カテゴリー: 雑記

  • 書評「食べない人たち」 秋山佳胤、森美智代、山田鷹夫 共著

    書評「食べない人たち」 秋山佳胤、森美智代、山田鷹夫 共著

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    僕は仕事でファスティングの指導をしているのですが、よく他の栄養士の方から「断食なんかで健康になれるの?」と懐疑的な目で見られます。

    ただ、そういう人もセミナーに来て話を聞いてもらうと、考えがガラッと変わり「ファスティングっておもしろいですね!」と目を輝かせます。これはファスティングがきちんとした科学的な説明がつくからです。

     

    しかし、世の中には「不食」、つまり食べ物をまったくとらずに生きるという、現代栄養学では全然説明がつかない生活をしている人たちがいます。

    そんな不食を実践している3人が共著で出した本がこちらです。

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    ファスティングの実践者である僕も、この本の内容には度肝を抜かれました。

    人間は本当に何も食べないで生きることが可能なのか?

    それについての詳しい答えが、ここにあります。

    それでは、この本の紹介をしていきましょう。

     

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    食べない人たち

    この本では、3人の不食を実践している人たちがそれぞれ自分の体験や考えを綴られています。

    みんなそれぞれに不食に至った経緯が違っていて、興味深いです。

     

    秋山佳胤さん

    二〇〇八年には、完全に「プラーナ(大気中のエネルギー=「気」と呼ばれるもの)」をとって生きていることに気がつきました。以来、食物も水もまったくいらない、完全な不食を実践しています。

    (本書 P.17より)

     

    秋山さんは弁護士で、さらに医学博士も持たれているという、社会的にも非常に地位の高い方です。そんな秋山さんは食べ物はおろか、水さえも口にせずに健康に毎日過ごされています。

    秋山さんは気功法と出会ったことをきっかけに、「気」の存在に気づき、そこからひょんなご縁で不食を実践しているオーストラリア人のジャスムヒーンさんと出会います。

    そこから徐々に食事を玄米菜食にしたり、一日一食にしたりと変えていくことで、最終的に水さえもとらなくて良い不食の状態になっていたそうです。

     

    その体力は驚異的で、100メートル走を走っても10代の頃より断然早く走れたり、ペルーを旅行した時は標高3050メートルのマチュピチュ山を水も持たずに登り、現地のガイドさえ追い越して頂上に一番乗りしました。

     

    秋山さんは不食を「ずっと楽しんでいる状態です」と答えています。

    それにしても、水さえも口にせずに生きているなんて、栄養学ではまったく説明がつかない事実です。

     

    森美智代さん

    人はいきなり不食はできないけれど、少食に慣れていくと、自然に不食に近づくことはできるのです。

    (本書 P. 100より)

     

    森さんは一日一杯の青汁だけで20年近く過ごしています。そのカロリーはわずか50kcal足らず。

    きっかけは、21歳の時に脊髄小脳変性症という難病にかかったことで、この病気は当時治療法がなく、進行すると小脳が萎縮していき、5〜10年で死に至るという難病です。

    その時、森さんは断食療法の大家である甲田光雄先生のもとで断食を行い、見事にこの病を克服されます。

    しかしその後、また食事を始めると体調が悪くなり、いつしか「食べない方が体調が良い」ということに気づき、不食になったそうです。

     

    この森さんは、Youtubeなどでその姿も見ることができますが、決してガリガリに痩せているわけではありません。

    一日わずか50kcalでなぜ痩せないのか、これもまったく科学では説明がつけられないことです。

     

    山田鷹夫さん

    「人は食べなくても生きることができる」― それを証明するために、私が食べない実験を開始したのは、二〇〇一年の七月のことでした。実をいうと、なぜこんな無謀なことを始めたのか、自分でもわかりません。

    (本書 P. 132より)

     

    この本には具体的にどうすれば不食になれるのかということが詳しく書かれています。

    三人の話によると、不食になるための最初のステップは一日一食を実践することだそうです。

    不食とは体の慣れで、少ない食事に徐々に体が慣れていくことで、いつしか食べ物がなくても生きていける体に変化していくとのこと。

    なので、決して無理をして急にやってはダメで、不食になるまでにはそれ相応の時間がかかります。山田さんは10年ぐらいかけるつもりでやると良いと書いています。

    実際に不食に至ったこの3人の話を聞いていると、この本の通りに実践していけば、「自分もいつか不食になれるのでは」というイメージが持てました。

     

