タグ: 和食

  • 栄養士も知らない?アメリカに和食が認められた驚きのマクガバンレポートとは

    栄養士も知らない?アメリカに和食が認められた驚きのマクガバンレポートとは

    20161009_4711

    こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。

    (初めての方は、こちらからどうぞ

     

    最近、なかなかブログまで手が回っていないのですが、

    少しまとまった時間が取れたので、書きたかったネタを書きたいと思います。

     

    今回取り上げるのは「マクガバンレポート」です。

    この名前を聞いたことがあるでしょうか。

     

    栄養の専門家としてはぜひとも知っておきたい内容なのですが、

    僕は社会人になってしばらく経つまでこのレポートの存在を聞いたことすらありませんでした。

     

    というのも、学校では習わないからです(今はどうかわかりませんが)。

    こちらのレポート、専門家はもちろん、そうでない方にもぜひぜひ知ってほしい内容です。

     

    そこで今回は、このマクガバンレポートについてわかりやすくご紹介をしていきたいと思います。

     

    [adsense]

     

    栄養士も知らない驚きのマクガバンレポート 和食がアメリカに認められた日

    マクガバンレポートって何?

    マクガバンレポートは、1977年にアメリカ政府が発表した公式文書です。

     

    内容は、当時アメリカで蔓延していた心臓病をはじめとする疾患(今で言う生活習慣病)の原因を分析したもの。

     

    このレポートの特徴は何と言っても、莫大なお金と人員がかけられていることで、

    当時のお金で数千万ドル、そして研究者や科学者3000人を使って徹底的に調べ上げています。

     

    七年にも及んだとされるこの調査の結果できたレポートは、なんと5000ページにも及びます。

    まずは内容に触れる前に、なぜアメリカがここまでしてこの調査をしたのかという背景をお話しましょう。

     

    心臓病の増加で財政難に陥っていた

    1970年代のアメリカは、まさに世界の覇者としてその栄光をほしいままにしていました。

    当時のソ連に先んじて、人類初の月面着陸も果たし、その科学技術の権勢は強固なものでした。

     

    しかし、そんなアメリカが頭を悩ませていたことが一つありました。

    それが、増加し続ける心臓病です。

     

    当時のアメリカの死因の第一位は心臓病で、働き盛りの中年層がバタバタと心臓病で亡くなっていました。

     

    それに伴い、医療費も膨張を続け、国の財政を圧迫するまでになっていました。

     

    当時のニクソン大統領は「これは何とかしないとまずい」と医療の世界でも革新へと乗り出すのでした。

     

    この状況は医療では太刀打ちできない

    まずアメリカが行ったのが治療技術の改善です。

    当時の科学、医療の技術をさらに高めるため、投資をします。

     

    しかし、一向に成果が上がることはありませんでした。

    そんな追い込まれたアメリカが立ち上げたのが「栄養問題特別委員会」です。

     

    マクガバンという、当時の時期大統領候補の呼び声も高かった大物を委員長に据え、

    マクガバンレポートの作成を命じます。

     

    アメリカが増加の一途をたどる生活習慣病に歯止めをかけるべく、本気を出したのがマクガバンレポートです。

     

    では、次でいよいよその内容をつまびらかにしていきましょう。

     

    マクガバンレポートの驚きの内容とは

    病気は食事によっても引き起こされる

    今でさえ、食べ過ぎや栄養の偏りが病気を誘発することは常識になっています。

    しかし、当時の世界では病気は病原菌が引き起こすものだとされていました。

     

    そんな常識に風穴を開けたのがこのマクガバンレポートです。

     

    マクガバンレポートは、世界で初めて「病気は食事や栄養の偏りによっても引き起こされる」と認めた公式文書だとされています。

     

    このレポートの中では、世界中に調査員を派遣し、

    食生活と健康状態の関係を徹底的に調査しています。

     

    最も理想的な食事は日本の食事である

    このレポートの中では、世界でもっとも健康的で理想的な食事についても記載があります。

    それがなんと、他でもない私たち日本の食生活なのです。

     

    これをきっかけに、アメリカでは和食ブームが起きたり、

    和食をもとにしたマクロビオティックがアメリカで流行るのもこの後です。

     

    しかし、ここで誤解してはいけないのは、

    ここで言われている和食とは、現代の日本の食生活のことを指しているわけではありません

     

    このレポートの中では「元禄時代以前の日本人の食事」と書かれているのです。

     

    まず、過去にさかのぼってまで、よく調べたな…と驚くのですが、

    なぜ元禄時代以前なのでしょうか。

     

    白米を常食するようになった江戸時代

    元禄時代とは、1688〜1704年にあたり、

    井原西鶴や松尾芭蕉が活躍したり、赤穂浪士が討ち入りを果たした頃です。

     

    マクガバンレポートによると、この頃の日本人の食生活は

    精白しない穀類を主食とし、季節の野菜や海藻類、それに小さな魚介類を摂っていた」とあります。

     

    そう、江戸時代も後期になると精米技術が向上し、都市部では白米を食べるのが多くなります。

    その結果、ビタミンB1不足が起き、江戸患い(今でいう脚気)にかかる人が増えます。

     

