【書評】「朝だけ断食で、9割の不調が消える!」鶴見隆史
「きちんと毎日朝ごはんを食べましょう」
これは子供の頃から当たり前のように言われてきたことです。
僕たちはそれを絶対的にいいもののように捉えてきました。
そんな世の中の常識に異を唱えた一冊が、今回紹介するこちらの一冊
早速紹介しましょう。
朝だけ断食で、9割の不調が消える!
健康になりたければ朝ごはんを食べるのをやめなさい
医師としての立場で責任を持って、「朝ご飯を食べるのをやめなさい」という提案をしたいと思っています。
(本書 P.7より)
この本の著者の鶴見氏は医師で、ファスティング(断食)やサプリメントを取り入れた医療を施すクリニックをされている方です。
なぜ朝ご飯をやめたほうがいいのか。
まず、朝は人間の生理的リズム上、「排泄」の時間だからです。
朝起きると汗をかいていたり、トイレに行きたくなったりします。これは朝が排泄の時間だからこそ自然に起きることなのです。
本書の中では「朝食べないとエネルギー切れになるのでは?」「便秘にならないの?」といった疑問にも答えています。
ちなみに、管理栄養士である僕は基本的に朝ごはんはほとんどとりません。
まったく何も口にしないというわけではありませんが、酵素ドリンクやプロテインなどの液体に少しの果物を食べるぐらい。
以前はきちんと朝からごはん、味噌汁、焼き魚、漬け物など定食風の朝ご飯を食べていましたが、ファスティングをするうちに自然と食べなくなったのです。
実際にやってみると、朝ご飯をやめてからの方が頭と体の調子がいいことを実感します。
排便も、水分さえとっていればきちんと毎日起きるので、全然困っていません。
ただ、個人的には朝ご飯をしっかり食べていた人がいきなりやめると逆に調子が悪くなることもあるかと思うので、朝ご飯やめてみようかなと思う人は少しずつ無理なく減らしていった方がいいように思います。
食べれば食べるほど、酵素は消費されていく
食べ過ぎによって消化に使われる酵素が多いほど、健康の度合いが下がるのは当然と言えます。
(本書 P. 65より)
酵素栄養学とは、アメリカ人のエドワード・ハウエル博士が1985年に提唱した考え方ですが、この中で酵素に対する新事実が明らかになりました。
それによると、私たちが一生のうちで生産できる酵素の量には限りがあるということです。
少し専門的な話になりますが、体内の潜在酵素には「消化酵素」と「代謝酵素」の2種類があり、消化酵素を浪費するとその分代謝酵素に回す分が少なくなってしまいます。
つまり、食べ過ぎによって消化酵素を使い過ぎると、代謝酵素が足りなくなり、代謝の働きが低下してしまうわけです。
これによってさまざまな健康や美容のトラブルが起きると考えられています。
このあたりはファスティングにも共通する考え方で、僕がファスティングを何度も行った結果、朝ご飯を食べなくなったのは自然の流れなのかなと考えております。
足し算ではなく、引き算で考える
いつでも、どこでも食べ物が不自由なく手に入れられる現代の日本において、もっとも大切なことは、「食べ過ぎない」ということ。その一番簡単な方法が、”朝だけ断食”です。
(本書 P. 189)
「この食べ物は健康にいいから食べた方がいい」「1日30品目とりましょう」
こういった考え方は、足し算の栄養学です。
しかし、その結果食べ過ぎにつながることがあります。
また、それ以上に見落としてはならないのは、日常的に入ってくる有害物質です。
食品添加物、残留農薬、有害ミネラル、トランス脂肪酸、環境ホルモン。
もちろん、ハッキリと有害と言い切れないものもありますが、健康を害する恐れのあるものはなるべく遠ざけたいもの。
自然なもの、伝統的製法で作られた食べ物は大量生産されたものよりは手に入れるのにお金がかかるかもしれませんが、朝ご飯をなしにすればその分食費が浮きます。
その浮いた分で本物の食材を買い求めることもできます。
まとめ
鶴見先生は酵素栄養学について詳しく、僕も鶴見先生の本で酵素についていろいろと勉強させてもらいました。
その中でこの本は専門知識がない方でもわかりやすく、かつ実践的な内容になっています。
「一日三食食べる」という常識に対して捉え方が広がる一冊です。
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