    まとめ

    この本を読んでわかったことが、断食と不食はまったく別物だということ。

     

    一定期間食を断つことで健康になるのが、断食ですが、不食は食べ物を食べないで生きるという生き方です。

    おそらく、不食は特殊な体の構造を生まれ持った人だけでなく、誰でもやろうと思えば到達できるものなのだと思います。

    僕は食べることが好きですし、喜びなので今は不食になりたいとは思いませんが、不食でしか到達できない境地があることは想像できました。

     

    この本の中にはかなりスピリチュアル的なことも書かれていますが、理解できるできないは別として、確かに本人にとってはそういう現実が存在しているのでしょう。

    世の中、不思議なことってあるものです。おもしろいですね。

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    【 関連記事 】

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  • 第28回「8時だョ!栄養士大集合」開催しました!

    第28回「8時だョ!栄養士大集合」開催しました!

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    少し前になりますが、6月20日に第28回「8時だョ!栄養士大集合」を開催しました!

    (参考:「8時だョ!栄養士大集合」とは?)

     

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    今回も40名満員御礼。ありがたいことに開催3週間前には申し込みが満員に達していました。

    初参加の方が7割。お一人で来られている人も多く、僕もたくさんの新しい方と知り合うことができました。

    今回は栄養士が4割ほど。学生さんがたくさん来られていたのが新鮮でした!

     

     

    イベントの中ではハチシューワークショップ(ハチシューは「8時だョ!栄養士大集合」の略称)として、食べ物の食べ比べをしていただきました。

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    ・有機野菜とスーパーの野菜(にんじん、きゅうり)

    ・天然出汁の味噌汁と化学調味料の出汁の味噌汁

    ・伝統製法の醤油と大量生産の醤油

    ・土鍋ごはんと炊飯器ごはん

     

    意外に正答率が低く、「違いはわかるけど、どっちがどっちかわからない」と言った声も。

    お蕎麦屋さんを営んでいる方が味噌汁の飲み比べをされましたが、もちろん正解されていました。さすがプロです。

     

    普段の生活ではなかなか食べ比べなんてしないですし、調味料や食品を安さ手軽さで選択している人も多いと思うのですが、本物の味を知ってもらうことで、食べ物の安全性などといったところにも関心を持ってもらうきっかけになればなと思って企画しました。

     

    チーム戦だったので、盛り上がりました!

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    優勝チームには、これからの季節、冷奴やお刺身がさらに美味しくなる絶品柚子胡椒をプレゼント。

     

    料理の方は、食欲が低下しがちなこれからの季節に取り入れたい、「薬味や香りのものをとりいれた食欲増進メニュー」を提供させていただきました。

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    最後は皆さんに「八(ハチ)」のポーズをしていただき、記念撮影。

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    皆さんのおかげでとっても楽しい夜を過ごすことができました〜!

     

    来月は7月25日の開催です(詳細はこちら)。

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    皆さんのご参加、お待ちしております!!

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  • 東京MX「バラいろダンディ」出演しました!

    東京MX「バラいろダンディ」出演しました!

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    昨日放送の東京MX「バラいろダンディ」という番組にVTR出演させていただきました。

     

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    テレビから自分の声が聞こえてくるというのは慣れないものです(^_^;)

     

    VTRでは、東北大学の「年収1000万以上のビジネスパーソンの8割以上は朝ごはんを食べる習慣がある」という研究を紹介しました。

    朝ごはんをとることが直接的に脳や身体にとっていい作用をもたらすのかどうかはハッキリとは言えないと思いますが、朝ごはんをとる人は規則正しい生活をしていたり、朝の時間を有効活用できていたりといった傾向があるのだと考えます。

     

    ちなみに僕は毎朝何を食べているかというと、酵素ドリンクとフルーツを少しです。

    日によってお腹が空いていればもう少し食べたりもします。

     

    朝ごはんに関しては、過去にこちらの記事でも紹介しましたが、

    絶対的に3食がイイとか、朝ごはんは摂らないほうがいいとかいうことではなく、個々人の個人差もあるため、自分の体が一番調子が良いと感じる習慣を探していくことが大切ですね。

     