    ちなみに、これは明治時代の日清・日露戦争の時まで解決することなく日本人を悩ませます。

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-398/”]

     

    精米することにより、糠や胚芽に含まれていたビタミン、ミネラル、食物繊維などが削ぎ落とされてしまいました

    なので、マクガバンレポートではそれ以前の日本人の食事が良いと書かれているのです。

     

    医師に栄養教育を強化

    さらにアメリカがスゴかったのは、これを受けて医師に栄養学の教育を施すことを強化させます。

     

    当時のアメリカでは医師に対して栄養学はほとんど教えられておらず、

    医療の主役である医師が、栄養学の知識を持ち合わせていないという状況がありました。

     

    しかし、マクガバンレポートで食の重要性が浮き彫りになったため、医師へも栄養学を教えようという流れになったのです。

     

    これにより、アメリカでは医師も栄養学をきちんと勉強するようになったため、

    世界の中でも予防医学が進んだ国へと変身していきます

     

    ちなみに、日本では今でも医師へはほとんど栄養学は教えられていないようで、

    僕が病院で働いている時も、栄養について勉強している医師は稀でした。

     

    おまけの後日談…

    ちなみに、マクガバン上院議員はマクガバンレポートを発表後にその続編となる「第二のマクガバンレポート」なるものを発表しようとしますが、

    その中で「肉食はガンを引き起こす」と報告したため、食肉業界や畜産業界から強烈な圧力をかけられます

     

    挙句には、これが原因で大統領になることができなかったと言われています。

    業界の圧力は恐ろしいものですね。

    [amazonjs asin=”4901423142″ locale=”JP” title=”葬られた「第二のマクガバン報告」(上巻)”]

     

    まとめ

    皮肉なのは、当の日本では戦後一気に食の欧米化が進み、

    マクガバンレポートで褒めちぎられていた食生活とは程遠い食生活を送っているということです。

     

    戦後の食糧難を救ってくれたとはいえ、パンを食べるように仕組まれたという見方もできる悲しい過去です。

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-380/”]

     

    このマクガバンレポートが栄養士の教育の教科書に載れば、もっと日本の伝統食に注目する栄養士が増えて日本の食事も良さを取り戻すのではないかと思うのですが。

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-2727/”]

  • 【保存版】これだけ覚えれば大丈夫!自宅でのカンタン天然出汁のとり方と料理への活用いろは

    【保存版】これだけ覚えれば大丈夫!自宅でのカンタン天然出汁のとり方と料理への活用いろは

    csk_omisoshirutokidokimesi_tp_v

    こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。

    (初めてのかたは、こちらからどうぞ

     

    皆さんは、普段家で料理する時に出汁をひいていますか?

     

    現代では顆粒出汁で済ませている人も多いですが、

    やはり天然の出汁には人口では出せない香りの良さと健康効果があります

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-3678/”]

     

    でも出汁をひくのって面倒だし、手間がかかりそう…

    そんな声が聞こえてきそうですが、決してそんなことはありません

     

    僕は家に顆粒出汁は置いておらず、毎回出汁を引いて料理をしています。

    それが出来ている理由は、手間いらずでカンタンにできる出汁の引き方を実践しているからです。

     

    そこで今回は、自宅でも簡単に天然出汁が引けてしまうやり方と、料理への活用法をご紹介していきたいと思います。

     

    [adsense]

     

    これだけ覚えれば大丈夫!自宅でのカンタン天然出汁のとり方と料理への活用の基本

    出汁の種類

    まずは、いろいろな出汁の種類を見ていきましょう。

     

    一、昆布出汁

    北海道で獲れた昆布を使った出汁です。

    昆布には、グルタミン酸というアミノ酸系のうまみ成分が含まれています。

     

    昆布出汁は引くのに少し時間がかかるところが難点ですが、

    前もって準備しておけば放っておくだけで出汁が引けるという利点も持っています。

     

    二、鰹(かつお)出汁

    世界一硬い食品と言われる鰹節を削った削り節で引いた出汁です。

    ちなみに、世界一硬いのは枯節(かれぶし)と呼ばれる発酵させた鰹節で、全流通量の一割以下しか出回っていません。

     

    主な生産地は鹿児島、静岡、高知。

     

    鰹節のうま味は、イノシン酸という核酸系の成分です。

    昆布のグルタミン酸と合わさるとうま味が七〜八倍にもなり、脅威のうまさを発揮してくれます。

     

    三、いりこ(煮干し)出汁

    主に鰯(いわし)を乾燥させたものを使って出汁を引きます。

     

    うまみ成分は鰹節と同じイノシン酸ですが、鰹節に比べて魚の香りが前面に出てコクのある出汁が引けます。

     

    四、干し椎茸の出汁

    干し椎茸からも出汁が出ます。

     

    きのこにはグアニル酸という核酸系のうまみ成分が含まれており、

    椎茸を乾燥させることで、このうま味が凝縮されます。

     

    グアニル酸は核酸系なので、昆布出汁のグルタミン酸(アミノ酸系)と組み合わせることでうま味が増します

    確かに、椎茸と昆布の佃煮は美味しいですよね。

     

