あ、Iさんのケータイですか?」
電話先「はい?Iって誰ですか?」
みずと「えっ、Iさんではないですか?」
電話先「違いますけど」
みずと「そうですか、失礼しました」
はい、電話番号が違う人の番号でした。
「もうこら、あかん。徹底的にやろう」
やられたらやり返す。倍返しだ!!
僕は知り合いの弁護士さんに相談することにしました。
人生初の弁護士事務所へ
都内某所のキレイなオフィス。
僕より少し年上の弁護士さんのもとへ相談に行きました。
部屋に通され、待つこと数分、弁護士の方が入って来られました。
その方は前に一度二度立ち話をしたことがある程度の顔見知りの方だったのですが、入ってくるなり無駄話一切なく、早速本題に入られました。
弁護士さん「え〜、事前に送ってもらった被疑者とのやり取りの資料、ありがとうございました。住所をGoogleマップで調べたところ、どうやらレオパレスのようですね」
「被疑者の口座がわかっていますので、とりあえずこの口座をストップできるかどうか電話で確認してみましょう。」
手際よく、状況をまとめ、考えられるオプションを探っていきます。
弁護士さんはいろいろ手を尽くして、方方に電話をしてくださったり、取りうる手段を提示してくださいました。
頭の回転がスゴいです。インテル入ってます。
しかも、これ全部無料でやってくださったんです。もう涙ちょちょぎれます。
ああ、この人が神か
「今後の人生で何かあったらこの弁護士さんに任せておけば間違いない」
そう確信しました。
法律の限界
とりあえず僕の方でもアクションを取ってみようと思い、警察署に被害届を出しにいくことにしました。
よく、警察は無能だとか、いろいろ言われますが、とは言ってもこういう時に警察は頼りになります。
担当の警察官の方に事の事情を説明しました。
すると、驚きの答えが返ってきたのです。
警察官「あ〜、これは詐欺としては認められないね」
な、なんですと〜〜〜???
警察官「だって、相手方とはまだ連絡取れるんでしょ?で、相手は『返します』って言ってるんでしょ?これは詐欺には当たらないんだよね」
WHAT???!!
そ、そんなバナナ〜!!
しかし、これはもう法律の問題なので、「そこをなんとか!」というふうにはいきません。
目の前の警察官も、職務を真っ当しているわけで、意地悪をしているわけでもない。
すっかり肩を落とした僕は、諦めて警察署を後にしました。
状況を聞けば誰が見ても相手に返済の意志がないことなんてわかるのにも関わらず、こういうことをしても罪にならないというのはスゴいなあと客観的に思いました。
最後のあがき
相変わらずIとのやり取りは続いています。
Iは「返します」の一点張り。
もしかしたら法律の穴を知っていての確信犯なのではないかと思えてきました。
なんとか倍返ししようと、IのFacebookの友達を辿り、事の事情を説明するメッセージを送ったりもしましたが、返答来ず・・・。
お金を払って弁護士さんに本格的に取り返してもらうこともできましたが、僕はここで諦めました。
今回の学び
僕がなぜ諦めたかというと、まずこんなくだらないことに頭を悩ませているのが損失以外の何物でもないからです。
感情も揺さぶられるし、脳のマシンパワーの何割かをこんなものに取られているのがもったいない。
お金で買えない時間を、より生産的なものに使った方がいい。
そして月並みな言い方になりますが、今回のはいい授業料だったなと。
簡単に人を信用してはならない。ましてやインターネット上のやり取りだとなおさらだ。
最初に電話番号を聞いた時に実際に電話をかけてみることもできました。
(ちなみに、その後Iには本当の電話番号を教えてもらって話もしていますので、それが確認できていたとしても防げませんでしたが)。
つまり、インターネット上での知らない相手との金銭や品物のやり取りにおいて、リスクはゼロにはできないということです。
必ず会って品物とお金のやり取りを行うべきです。
やるなら最悪お金だけ払って品物が来ないかもしれないというリスクを覚悟の上でやるということですね。
あと、弁護士さんとのやり取りはいい経験になりました。
無料でそこまでやってくださるその弁護士さんの心の暖かさに触れられたのもよかったです。
今後も安心してお付き合いできる弁護士さんが見つかったこと。
あと、これは個人的な考えですが、Iはこんな手段を使って手に入れたお金で絶対に幸せになることはないでしょう。
お金は「ありがとう」の対価で、世の中に価値を与えて入ってくるもの。
こんな人の恨みを買って得たお金が幸せに繋がるわけがないです。
そういったことを彼もこれからの人生で学ぶことを願っています。
こんなことをしてしまった彼のことを思うと可哀想に思えてきます。
よほどの事情があったのでしょうか。なんともやりきれず、残念です。
長くなりましたが、同じような被害者が今後生まれないようにするために、参考にしていただけると幸いです。