    なんでも決めてかからないこと、常識を疑う心を持っていたいものです。

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    【 関連記事 】

    ※ 一日三食は誰が決めた?健康のためには一日●食がベスト

    ※ こんなにメリットがあった!やっぱり朝ごはんはとったほうがいい5つの理由

    ※ 「食べないダイエット」ファスティングが苦行というのはウソ?! あなたもすぐできる「ゆる断食」

  • 書評 「新農薬ネオニコチノイドが日本を脅かす」 水野玲子

    書評 「新農薬ネオニコチノイドが日本を脅かす」 水野玲子

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    「ネオニコチノイド」

    その言葉を初めて聞いたのは、2年ほど前になんとなく参加した、とあるハチミツのイベントでのことでした。

     

    「農薬によってミツバチが大量死している」

    最初その話を聞いた時は、「まあ害虫を殺すための農薬だから多少は死ぬんだろうな」と思っていたのですが、その養蜂家の話を聞くに連れて事態の深刻さに背筋が寒くなりました。

     

    それから時が経ち、ファスティングを広める活動をする中で”農薬”というテーマは避けて通れないトピックになりました。

    そこで手にとったのが本書です。

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    早速紹介していきましょう。

     

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    新農薬 ネオニコチノイドが日本を脅かす

    地球の胃袋はミツバチに支えられている

    ミツバチは野菜や果物などの受粉の助けをして、作物を結実させるポリネーター(花粉媒介者)だ。目にみえない彼らの働きのお蔭で、スーパーに行けばいつでもミカンやイチゴを私たちは入手できる。

    (本書 P. 24より)

     

    ミツバチと聞くと、たいていの人が思い浮かべる人間にとっての価値といえば、ハチミツを作ってくれることではないでしょうか。

    しかし、実はミツバチたちは花から花へと飛び移り、花粉を集める時に野菜や果物の受粉という非常に大事な役目を果たしています。

     

    そんなミツバチですが、最近、日本を含めた世界中で「CCD(蜂群崩壊症候群)」と呼ばれる、大量死するという現象が起きています。

    この現象は1990年代半ばからヨーロッパで確認され、国連食糧農業機構(FAO)の2009年の調査によると、ミツバチは1961年〜2007年の間に北米で約50%、ヨーロッパで約25%も減少したことがわかっています。

    日本でも、毎年少なくとも約2億匹のミツバチが姿を消していると言われています。

     

    新農薬ネオニコチノイドがミツバチ大量死の原因

    ミツバチの免疫力を低下させて、病気に対する抵抗力を奪ってしまう新農薬にこそ、本当の原因があったのだ。

    (本書 P. 83)

     

    そんな世界中でミツバチが大量死するという不可解な現象の原因になっていると考えられているものが、”ネオニコチノイド系”と呼ばれる農薬です。

     

    このネオニコチノイド系農薬は、70年〜80年代に主流だった有機リン系農薬に代わり、90年代に登場した新しい農薬で、「有機リン系よりよく効く」ということで瞬く間に世界の農薬マーケットを席巻しました。

    しかし、2011年1月20日にイギリスの新聞社によって、アメリカの農務省のミツバチ研究所らが「ネオニコチノイド系農薬であるイミダクロプリドがミツバチの病気への抵抗力を大幅に低下させる」という2年前の研究結果を隠蔽していたことが暴露され、事態は明るみになります。

     

    その後、フランスがいち早く再実験を行い、あらためてネオニコチノイド系農薬がミツバチに対して深刻な害をもたらすことを検証することに成功します。

    この検証結果は世界に衝撃を与え、波紋が広がります。EUでは2013年2月にネオニコチノイド農薬の使用中止を勧告、アメリカも2015年4月にネオニコチノイド系農薬の新規使用を禁止するなど続々と規制強化の流れが起きています。

    (参考:  「ミツバチ大量死の原因?米で一部農薬の新規使用禁止」 – 朝日新聞)

     

    「世界中」という言葉を使いましたが、世界の流れとは逆の流れが起きている国があります。

    そう、ここ日本です。

     

    封印される農薬説、日本

    世界ではネオニコチノイド系農薬がミツバチの大量死の原因であり、規制すべきだというのが当たり前なのですが、日本ではこの”農薬説”が認められていません。

    日本の専門家は「ミツバチ大量死の原因は、ストレス、地球温暖化、栄養失調、ウイルスなど、さまざまな要因が絡み合っており、農薬はその中の一つの原因でしかない。よって農薬を規制したところでミツバチ大量死はなくならない」との姿勢を崩していません。