    五、貝類の出汁

    アサリやハマグリ、シジミなどの貝類にはコハク酸といううまみ成分が入っています。

    なので、これらのお吸い物や味噌汁を作る時は出汁を使わずとも美味しい一品が出来上がります。

     

    それぞれの出汁の引き方

    それでは、ここからはそれぞれの食材を使った出汁のカンタンな引き方を見ていきましょう。

     

    出汁の引き方にはいろんな方法がありますし、あくまで家庭用のやり方ですので、これが絶対ではありません。

     

    一、昆布出汁

    昆布出汁の引き方は二種類あります。

    それが、水出しと煮出しです。

     

    昆布のうま味は六十〜八十℃でよく溶け出しますが、それより低温であっても少しずつ出ていきます。

     

    水出し

    一、昆布の表面を濡らして絞ったふきんで拭く(僕は面倒なのでやりません。軽く指で汚れを払う程度)。

    二、水一リットルに対して昆布三十グラムぐらいを入れ、六〜八時間程度置き、昆布を取り出して完成。

     

    煮出し

    img_5010

    一、水出しと同じように昆布を拭く。

    二、水一リットルに昆布二十グラムぐらい(煮出しの場合は出汁が出やすいので、水出しより少なめで良い)を入れ、一時間程度置く(僕は時間ない時は十五分ぐらい置いて火にかけちゃいます)。

    三、弱火でじっくり加熱する。沸騰する前に昆布を出す。

     

    二、鰹出汁

    鰹節は百度近く一分で良く溶け出します

    なので、水ではなく、お湯で出汁を引くのです。

     

    鰹節を使った出汁の引き方

    一、鍋に湯を沸かす。

    二、沸騰したら鰹節を適量入れる(計ったことないですが、目安は水一リットルに対して鰹節三十グラム程度らしい)。

    img_5029

    三、一分待って火を止める。さらに一分程度待つ。

    四、本来はここで鰹節をサラシで濾したりするのですが、面倒なので、目立つ鰹節だけ箸でつまんで取っています。

    img_5031

     

    後の鰹節は栄養分として具材と一緒にいただいちゃいます。

    img_5032

     

    三、合わせ出汁

    合わせ出汁とは、昆布出汁と鰹出汁を合わせたものです。

    うまみ成分の相乗効果で、びっくりするぐらい美味しい出汁が引けます。

     

    やり方は一言でいうと、昆布出汁を引いたものを使って鰹出汁を引くような感じです。

     

    合わせ出しの引き方

    一、水出し、または煮出しで昆布出汁を引く。

    二、沸騰させた一に鰹節を投入し、一〜二分煮る。

    三、ちょこちょこっと鰹節を箸でつまみ出して完成。

     

    四、いりこ出汁

    いりこは水から入れて、煮出していきます

     

    煮干し粉といって、いりこを削ったものも売られています。

    [amazonjs asin=”B00KHEAM3O” locale=”JP” title=”完全無添加 長崎煮干しのお手軽粉末100g”]

     

    これだと、沸騰したお湯にさじですくって入れるだけでできるのでさらにお手軽。

     

    いりこ出汁の引き方

    一、いりこの頭とはらわたを手で外す。

    二、水にいりこを入れて三十分ほど置き(時間のない時は十分ぐらいだけにしています)加熱する(だいたい水一リットルに対していりこ十尾程度)。

    三、少し沸騰させたら完成。

     

    各種出汁の料理への活用法

    それでは次に、出汁をどう料理に使っていくかを見ていきましょう。

    といっても、これは好みの問題もあるので、あくまで一意見としてとらえてくださいね。

     

    うま味成分の特徴をおさえる

    まず知っておきたいのが、うま味成分の掛け合わせ方です。

     

    先ほどもお話しましたが、うま味成分にはいくつか種類があります。

    そして、これらは「アミノ酸系」と「核酸系」に分かれます。

     

    これを整理すると、次のようになります。

     

    • 昆布出汁 = グルタミン酸 = アミノ酸系
    • 鰹出汁 = イノシン酸 = 核酸系
    • いりこ出汁 = イノシン酸 = 核酸系

     

    この、アミノ酸系と核酸系を掛け合わせると、相乗効果といって、うま味が七〜八倍になります

     

    そして、これらのうま味は何も昆布や鰹節だけでなく、その他の食べものにも含まれています

    どんな食べものにどのうま味が含まれているのかは、ざっくり次のように覚えましょう。

     

    動物性食材 = イノシン酸

    植物性食材 = グルタミン酸

     

    たとえば、味噌汁に使う出汁以外の食材を見ると、

    味噌や豆腐、野菜や海藻など、すべて植物性、つまりグルタミン酸がうま味として多いことがわかります。

     

    よって、味噌汁の出汁にはイノシン酸が多い鰹出汁やいりこ出汁が適していると言えます。

    出汁にイノシン酸があると、味噌や具材に含まれているグルタミン酸と相乗効果を起こし、うま味が増すからです。

     

    ですので、グルタミン酸同士の掛け合わせになってしまう昆布出汁だけで味噌汁を作ることはあまりやっていません。

     