     

    そしてなんと信じられないことに、世界では使用禁止の流れに動いているネオニコチノイド系農薬は2015年4月に規制が緩和されました。

    (参考:  「厚労省、ネオニコチノイド系農薬の食品残留基準を緩和」 – Yahoo!ニュース)

     

    「農薬」というと中国の冷凍ギョウザの事件や、アメリカの農地で飛行機による農薬散布の映像などが焼き付いており、なんとなく日本は海外に比べると安全というイメージがあります。

    しかし、日本は最近まで世界一の農薬使用大国でした(現在は2008年に韓国に抜かれて二位)。

    実は日本の農業では世界トップクラスの量の農薬が使われ、私たちはそれを知らず知らずのうちに、せっせと摂取しているのです。

     

     

    まとめ

    この本で驚いたのはなんといっても海外と日本の農薬に対しての対応の違いです。

    フランスなどではネオニコチノイドの規制にあたり、逆に有機農業を行う農地面積を3倍に増やすなどの目標を設定し、国を上げて地球と人間に優しい農業へと改善に動いているのです。

     

    そして何より危惧すべきはこういった状況について僕たち日本人のほとんどはまったく知らないということです。

    本書に記載がありますが、農薬の問題は決してミツバチだけに留まる話ではなく、人間の健康状態にも害を及ぼすのです。ハチごとでは済まされません。

     

    食や健康について伝える立場の栄養士も農薬についての知識は必須だと痛感しましたし、これからももっともっと勉強していってこういった情報をたくさんの人に伝えていかないとという思いを強くした一冊でした。

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    【 合わせて読みたい 】

    ※ 結婚を機にファスティング「ブライダルファスティング」で体をキレイに

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  • 書評 「不自然な食べものはいらない」 内海聡・野口勲・岡本よりたか

    書評 「不自然な食べものはいらない」 内海聡・野口勲・岡本よりたか

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    なぜ現代にはこれほど病気や体・心の不調を訴える人が多いのか。

    「食生活の変化が大きな原因だ」というのはよく言われていますが、では具体的にどういった変化が問題かと聞くと「カロリー(糖質)のとり過ぎ」「ビタミン、ミネラルなどの不足」といった答えが返ってきます。

    より詳しく勉強している人だと、それに加えて「食品添加物」や「トランス脂肪酸」などがあがってきます。

     

    しかし、実は現代に渦巻く食の問題はもっともっとさかのぼって考える必要があります。

    普段とっている栄養素を、摂取するもとである野菜や果物、穀物、肉などは人が栽培、飼育したものであり、それらがどうやって作られているのか、そしてその世界に今どういったことが起きているのかを知らないと上辺の栄養学だけ学んでも役に立たないのです。

     

    この本のテーマは「農業」で、「種(作物の)」と「次世代」について、医師の内海先生と、農家・環境活動家の野口氏、岡本氏の三人による鼎談の様子がまとめられています。

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    それでは早速紹介していきましょう。

     

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    不自然な食べものはいらない

    あなたも毎日食べている!遺伝子組み換え食品

    GMO作物の全体の輸入量はすでに2000万トンを超えています。ちなみに、日本国内で、お米の生産量は約800万トンなので、これはお米の2倍を超える量です。

    (本書 P.21)

    つまり直接ではないんだけれど、ほとんどの日本人は毎日のようにGMO食品をたくさん食べているでしょう。

    (本書 P.31)

     

    遺伝子組み換え(GMO)作物とは、アメリカで開発されたもので、遺伝子的な操作により、農家が楽に作物を作れるように改変した種のこと。

    たとえば、虫が食わないように、作物自体に殺虫成分を持たせたりしています。

    この技術により、農家は虫食いを防いだり、雑草を取る手間が省けたりするなどの恩恵を受けています。

     

    気になる安全性ですが、危険性が指摘されており、「ガン」「アレルギー」「不妊」がGMO食品3大障害と言われています。

    アメリカでGMO技術が認可される際に安全性の試験は行われているのですが、あまりにもずさんとしか言いようがありません。逆に危険性を証明するような研究結果もその後発表されています(詳しくは本書参照)。

     

    「遺伝子組み換え食品」と聞くと「どこか遠い海の向こうの国のこと」と他人事のように捉えている日本人は多いですが、まったくそんなことはなく、日本人もバリバリ毎日遺伝子組み換え食品を食べています。

    ちょっと詳しい人だと「日本には遺伝子組み換え作物を使っている食品に対しての表示義務があるのでは?」と思うかもしれませんが、そんなものはあってないようなもので、うまい具合に法律が作られており、気づかない形で遺伝子組み換え食品が使われています。

    長くなるので詳述は避けますが、詳しく知りたいという方はぜひ本書を読んでみてください。

     

    普段食べている野菜は、ヘンな種から作られている

    現在の店頭に並んでいるカブやダイコンは、ほとんどが「F1種」と呼ばれる「交配種」です。

    F1種の種は、次世代からは親と同じ野菜はできずに姿形がムチャクチャな異品種ばかりになってしまいます。このため、F1は一代限りで、農家は毎年、新しい種を買わないと同じ野菜を栽培できません。

    (本書 P.64)

     

    今僕たちが普通にスーパーで買う野菜は”F1種”という種から育てられた野菜です。

    昔からある種である”固定種(在来種)”は生育速度も大きさもバラバラになるため、効率的に栽培、出荷するのに向いていません。

    そのため、F1種という人工的に掛け合わされた種が使われているのですが、このF1種は固定種より味が落ちます。なので昔の野菜を知っている高齢者の方は「今の野菜は美味しくなくなった」と言います。

     

    また、F1種は自分で種を作る能力を失った”不妊の種”がほとんどで、そんな種から育った野菜を食べることで人間の不妊にもつながっているのではないかと本書では語られています。

     

    私たち消費者にできることとは

    消費者のNOという声が、生産者、お店、外食産業といった食べ物にかかわる人々を動かしていきます。

    (本書 P.154)

     

    本書では遺伝子組み換え食品や不妊の種であるF1種がどれだけ広まって食品市場を席巻しているかが現場に精通しているプロたちの言葉からリアルに伝わってきます。

    問題の根源は、一般の人がこういった今起きている問題を知らないこと。

    一般の人どころか、栄養の専門家であるはずの栄養士ですらほとんど知りません。さらには、農家さんですら知らない人が多いと本書では語られています。

     

    「知らないのだから好き勝手やっても構わない」という気持ちが大企業にあるのだと思います。

    知識のある人からしたら「こんなもの食べられるか!」というものでも知識のない人たちが「安い」「便利」と喜んで買ってくれるのでドカドカ利益が出て、それを使ってさらに体に悪い食べ物を開発していくという悪循環。

    それでいて国は「予防医療を推進する!」なんて言っているのだから、もはや喜劇です。

     

    しかし、希望はあります。それは消費者である我々が声をあげること。

    実際にアメリカでは消費者の「NO」という声により、トランス脂肪酸の規制が作られたり、大手食品メーカー、チェーン店が添加物の使用を控えるなどのアクションを起こしています。

    日本人も少しはアメリカ人の爪の垢でも煎じて飲むべきです。

     

     

    遺伝子組み換えや種となると、難しそうというイメージを抱きがちですが、本書は三人の専門家による対談方式なので、とても読みやすく、それぞれの人柄も伝わってきて一気に読めました。

    こういった方面にまったく知識がない人が最初に手に取る一冊としてオススメです。

     

    最近は勉強になるだけでなく、新たな気づきを得たり、心を動かされる良書に出会うことが多い。この本も今年読んだ中でトップ3に入るぐらいのいい本でした。

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    【関連エントリ】

    ※ あなたが知らない 遺伝子組み換えのすべて

    ※ 書評「なにを食べたらいいの?」安部司

     

  • 書評 「小麦は食べるな!」 ウィリアム・デイビス(白澤卓二[訳])

    書評 「小麦は食べるな!」 ウィリアム・デイビス(白澤卓二[訳])

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    すっかり糖質制限という考え方が広まり、糖質は悪者扱いされるようになりました。

    この本も、一見するとそういう糖質制限の食事に関する本に見えますが、そうではありません。

    本書は糖質の中でも「小麦」に焦点を当て、いかに小麦が体に悪いかという一点について書かれた一冊です。

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    著者はアメリカの医師のウィリアム氏で、この本は全米・カナダで130万部を突破する大ベストセラーになっています。

     

    もうとにかく最初から最後まで小麦を集中攻撃です。

    アメリカン・ジョークをふんだんに織り込みながら(省略すれば半分で書けたのでは?笑)、小麦をボロカスに言っています。

    しかし、彼の話は決して根拠の無いものではなく、科学的な根拠と、ウィリアム氏の患者の治療実績に根ざしたものでした。

    それでは紹介していきましょう。

     

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    小麦は食べるな!