    煮物なども野菜を使うことが多いので、鰹出汁やいりこ出汁を気分で変えて使います。

    逆に、肉じゃがのように動物性のうま味が入る場合は昆布出汁が適しています。

     

    必ずしも出汁を使う必要はない

    よく和食の煮物のレシピなどを見ると出汁が使われていますが、

    別に無理して出汁を使わなくても料理はできます

     

    そもそも、家庭で出汁を引き始めたのは明治以降と言われており、

    昭和に入る頃までは出汁は贅沢品でした。

     

    確かに出汁を使って煮物を使うと美味しくできます。

    でも、出汁じゃなくて水を使っても料理はできるんです。

     

    それこそ味噌汁だって、具をたくさん入れたり、きのこやごぼうなどうま味や香りの良いものを入れれば、

    出汁がなくったって、美味しい味噌汁ができます

     

    僕が普段の家での料理(それがしごはん)で出汁をどうしているかというと、

     

    • 「よ〜し、今日はしっかり料理するぞ〜!」 ⇒ 合わせ出汁を引く
    • 「昆布出汁取ってる時間ねえや」 ⇒ 鰹出汁かいりこ出汁
    • 「ちょっともう今日はササッと作りたい」 ⇒ 出汁使わないで水を使う

    みたいな感じで使い分けています。

     

    正直、質の良くない顆粒出汁を使うぐらいなら、もう出汁じゃなくて水で料理した方が良いと思います。

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-2905/”]

     

    まとめ

    いかがだったでしょうか。

    コツさえ掴んで慣れれば、顆粒出汁と同じ手間で格段に美味しく健康的な天然出汁が引けます

     

    家庭料理なので、料理人のように細かいことにこだわる必要はありません。

    試行錯誤して、自分なりの出汁の使い方を探求していきましょう。

    [amazonjs asin=”B01IJL50UQ” locale=”JP” title=”二年かけて作ったかつおぶし 本枯本節二年物 【3g×10袋】×3パック”]

    [amazonjs asin=”B008S56MBK” locale=”JP” title=”「羅臼・利尻・日高昆布 セット」北海道昆布ZANMAI(出し昆布)”]

  • 毎日和食を食べる僕が「ササニシキ」を選ぶ理由 “幻のお米”の魅力を紹介

    毎日和食を食べる僕が「ササニシキ」を選ぶ理由 “幻のお米”の魅力を紹介

    yosx8178_tp_v

    こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。

    (はじめてのかたは、こちらからどうぞ

     

    突然ですが皆さん、お米食べてますか?

    そして、お気に入りの銘柄はありますか?

     

    僕は大のササニシキ好きです。

    毎回お米を注文する時はササニシキ(本当は古代米の朝日が食べたいのですが、なかなかないので)を選んでいます。

     

    「ササニシキなんて聞いたことないよ」という人もいるかもしれませんが、

    かつてはコシヒカリと並んで、二代横綱として君臨していた品種です。

     

    今回はそんなササニシキの魅力を紐解いていきたいと思います。

     

    [adsense]

     

    幻のお米「ササニシキ」を食べよう!その知られざる魅力を語ります

    かつては大量に作られたいたが、今では幻のお米に…

    先ほどもお話しましたが、ササニシキはかつては盛んに作られていた品種です。

    作付け面積も、コシヒカリに次ぐ第二位だった時期もあります

     

    しかし、風雨に弱く、病気にもかかりやすいという特徴を持っており、育てるのが難しい品種でもありました。

    そして平成五年の大冷害において壊滅的な被害を受けたのをきっかけに、農家さんがもっと簡単に栽培できる品種に鞍替えしてしまったのです。

     

    その結果、最盛期は二十万ヘクタールあった農地も三千ヘクタールにまで激減してしまいました。

     

    今ではこだわって仕入れているお米屋さんか、ネット通販ぐらいでしか手に入らないようになっている、

    まさに”幻のお米“と呼ばれるようになっています。

     

    ササニシキのここが好き!

    飽きがこないあっさり感

    ここ最近は「甘くてもっちり」しているお米が大人気です。

     

    コシヒカリもそうですし、

    最近では「ゆめぴりか」「ミルキークイーン」などの、より甘々モチモチを追求して品種改良されたお米がウケています。

     

    しかし、僕はこの流れに疑問を感じています。

     

     

    昔のお米はみんなあっさり系でした

     

    ごはんは主食です。毎日、毎食食べるものです。

     

    そのごはんの味が濃かったり甘味が強かったりするとくどくて飽きてしまいます

    また、お米の味が強すぎると、おかずの味と喧嘩してしまうでしょう。

     

    では、なぜ日本人の嗜好が変わってしまったのか。

    これは食の欧米化が影響していると思います。

     

    かつてはほとんどなかった動物性の濃厚な旨味に慣れ、

    味付け自体が濃くなったこととも相まって、強いおかずの味にも負けないお米の味が求められました。

     

    この過程で日本人のお米に対する好みが変質してしまったのだと思います。

     

     

    ササニシキは、モチモチ感は控えめで程よい硬さがあります。

    そしてあっさりした旨味で、おかずを引き立てる上品な味わいが特徴的です。

     

    ですので、毎日食べても飽きないし、

    和食のおかずの繊細な風味を殺さず、むしろ引き出してくれる役割を果たしてくれるのです。

     

    さらに、血糖値も上げにくい

    ササニシキは美味しいだけでなく、健康効果も高いです。

    それが、血糖値を上げにくい糖質であるということ。

     

    お米のデンプンは「アミロース」と「アミロペクチン」という二つの種類によって構成されています。

     

    このうち、アミロペクチンはもちもち感があり、たとえばもち米は100%アミロペクチンでできています。

     

    通常、ごはんとして食べるうるち米は、アミロペクチンの割合が六十五〜八十五%.