    今食べられている小麦は、かつての小麦ではない

    現代の小麦はわたしたちの祖先が日々のパンのために粉にしていた穀物とは違います。自然環境では何世紀もの間にわずかしか進化しなかった小麦は、ここ50年間に農業科学によって劇的に変化を遂げました。

    本書 P.31

     

    より病原菌や日照りに強い種。より早く、より多くの収穫量が得られる種。

    そんな理想の品種を求め、人類は小麦の品種改良を進めてきました。

    さらには遺伝子組み換え(GM)技術が開発され、それまで以上に思いのままの理想的な小麦を作ることができるようになったのです。

    しかし、その結果、グルテン含量とその構造の変化、酵素やタンパク質の変化など、小麦の性質に思わぬ影響が出てきてしまいました。

     

     

     

    小麦はドラッグと同じぐらい危険?

    小麦は消化されてモルヒネ様化合物が生じ、脳のオピオイド受容体と結合します。その結果、報酬として穏やかな多幸感が生まれます。その作用が遮断されたり、エクソルフィンを生み出す食品を摂取しなかったりすると、ひどく不快な禁断症状を覚える人もいます。

    本書 P. 71

    小麦は太るだけでなく、ドラッグのヘロインのように依存性を高めると筆者は指摘しています。

     

    一見すると理解できないことのように思えますが、国立衛生研究所の研究で、小麦の主要蛋白のグルテンを疑似消化させたものをラットに投与したところ、それは血液脳関門を通りぬけ、脳に達し、さらにはモルヒネ受容体と結びつくということがわかりました。

    この小麦のグルテンを消化してできた物質のことを”エクソルフィン”と呼んでいます。

    このエクソルフィンの作用により、小麦は食欲増進剤として働くことが書かれています。

     

    隠れセリアック病の可能性

    セリアック病に対する医師の理解が足りない上に、この病気には独特な症状(たとえば、腸症状ではなく、倦怠感や偏頭痛)が多いため、症状が出てから診断が下されるまでに平均で11年かかっています。そのため、セリアック病の診断がつくころには、長年の栄養吸収力低下によって深刻な栄養失調状態になっている可能性があります。

    本書 P.93

     

    セリアック病とは、小麦に対するアレルギーのようなもので、小腸の細胞が破壊され、栄養が吸収できなくなってしまう病気です。アメリカでは人口の約1%が持っているといいます。

    そしてウィリアム氏は正式にセリアック病と診断されなくても、いわゆる”隠れセリアック病”のような人がたくさんいて、それがいろいろな病気や体の不調に繋がっていると指摘しています。

    日本でも患者が多い過敏性腸症候群(IBS)もセリアック病の軽度の症状だとしています。

     

    どんな食事をとればいいか

    まずは小麦を断つことが第一ステップです。第二ステップは、小麦を経った分のわずかなカロリーを埋めるための適切な商品を見つけることです。

    本書 P.237

     

    本書で勧められている食事は、当然予想されるように「小麦を断つこと」です。

    それは、小麦がたとえ健康そうなイメージのある全粒粉であっても関係ありません。

    そしてウィリアム氏は、米も小麦ほどではないがとらない方が良いとし、最終的には糖質をとらないような食生活を推奨しています。

     

     

    ウィリアム氏の主張は一貫しています。

    「健康になりたかったらとにかく小麦を避けろ」。

    1ページ目からラストまで、小麦のいいところは一つも出てきません。

     

    そして、「小麦を減らす」のではなく、「完全に食事から除去しよう」と呼びかけている点もハッキリとした主張です。

    あまりにも小麦の危険性をうたっているため、おそらく読み終わった後は誰しも小麦を食べることに躊躇すると思います。

     

    なかなかショッキングな内容でしたが、現代の小麦が昔の小麦とは違い、遺伝子的な操作を受けて性質が変わってしまっているということは印象に残りました。

    遺伝子組み換えの影響は小麦だけにとどまらず、考えると恐ろしいものがあります。

     

    わりに専門的な用語も多い本なので、栄養学の面の知識のある方にはオススメです。

    文章の端々から、アメリカ国民の健康意識の高さが伺えるようなところもおもしろかったです。

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