    お米の品種によってアミロペクチンの割合も変わります。

     

    あっさり系のササニシキは、アミロペクチンが少なめ

    逆に、もちもち系のお米はこのアミロペクチンの割合が高くなっています。

     

    そして、このアミロペクチンの割合が高いほど、血糖値は上がりやすく

    逆にアミロペクチンが少なくてアミロースが多いお米は血糖値を上げにくいことがわかっています。

     

    つまり、毎日食べているお米をササニシキに変えるだけで、身体にも優しい食べ方が簡単にできてしまうのです。

     

    お米アレルギーを起こしにくい

    信じられないことですが、最近では子どもでお米アレルギーを持っている子がいるようです。

    自国の主食を食べてアレルギーを起こすなんて、にわかには信じられないことです。

     

    しかし、これも行き過ぎたお米の品種改良が原因になっていることがあるようです。

    ササニシキはこのアレルギーを起こしにくいことでも知られています。

     

    また、朝日などの古代米でもアレルギーは起きにくいことも報告されており、

    甘くてもっちりを求めすぎるあまり、品種改良が行き過ぎ、不自然なお米に変わってしまっている可能性も考えられます。

     

    まとめ

    僕が恐ろしいなと思うのは、

    日本人の嗜好がどんどん甘くてもっちりしたお米に変わっていっていることです。

     

    そもそも、その変化を起こしている味覚の変化が怖いですし、

    このまま嗜好の変化が進んでしまうと、ますますササニシキのようなお米は求められなくなり、食べられなくなります

     

    これまで日本人が食べてきたお米を食べるからこそ、和食のおかずの美味しさもわかります

    もっともっとササニシキのような昔の味わいのお米を求める人が増え、作付け面積も増えていくことを願うばかりです。

    [amazonjs asin=”B00NIFH51Q” locale=”JP” title=”山形県産 ササニシキ 平成28年産 (5分づきに精米する, 10kg(5kg×2袋))”]

    [amazonjs asin=”B00F7VMIRK” locale=”JP” title=”山形県庄内産 特別栽培米認証 ササニシキ 精米 10kg 平成28年産”]

  • お米を食べれば、脂っこいものはやめられる! 「γ-オリザノール」の効能とは

    お米を食べれば、脂っこいものはやめられる! 「γ-オリザノール」の効能とは

    kc150711039140_tp_v

    こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。

    (初めての方は、こちらからどうぞ

     

    ラーメンにカツ丼、ステーキにフライドポテト、ピザにドーナツ。

    これらの食べものに共通するのは脂分が多いことです。

     

    こういった食事が良くないとは知りつつも、

    どうしてもやめられない、食べたくなってしまう、なんてことありませんか?

     

    実は、これら脂分の多い食べものには依存性があることがわかっており、

    やめようと思っても、なかなかやめられなくなっています。

     

    しかし、最新の研究で、脂分に対する依存性を打ち破る活路がお米にあることがわかってきました。

    今回は、お米が持つ高脂肪食に対する効果についてご紹介します。

     

    [adsense]

     

    脂っこいものがやめられないという人は、お米を食べよう! 「γ-オリザノール」の効能とは

    なぜ脂っこいものはやめられない?

    脂っこいものを摂りすぎているとわかっているのに、やめられない。

    これは、決して意志の弱さなどのせいではありません

     

    実は、脂分の多い高脂肪食には、薬物依存をも凌駕する、極めて強い依存性が確認されています。

     

    ラットによる実験で、「高脂肪食」は法律で禁止されている麻薬である「ヘロイン」や「コカイン」よりも、

    「摂取していくにつれて満足を感じにくくなる度合い」が強いことがわかりました(参考: Nat Nerosci 13: 529-531 2010)。

     

    つまり、高脂肪食をとり続けると、以前の量では満足できなくなり、どんどん摂取量が増えていく傾向にあるのです。

     

     

    さらに、「高脂肪食」は「ニコチン(タバコ)」「コカイン」「アルコール」に比べ、

    断ってから日数が経っても、満足と感じる量が著しく多いこともわかっています(参考: 同上)。

     

    これは、高脂肪食が他の依存性の強い物質に比べて脱却(やめる)のが困難であることを示しています。

     

    一般的にやめるのが難しいと思われているタバコやドラッグよりも、高脂肪食は依存性が強いことが証明されたのです。

     

    お米に含まれるγ-オリザノールが高脂肪食を脱却する救世主に

    そんな恐ろしい高脂肪食ですが、お米に含まれる成分が驚くべき効果を発揮することが判明しました。

     

    それは、お米の米ぬかや胚芽に含まれる「γ(ガンマ)-オリザノール」という成分です。

     

    γ-オリザノールとは、自然の食品ではお米にしか含まれない特徴的な成分で、

    米ぬかや胚芽を除いた白米には含まれていません。

     

    精米される前の玄米や分搗き米には豊富に含まれています

     

    琉球大学の益崎裕章教授らが行ったマウスによる実験で、このγ-オリザノールを豊富に含んだ玄米の粉をエサに混ぜて与えたところ、

    高脂肪食に対する嗜好性が和らぎ、肥満も抑えられたという結果が出ています。

     

    γ-オリザノールは、食欲を制御している脳の視床下部に作用し、

    脂肪への嗜好性を抑制する作用があることが発見されています(参考: Kozuka C, Masuzaki H et al. Diabetes 61: 3084-3093, 2012)。

     

    つまり、しっかりお米を食べ続ければ、自然と脂っこいものを求めなくなることが期待できるということです。

     

    白米では意味がない!玄米や分搗き米を選ぶのが肝心

    ただし、白米を食べてもこの効果はまったく期待できません

     

    なぜなら、白米は精米の過程でγ-オリザノールを含んでいる米ぬかと胚芽部分をすべて除去してしまっているからです。

     

    よって、この効果を得ようと思ったら、玄米か分搗き米にする必要があります。

    外食で玄米のお店を見つけたら、迷わず玄米を選ぶようにしましょう。

     

    また、家庭ではなかなか玄米を炊くのが難しいので、

    僕は白米と同様に簡単に炊けて食べやすい、三分搗き米をオススメします

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-4175/”]

     

    さらに、米ぬかから作られた米ぬか油にもγ-オリザノールは含まれています。

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-3550/”]

     

    ちなみに、今巷間で流行っている糖質制限なるものは、

    炭水化物の摂取を減らすことで自然と脂質の摂取は増え、γ-オリザノールを含むお米の摂取も減るので、

    続ければ続けるほど高脂肪食への依存性が増す恐れがあります。

     

    まとめ

    日本人は江戸時代の途中までは白米をほとんど食べていませんでしたし、

    江戸時代になっても都市部以外は玄米(現代の玄米とは違いますが)を食していました。

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-4248/”]

     

    日本の伝統食である和食は脂質の量が少ないことが特徴的ですが、

    それはγ-オリザノールによって、自然と脂っこいものへの嗜好性が抑えられていた結果かもしれませんね。

    (参考: 『「玄米」のエビデンス』渡邉昌監修 キラジェンヌ株式会社)

     

  • 実年齢30歳、体内年齢18歳の僕が、普段の生活で心掛けていること7つ

    実年齢30歳、体内年齢18歳の僕が、普段の生活で心掛けていること7つ

    こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。

    (初めての方は、こちらからどうぞ

     

    僕は現在、三十歳なのですが、体内年齢は十八歳を維持しています。

    img_4763

    管理栄養士を生業としている以上、身体が若いこと(=健康なこと)は当たり前ですが、これはやはり嬉しいことです。

     

    しかし、別に僕は健康維持のためにものすごい毎日努力をしていたり、お金をかけているわけではありません。

    ほんのちょっとした心掛けの積み重ねの結果だと思っています。

     

    そこで今回は、そんな僕が普段の生活で心掛けていることを七つご紹介していきましょう。

     

    [adsense]

     

    実年齢三十歳、体内年齢十八歳の僕が、普段の生活で心掛けていること7つ

    一、和食八割を心がける

    img_4862

    日本人が健康を維持する上で、最適な食事は日本の伝統食、つまり和食だと考えています。

     

    なので、家での自炊は百%和食です。

    そもそも、洋食や中華料理に必要な調味料を置いていないので、洋食や中華は作れません。

     

    しかし、その一方で外食では割りと何でも食べるようにしています。

    普段和食を食べていて、たまに食べる海外の料理はとてつもなく美味しいものです。

     

    二、何よりも腸を大事にする

    img_4792

    人間の健康を考える上で、腸ほど大事な器官はありません。

     

    腸の調子が良ければ心も身体も整いますし、

    逆に腸の調子が悪いと、すべてが狂ってしまいます。

     

    その腸を元気にする上で欠かせないのが、発酵食品です。

    発酵食品に含まれるさまざまな菌は、腸内の善玉菌を活性化し、お腹の中を良好に保ってくれます。

     

    自宅では自家製の味噌、糠床、塩麹、醤油麹、甘酒などを作ったり、納豆を食べることも多いです。

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-2802/”]

     

    また、腸の健康には食物繊維も重要です。

     

    野菜、海藻、きのこはもちろん、

    普段のお米も白米は食べず、三分搗き米を食べています。

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-4175/”]

     

    三、無理に朝食をとらない

    7de62fc8ec7a56e96aba0cf6cfe6e9fd

    「一日三食食べる」ことが金科玉条のように捉えられていますが、僕は朝食はとらないことの方が多いです。

     

    朝は排泄の時間。

    身体も起きたばかりなので、無理に負担をかけてまで食べる必要はありません。

     

    そんな朝に僕が必ずとっているものが、発酵ドリンクとコップ一杯の常温の水。

     

    こちらの(リンクが開きます)MANA酵素の中には、五十種類以上の植物性乳酸菌が含まれており、

    「二」であげた腸内環境を整えることに抜群の効力を発揮します。

     

    自然の菌の力で一年以上発酵され、栄養素が低分子されて消化に負担をかけないところも魅力です。

     

    四、年に四回以上の定期的なミネラルファスティング

    img_0741

    僕は、最低でも年に四回以上は、三日間以上のミネラルファスティングを行っております。

     

    その理由は、ダイエットではなく、デトックス。

     

    どれだけ気をつけていても、食事からは食品添加物や残留農薬、トランス脂肪酸、

    空気中などからも有害金属や環境ホルモンといった、さまざまな化学物質が日々身体の中に入ってきます。

     

    これを定期的にファスティングすることにより、身体の外へと排泄しています。

     

    世の中が変わり、不自然な化学的なものであふれかえっている現代では、

    ファスティングは健康に生き抜くための必須の健康法と言っても良いでしょう。

    [blogcard url=”https://karada465b.minibird.jp/post-4133/”]

     

    五、運動をして身体を動かす

    img_4909

    健康を守る上で、食事はもっとも重要だと思いますが、食事だけでも片手落ちです。

    人間も動物である以上、身体を動かすことを怠ってはなりません。

     

    僕は、近所の二十四時間営業のジムを契約し、週に二〜三回通っています。

    そこでは一時間弱の筋トレをしています。

     

    忙しくてジムに通えない時もありますが、そんな時はジム以外のところで運動をするようにしています。

     

    運動といっても、難しいものではありません。

     

    なるべく歩くようにしたり(iPhoneに内蔵されている万歩計を目安に)、

    電車やバスの中ではなるべく立つ、駅などの移動では階段を使うなどです。

     

    後は、座りっぱなしも血流を滞らせて良くないので、

    カフェや家で作業する時も、一時間毎にお手洗いに行って伸びをしたりしています。

     

    六、適当にやる 完璧にやらない

    img_2608

    普段からブログやFacebookなどで健康の情報を発信していると、よく勘違いされるのですが、

    僕はカンペキニンゲンではありません。

     

    というか、むしろ超適当ゆるゆる人間です笑。

     

    できる範囲ではなるべく自然なものを食べるようにしていますが、

    場合によってはファーストフードなどのお店を利用することもあります。

     

    甘いものだって食べますし、肉も食べます。

     

    人付き合いもありますし、別に健康になるために生きているわけではありません。

     

    「食べる」という楽しみと、「健康」という人生を豊かに生きるための資源のバランスを取ることを心掛けています。

     

    七、自分の心と上手に付き合う

    20160811_1303

    「食べもの」「運動」と来て、あと肝心なのが「心」です。

     

    特に、フリーランスで仕事をしていると、心まで含めた自己管理が非常に重要になってきます。

     

    ここも、三年以上に渡るフリーランス生活の中でいろいろと試行錯誤して、良い方法をどんどん取り入れてきました。

     

    いくつかご紹介すると、まず毎朝十分の瞑想をしています。

     

    現代は常にネットと繋がっていて、過去のことや未来のことに思考が飛びがちです。

    そんな忙しい心を休めて、”今”のその時に集中させてあげるのが瞑想です。

     

    後は、人目を気にしないこと。

    他人からの批判や意味のない常識に縛られず、自分の信念を貫き通すこと。

     

    自然体、ありのままの自分でいること。

    結局、自分らしくいられることが心にとっても一番良いのだと思います。

     

    まとめ

    ということで、僕が普段の生活で心掛けていることを七つご紹介させていただきました。

     

    何か一つでも、読んでいただいた方がより良く毎日を生きるヒントになっていれば幸いです。

     

    「最近どうも毎日がうまくいかないな」という人は、今日の食事をいつも以上に丁寧に噛みしめながらとってみてはいかがでしょうか。

    生活の基盤である食を見直すことで、自ずと身の回りの他のことにも調和が生まれてくると思いますよ。

  • 千葉で三百年以上続く日本酒蔵元「寺田本家」さんのイベントに参加してきました!

    千葉で三百年以上続く日本酒蔵元「寺田本家」さんのイベントに参加してきました!

    img_4911

    こんにちは。管理栄養士の圓尾(まるお)です。

    (初めての方は、こちらからどうぞ

     

    今一緒に仕事をしている、女優で発酵マイスターの菜月さんの紹介で知った、千葉の日本酒蔵「寺田本家」さん。

     

    寺田本家で作られた日本酒を口にした時、今まで飲んだどの日本酒とも違うその味わいに感動を覚えました

     

    その時なんとなく聞いた話で、どうやら普通の日本酒造りをしていないようで、気になっていました。

     

    ちょうどそんな時、Facebookのタイムラインで寺田本家さんに来るイベントがあるのを見つけ、参加することにしました。

     

    [adsense]

     

    千葉で三百年以上続く日本酒蔵元「寺田本家」さんのイベントに参加してきました!

    千葉で江戸時代初期から続く日本酒蔵の老舗

    「寺田本家」は、千葉県の香取郡神崎町というところで、江戸時代初期から三百年以上続く酒蔵です。

     

    現在は二十四代目の寺田優さんが当主を務められています。

    img_4914

     

    いろいろなイベントに出演したり、出版も多数で、対外的にも精力的に活動されていらっしゃいます。

     

    寺田本家さんの酒造り

    そんな寺田本家さんでは、ちょっと他にはないような徹底したモノ作りをされています。

    その特徴をご紹介しましょう。

     

    一、原料のお米はすべて無農薬自然米

    日本酒の原料はお米と水と麹です。

     

    寺田本家さんでは、そのお米を近隣の農家さんとの契約栽培で無農薬のものを使用しています。

     

    さらに、寺田本家さんでも田んぼを保有しており、自分たちでも無農薬のお米を栽培されています。

     

    そのお米の品種も、コシヒカリやササニシキの親でもある古代米の「亀の尾」や「中生神力」など、

    品種改良がされていない在来種も育てています。

     

    二、仕込み水は井戸水を使用

    日本酒造りに良質の水は欠かせません。

     

    寺田本家さんでは、その水に井戸水を使っています

     

    それもただの井戸水ではなく、

    蔵の背後にそびえる神崎神社の鎮守の森の水脈から湧き出る井戸水です。

     

    この水は、江戸時代から三百年以上、枯れることなく現代でも豊かな水の恵みを与え続けています。

     

    さらには、炭を使って水の質をさらに向上させています

     

    三、麹菌から作る 人工的な菌の添加は行わない

    img_4912

    日本酒は発酵するために日本の国菌でもある麹菌(アスペルギルス・オリゼー)を用います。

     

    通常は麹菌を業者から購入して種麹を作るのですが、

    なんと寺田本家さんでは、蒸した玄米を置いておき、空気中の麹菌が自然にくっついて繁殖させて麹を作っています

     

    それだけではなく、日本酒造りに必要な菌である酵母菌や乳酸菌なども、すべて人工的な添加をしていません

     

    どうしているかというと、蔵に自然と住み着いた菌たち(いわゆる蔵付きの菌)が勝手に働いて発酵をしてくれています

     

    そうして作られた日本酒は、まさに自然の恵みをそのまま凝縮したような味わいになります。

     

    四、人の手による作業を大切にする

    江戸時代にはすべて人の手で造られていた日本酒も、時代が進むに連れてどんどんと工業化していきました。

     

    しかし、寺田本家さんでは今でも手作業を大事にしています

     

    機械を使えば、ボタンひとつで済む洗米作業も、蔵人総出で手作業でお米を洗います

     

    一見非効率に見えるこの作業ですが、手作業にすることでお米に均一に水が行き渡って美味しさにもつながるとのこと。

     

    写真を拝見しましたが、桶や、お米をすくうスコップも木製で、そういうところも良いなあと思いました。

     

    五、他じゃ味わえない独創的な日本酒

    寺田本家さんの出しているお酒は、ちょっと他じゃ味わえないものがたくさんあります。

     

    たとえば、精米歩合が八十や九十のお酒があります。

    日本酒を飲む方はわかると思いますが、こんな日本酒は滅多にありません

     

    精米歩合とは、玄米からどれぐらい削って精米したかを表す数字で、

    味をスッキリさせるためにだいたい半分ぐらい削って精米歩合五十などという日本酒が多いのです。

     

    精米歩合が九十ということは、玄米が百なので、一割しか削っていないということ。

    だからこそ、お米の旨味やその他の複雑な味が全部凝縮されています

     

    他にも、発芽玄米で作ったお酒(むすひ)もあります。

     

    このお酒は瓶詰めした後も乳酸菌や酵母菌が生きていて、発酵ガスを作り続けるので、

    開封する際は少し栓を緩めて空気を抜き、また少し緩めるというやり方で、

    五〜十分かけて栓を開けるという菌の力に溢れたお酒です。

     

    まとめ

    寺田本家さんの酒造りの気高い崇高な志に、ただただ胸を打たれた夜でした。

     

     

    高度経済成長の大量生産大量消費の裏で、日本人が失ってしまったもの。

     

    それを取り戻すことこそ、僕たちがより肉体的にも精神的にも豊かに生きる光があるように思います。

     

    しかし、まだまだ人の価値観が従来の状態から抜け出しきれていない今の時代において、

    本物を提供し続けるというのは容易いことではありません。

     

    こういう蔵元さんには頑張って欲しいですし、個人的にも微力ながら応援していきたいと思いました。

     

    ちなみに、寺田本家さんのお酒は通販でも購入可能です。

    (参考: 寺田本家さん通販サイト

     

    また、表参道にある発酵居酒屋5でも常時置いてあるので、気軽に楽しむことができます。

    (参考: 発酵居酒屋5)

     

    特に、日本酒がお好きな方はぜひ一度この味を口にしてみてください

    新しい扉が開かれますよ。